来年もよろしくお願いいたします。

2007年もあとわずか。街にでると、イルミネーションはつい先ごろまで、クリスマスバージョンだったのに、其処此処で、琴や笛の音楽がきこえてくると途端にお正月になるのが不思議です。 読売新聞が発表した2007年の10大ニュースは 1.安倍首相が突然の退陣、後継に福田首相 2.「不二家」が洋菓子販売休止、老舗「赤福」など偽装相次ぐ 3.「年金記録漏れ」5000万件判明 4…

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万人の秀才とひとりの天才(コンテンツと規制について 最終回)

コンテンツ自体は何がしかに偏ったものしかありえないと言ったけれど、政治的内容とか、公序良俗だとか、その他優れた考えなんかが同じ人から発信されている場合も当然ある。 その人の思想が政治的にも、公序良俗的にも、全体の思想体系として構築されていると、抵触しているここだけ削除、なんて分離できないことだってある。無理強いすれば、表現の自由を束縛し、天才を凡人に変えてしまうことにもなりかねない。 …

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ロングテール(コンテンツと規制について その8)

オンラインショッピングの世界でよく取り上げられるビジネスモデルとして、ロングテール・ビジネスモデルというのがある。 ロングテールとは、商品売り上げのグラフの縦軸を販売数量、横軸を商品名として販売数量順に並べると、あまり売れない商品が、恐竜の尻尾のように長く伸びることから、この長く伸びた部分を「ロングテール」という。 ロングテールに含まれる商品は、販売数量が低い割りにアイテム数の多いこ…

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2ちゃんねる(コンテンツと規制について その7)

ネットにはグーグルと同じく、自らのコンテンツを持たない存在もある。その中で代表的なものは、1000万人が利用しているとも言われる2ちゃんねる。 2ちゃんねるにはテーマごとに数百の掲示板が用意されていて、それぞれの掲示板はさらに話題ごとに閲覧者が作成した「スレッド」と呼ばれる小さな掲示板に分かれている。 2ちゃんねるは「匿名掲示板」だけど、中には特定のハンドルを名乗る投稿者もいるし、発…

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情報価値のつけ方(コンテンツと規制について その6)

検索エンジンの中で、急成長を遂げているもののひとつにグーグルというのがある。 米ComScore社は、2007年8月における世界の月間検索エンジン利用事情を調査した最新レポートの発表を行った。その結果、グーグルは、世界で最も多くの月間検索利用を記録し、全検索回数の実に60.8%と、圧倒的なシェアを確保してダントツ1位を記録している。 グーグルの検索エンジンの中身は勿論公表されていない…

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自由と公平(コンテンツと規制について その5)

新聞や本、ネットでもそうだけれど、読む人が情報を得ようとするとき、まず見るのは見出しや題名。現代人は忙しいから、全部の雑誌の全部の記事を丹念に読むことなんて殆どできないし、しない。だから各社は読者の気を引こうとして、刺激的な見出しをつけて、少しでも読んでもらおうとする。 ネットでも新聞社のHPがあるから、そこを何の気なしに読むというのもあるけれど、中には、詳しく読みたい記事もある。それにつ…

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中立とは何か(コンテンツと規制について その4)

政治的立場もそうだけれど、情報に中立性を求めるのはそもそもにして難しい。 まず絶対的な中立の基準からして決められない。価値観や伝統ですら、時代と共に変遷してゆくもの。仮に決めることができたとしても、右や左の人からみれば、それこそが偏ってみえるし、右や左のどちらかが多数派を占めると、以前は中立だった考えが途端に異端扱いになる。 だから、中立って、どの意見にも与さないか、どの意見も全て等…

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コンテンツと媒体(コンテンツと規制について その3)

「情報の車」は、個々人のPC端末で読まれたり、書いたりされてその意味を持つ。だからコンテンツの持つ価値は、個人によって異なるもの。同じコンテンツであっても、興味のある人にとっては重要な情報だけれど、さして興味のない人にとっては、それほどの価値は持たない。 だから、社会的に影響力のあるものというのは、「広く一般的に普及している」という意味と、それを見た多くの人がなるほどそのとおりと「納得して…

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インターネットの交通ルール(コンテンツと規制について その2)

今の日本のネット事情は高速通信が当たり前。ブロードバンドって、よく高速道路にたとえられていたけれど、そのとおり。情報の高速道路。そのお陰で重かった画像データとかも手軽に送受信できるようになって、便利になった。 ブロードバンドをはじめとするネット網を高速道路にたとえると、ネットコンテンツはそこを走る車になる。そこで適用される交通ルールってなにかといえば、ネット通信規格。 車を使う人にと…

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規制の対象(コンテンツと規制について その1)

情報の価値判断と規制について考えてみたい。全9回シリーズでエントリーする。 先ごろ、総務省が、現行の通信、放送関連の法律を「情報通信法(仮称)」として一本化して、2010年の通常国会に提出する方針を明らかにした。インターネットのコンテンツを、「政治的な中立性が保たれているか」や「公序良俗に反していないか」といった観点から規制しようというもの。 [ピカさんの夢のある絵画]よ…

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レンタル移民

戯言に類することですが・・中国移民に関して。 多くのブロガー諸氏が懸念を示されているとおり、民主党の沖縄プランに中国移民一千万人受け入れというのがある。 本当に実現してしまうと、沖縄が半中国化になることは明白。 そこで、戯言に類する思いつきではあるのだけれど、どうしても中国移民が避けられなくなったとした場合でも、ただの移民ではなく、「レンタル移民」というものには出来ないもの…

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プロとサポーター (スポーツと戦争について考える 最終回)

プロの選手はその道の専門家。その競技においては、もっとも高いスキルをもつ人達。 だけど、そのプロの選手を育てるのは観客やサポーターの目。目の肥えた客の目がプロを更に育てる。 怠慢なプレーやミスを起こしてもブーイングひとつしなかったり、素晴らしいプレーにも無反応なサポーターを背に試合を行うチームと、つまらないプレーやミスには容赦ない罵声を浴びせ、凄いプレーには惜しみない賞賛の拍手を送る…

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代闘士 (スポーツと戦争について考える その8)

藤子不二夫のSF短編漫画に「ひとりぼっちの宇宙戦争」という作品がある。 これは、地球とハデス星間の戦争での地球側代闘士として選ばれてしまった主人公が、訳も解らず相手方の代闘士と戦うはめになる姿を描いた話だけれど、その中に惑星間の全面戦争は星間法で禁じられており、1対1の代理人同士の戦いをすることになっている、というくだりがある。惑星間の全面戦争は両惑星の被害があまりにも大きすぎるという…

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身体能力とハンデ戦 (スポーツと戦争について考える その7)

スポーツ競技においては、個人でも集団でも、その選手の技術の高さもさることながら、身体能力の高さも大きくものを言う。 サッカー日本代表選手がアフリカの国と親善試合をやった後のインタビューで「届かないと思ったところからでも足が出てくる。」と、その身体能力の高さを口にする光景が良く見られる。 スポーツは身体競技だから、身体能力が実力に大きく影響するのは当たり前なのだけど、それでも同一競技で…

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ルールと審判 (スポーツと戦争について考える その6)

スポーツはヒトの闘争欲求を満足させるために生まれた、ルールのある代理戦争だという説を取り上げたけれど、実際の戦争に全くルールがないわけじゃない。 国際法では戦争は当事国の軍隊同士が行うことになっている。民間人は対象じゃない。だけど、イラク戦争をみても明らかなように民間人も殺されているから、既に有名無実化してるようにみえるけれど、スポーツ的な見方でみるとまた別の視点で見えてくるものがある。 …

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勝利とフェアプレー (スポーツと戦争について考える その5)

政治的・経済的利益を除いて、戦争に勝つことと、オリンピックで金メダルを取ることとで、国威の発揚という面だけでみればそう大差はない。 だけど、国威の発揚といっても、国内向けに必要とされるものと、対外的、国際的に求められるものとでは、その内容は異なる。 国内向けにはまず勝利。国際的にはスポーツマンシップ。 国威の発揚って、その対象は自国民。だから国民が求めるものを求めることにな…

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国際試合と参加意識 (スポーツと戦争について考える その4)

国際試合だと、いやがおうにも出場国の威信、国威がかかる。 野球の北京五輪のアジア最終予選の視聴率が、国内中継を大幅に上回ったのも、国威がかかっていることは当然だとしても、それ以上に観客の意識が「見る側」より「する側」にウェートがかかっていたからではないかと思う。見る意識から参加する意識が強くなるのが国際試合。 だからおそらく、内容よりも勝つことが重要視される。北京五輪の出場権がかかっ…

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サポーターの威力 (スポーツと戦争について考える その3)

Jリーグ所属クラブであった「横浜フリューゲルス」は98年、母体企業の撤退に伴い、チームが吸収合併され消滅したけれど、チーム存続を願うサポーターが全国から50万を超える署名と募金を集めた。 サポーターのその熱意によって99年、企業の資本に頼らない地域参加型クラブ作りを目指し横浜FCが設立された。その時、モデルとなったのがスペインの名門『FCバルセロナ』。 FCバルセロナは市…

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勝利か内容か (スポーツと戦争について考える その2)

2007年の日本シリーズは中日が制し、53年ぶりの日本一になったけれど、日本一を賭けた第5戦の中日落合監督の投手起用は、後の論議をよんだ。 中日先発の山井投手が8回を86球、6奪三振と一人のランナーも出さない完全試合ペースのピッチングを見せていた。誰しも、日本プロ野球史上初の日本シリーズ完全試合を期待していたのだけど、9回に守護神岩瀬に投手交代。岩瀬が打者3人できっちりと打ち取って、継…

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経験の差 (スポーツと戦争について考える その1)

スポーツと戦争について考えてみたい。全9回シリーズでエントリーする。 先頃、野球の北京五輪のアジア最終予選が行われ、星野ジャパンは見事北京への切符を手にした。 中でも、日韓戦の平均視聴率は23.7%をマークして、今年のプロ野球中継で最高視聴率であった日本シリーズ第1戦の17.6%を大きく上回ったという。 一連の中継・報道・解説をみて強く感じたのは、発展途上のサッカー…

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中国の軍事拡張の問題 (中国の世界覇権戦略 補追1)

純軍事・外交的戦略だけでみて、中国の拡張政策について考えてみたけれど、国内に抱える様々な問題を差し置いて、現実にそんなことができるのかという点について考えてみる。本エントリーを、今回の中国の世界覇権戦略シリーズエントリーの補追としたい。 現代戦争は核を除けば、一会戦においては、通常兵器の性能の差が決定的に戦局を左右する。 だから、張子の虎でない、実質的な軍を持とうとすれば…

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日本の対策 (中国の世界覇権戦略 最終回)

中国が世界覇権を取ったとき、日本が隷属しておこぼれをもらうようになるのが嫌なのであれば、シーレーンを中国に抑えられても対応できるようにならなくちゃいけない。 なぜシーレーンかというと、石油・ガスは、ほとんど中東だけで産出して、そこから持ってくるしかないから。 食料についていえば、世界中で採れたり、栽培したりできるので、エネルギー資源ほど制約があるわけではないから、ある意味、お金さえあ…

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心を攻める覇権維持 (中国の世界覇権戦略 その4)

現代戦争は兵器技術が占める要素が大きく、莫大な開発費が必要になる。軍は戦争によって敗れなかったとしても、軍を支える経済が持たなくなって崩れてゆく。 圧倒的兵器性能差を維持しようとすればするほど、経済的負担がどんどん重くなっていかざるを得ない。そして自重で潰れてしまう。 アメリカは、他国がどんなに頑張っても追いつけないくらいの圧倒的軍事力差を確保することによって、覇権を維持していったけ…

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民主国家の弱点 (中国の世界覇権戦略 その3)

先日、オーストラリアで総選挙が行われ、政権交代が決まった。親中派のケビン・ラッド党首が次期首相に就任することになった。 移民をどんどん受け入れ、特に中国移民を多く受け入れたことも影響しているのではないかとの観測を多くのブロガー諸氏がされている。 また、日々是チナヲチ殿でも香港区議会選で親中派圧勝との記事が出ている。 ウイグル・チベットの例をみるまでもなく、中共のやり方はだいたい…

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東シナ海ガス田の重要性 (中国の世界覇権戦略 その2)

昨今問題になっている、東シナ海のガス田。一説では尖閣諸島周辺海域の油田はイラク油田に匹敵するとも言われている。 イラクの原油の推定埋蔵量は1125億バレルに対して、尖閣諸島周辺海域の原油推定埋蔵量は、日本側の1970年の調査で1095億バレル。中国側の1980年代初めの推計で700億~1600億バレルあるという。 本当だとすれば、イラクに匹敵する油田が日本近海にあることになる。 …

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中国の世界覇権戦略 (中国の世界覇権戦略 その1)

中国の覇権戦略を考えてみたい。全5回シリーズでエントリーする。 [ピカさんの夢のある絵画]より これまでの中国の動きを見る限り、極めてスタンダードな国家戦略を進めているように思える。 ・外交戦略は『遠交近攻』 。オーソドックスなやり方。 『遠交近攻』とは、中国戦国時代に范雎(はんしょ)が唱えた戦略。遠方の国と親しくして、近い国を攻め取る外交戦略のこと。「史記」では、も…

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一致団結のために (覇権について考える 最終回)

サブプライム問題を切っ掛けとしてドル覇権の崩壊が言われている。 日本もそうだけれど、世界中のアメリカ離れが加速してる。離れるのは自由だけれど、今後の世界を見据えてその備えをしているか。 特にシーレーンの防衛をはじめとする国防なんかは本当に真剣に考えなくちゃいけない。日米安保を破棄するときは、その一年前に通告することになっているけれど、この時が一番のチャンスかもしれない。 1…

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価値を生む側と奪う側 (覇権について考える その7)

今、中国は目覚しい経済発展を遂げているけれど、その主体は外資を誘致して、安い労働力で生産コストを低い商品を作って、それが売れているからだけ。別に新しい価値を持つ商品を生み出しているわけじゃない。 天然資源はそのままで価値を付けられているから、資源を確保すればいいだけだけれど、資源以外で経済活動をも生み出す価値の主体は人。個人がどれくらいの価値を生みだしていけるかは、個人がどこまで自由を確保…

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覇権国家の性格 (覇権について考える その6)

覇権国家が衰退してゆくと、その覇権に対して挑戦する国が現れる。非覇権国やその他小国は、様子を見ながら、慎重に次の覇権国にすり寄ってゆく。生き残るために。 衰退する覇権国家と、それに挑戦する国と、生き残りを図る周辺国。覇権に挑戦しない国だって無傷ではいられない。国と国がぶつかる戦国時代へ突入してゆく。 今の覇権戦争は主に食料・エネルギーの奪い合いと、経済の支配権を理由として…

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アメリカの軍事展開力の縮小 (覇権について考える その5)

アメリカは無敵の空軍力があるといったけれど、その無敵の空軍力を世界中に展開して、その威力を発揮するためには、航続距離の問題をクリアしなくちゃいけない。 世界最強の戦闘機とされるF22の航続距離は3200キロ程度だし、戦略爆撃機のB52でも約16000キロ。地球の半周もいけない。 この航続距離だと、米本土から直接カバーできる作戦行動半径は限られてくるし、中東や極東での作戦行動になると、…

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ランチェスターの法則と科学技術 (覇権について考える その4)

近代戦争は、昔に比べて兵器の性能差が大きく戦果に影響を及ぼす。大量破壊兵器を除外しして、通常兵器レベルで考えてもそう。 なぜかというと、どんどん機械化や自動化が進んで、兵器の運用や使用に、人が介在する余地がなくなってきたから。 戦闘機の照準を人が目視で合わせる時代じゃなくなった。機械による自動照準や自動追尾ミサイルのほうが絶対当たる。 戦争における戦果で理想的な姿という…

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