職業選択と職業観(格差について考える その2)

職業選択を行うのに、自分のやりたいことをやれて、それがそのまま十分な収入になるのは理想だけれど、そんなにうまい話ばかり転がっているわけじゃない。みんなどこかで妥協したり、我慢したりしているもの。 新社会人になって、希望に燃えて就職してはみたけれど、こんなはずじゃなかった、と後悔したりするのもまた良くある話。 2008年3月大学卒業予定者の大学生の就職意識によると、会社選択…

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格差とは何か(格差について考える その1)

2008年6月8日に起きた痛ましい秋葉原連続殺傷事件。そして先日おきた八王子殺傷事件。一部には格差社会の生んだ悲劇であるという声もある。今回は、格差について考えてみたい。連続16回シリーズでエントリーする。 [Asagi's photo]より Wikipediaによると格差社会とは次のように定義されている。 『「格差社会」とは、ある基準をもって人間社会の構成員を階層化し…

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さわぐほど お里が知れる 竹島の ひとり静かに 権は戻らむ

アメリカの連邦政府機関である地名委員会が、これまで竹島の帰属を「韓国」と表記してきたのを先週から「主権未確定地域」に変えたそうだ。 案の定、韓国では大騒ぎになっているらしい。中には、韓米同盟は壊れたという声まで飛び出す始末。 ハンナラ党の李在五前議員は、7月17、18日に米ワシントンで開かれた「韓米オピニオンリーダーセミナー」に参加して、「アメリカ議会が日本政府のロビイン…

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廓落胸襟 -かくらくきょうきん-

もう10年近く昔の話になるけれど、江戸博物館で開催された「勝海舟」展にいったことがある。私にとって、村上元三著「勝海舟」を始めて読んで以来、勝海舟(1823-1899)は、最も好きな幕末維新の人物のひとり。 会場は休日ということもあって、盛況だった。特にどの年代がということもなく、老若男女を問わず会場に詰めかけていて、海舟の根強い人気がうかがわれた。70点以上の展示品は書状・日記…

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ブログ通信簿サービス

いくつかのブログでも紹介されているけれど、最近Gooがブログ通信簿サービスなるものをはじめた。 ■ ブログ通信簿サービス ブログ通信簿は、あなたのブログを分析し、通信簿を作成するサービスです。最新記事10件から技術的な解析を行い、判定結果を表示します。 ■ 通信簿の見方 △ブログ性別とブログ年齢 ブログ性別とブログ年齢は、ブログに書かれた内容や言葉遣いなどか…

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竹島と尖閣諸島

韓国の李相喜国防相が竹島への韓国軍駐留を「検討対象となる」と発言した。それに対し、町村官房長官は「軍事的緊張感を高めることが決して日韓の友好関係の増進にプラスにならない。冷静な対処が大切だ」と遺憾の意を表明した。 一方の国が他方に対して、戦争を開始する意思を宣言することは一般的に「宣戦布告」と定義されているから、領土紛争地域に軍を派遣または駐留するということはそのまま、当該国へ…

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岩手北部地震

6月24日午前0時26分ごろ、岩手でまた大きな地震があった。震源の深さは約108キロ、マグニチュードは6・8だったそうだけれど、岩手県洋野町で震度6強を観測するなど、結構強い揺れだったようだ。死亡者についての報道はないけれど、けが人は出ている様子。無事をお祈りする。 震度5が当たり前になり、震度6が珍しくなくなっている現実。岩手・宮城内陸地震とは無関係だと気象庁は発表しているけ…

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毎日新聞社の内部調査結果を検証する

7月20日、毎日新聞は例の英文サイトwaiwai問題の内部調査結果を発表した。 ●毎日新聞側が調査し、認めた点 1)waiwai記事が、日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など国内外に発信すべきではない記事であったこと。(記者倫理の欠如) 2)該当記事が長期間に渡り、ほとんどチェックなしで掲載されていたこと。また、何度もあった外部からの警告も放置していたこ…

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韓国の竹島抗議の一線

竹島問題に関して、ソウルの日本大使館の前で激しい抗議が繰り広げられている。韓国においては、国旗や肖像画を燃やして、その抗議の意を伝えるということは割と知られているけれど、今回は特に激しく、とうとう福田総理のみならず、今上陛下の肖像画まで燃やしてしまっているようだ。 日本のテレビでは、こんなことまでは報道してはいないけれど、一般の日本人、特に高齢者に知られてしまっては、ただではす…

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少しは空気を読んだほうがいい

2008年7月17日の毎日新聞地方版に「ショートメール:「テラワロス」? 」なる記事が載った。 例の秋葉原事件の容疑者宅に若い男性が夜、車に乗ってやって来て、「テラワロス」と叫んで帰っていったと後輩記者から伝え聞いたとして、「モラルの崩壊」と結んでいる。 早速ネットでは、 「テラワラスいまどき使っているやつ見たことねえよwつうかリアルとかねえよwwwwwwwwwwwww…

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ケロロ軍曹 第220話 ケロロ 地球温暖化ってなぁに? であります

7月12日放送のケロロ軍曹は、洞爺湖サミットのパロディだった。エコをテーマにした話だったけれど、鋭い突っ込みがあった。 「だから温暖化を食い止めることなんて出来っこないのさ。」 「いやそんなことはないでござる。」 「ん?」 「ペコポン人もいろいろとがんばっているでござる」 「たとえば、石油のかわりにトウモロコシを原料にしたバイオ燃料を使うことで、二酸化炭素の…

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北京五輪不人気競技ツアー

北京五輪の観戦ツアーの売れ行きが伸び悩んでいるそうだ。 毒餃子から始まって、チベット問題、四川大地震とあれだけ色々あればさもありなん。北京行きのツアーに、人気薄の観戦チケットを100円でつけたり、10万円値引きの女子バレーボール観戦ツアーなんてもう何がなんだか分からない。 不人気競技には海外から人が集まらないから、会場はガラガラになる、それでは面子が立たないから、地元人民…

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ドラゴンクエスト・プロテクト

今日も単なる感想エントリーです。 海賊版がなかなか撲滅できない。任天堂の大ヒットゲーム機であるWiiの海賊版で「Vii」なるものも某国から出回っている。 海賊版も特にWiiをコピーするケースが多いようだ。その理由は弄っても壊れないこと。マイクロソフトのXbox360にも海賊版があることはあるけれど、改造すると結構な確率でXbox本体がおじゃんになってしまうらしい。 改造…

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三方一損 三方一得

ただの戯言です。 アメリカと北朝鮮と日本。三者三様の国益がある。狐とたぬきの化かし合い。 アメリカは北朝鮮に対して、テロ支援国家解除を行った。だけど、国連安保理や二国間の制裁措置はひきつづき継続して、殆ど変化がない。 北朝鮮はアメリカに対して、核開発の廃棄報告を行い、とっくに廃棄の終わっている煙突をこれ見よがしに爆破して見せた。だけど、報告書はプルトニウム製造の実態のみの記…

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告白する自由(毎日新聞問題について考える 最終回)

知るべきことと、知りたいことはその人の立場によって変わるもの。左翼の人は左の情報を好むだろうし、右翼の人はその反対。 政府は、国を維持して繁栄させるために、国民に知っておいて欲しいことを知ってほしいと思っているし、マスコミは権力が暴走しないように監視して、中にある真実を伝えたい。 それぞれがそれぞれの立場で、情報の発信と取捨選択している。だから本来はそういった性格の情報が…

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日本というフィルタリング(毎日新聞問題について考える その8)

今や、マスコミと庶民の間に確かに存在していた情報格差はネットによって埋められつつある。 それでも、一個人の経験や取材なんて多寡がしれているからマスコミとは全然勝負にならないのだけど、莫大な個人という端末数を背景にした、大規模掲示板という情報集積装置の存在がそれを覆そうとしている。 ネット掲示板は基本的に誰でも何処でも書き込みできて、読むことができるから、その情報収集および情報…

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グリッドコンピューティングな2ちゃんねる(毎日新聞問題について考える その7)

コンピュータの情報処理方式の中で代表的なものに、集中処理と分散処理というのがある。 集中処理とは、1台の大型コンピュータに複数のクライアントを接続し、クライアントからの要求処理をすべてそのコンピュータで行う処理形態のこと。 集中処理では、全ての情報および処理が1台の大型コンピュータに集まるから、運用管理やセキュリティ対策がしやすい。その反面、すべて1台で処理しないといけないから、同時…

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知るべきこと 知りたいこと(毎日新聞問題について考える その6)

「国政は主権者たる国民の信託に由来するものであり、国民は主権者として国政を知る権利を有する。国民の知る権利は、国民主権と表裏一体をなす、至高の基本的人権であるといわなければならない。 民主主義のもとにおいては、国民の知る権利は最大限に尊重せらるべきであって、国家機密のごときも主権者たる国民の前には原則として存在を許されないものであり、極めて例外的に、国民の利益のためにのみ最少の限度において…

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判断力の根源(毎日新聞問題について考える その5)

報道は、ニュース・出来事・事件・事故などを取材し、記事・番組・本を作成して広く公表・伝達する行為であり、言論の一種であると定義されている。 広く公表するだけなら情報伝達網さえあればいい。今ならネットや携帯メールでも十分な筈。だけど、報道を言論の一種だと定義すると別の面も考慮しないといけない。論説の部分がそれ。 情報を分解すると、未加工の一次生データ(報)とそれに見識を加味した…

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モラルとカルマ(毎日新聞問題について考える その4)

昨年から食の安全性は一種の社会問題にまでなっている。賞味期限差し替え、毒餃子、産地偽装。発覚初期の段階で、製品に問題ないとして、対応を誤った企業はことごとく廃業にまで追い込まれている。 デフレ下で合理化が叫ばれ、企業努力をつづけてきたけれど、企業モラルを破壊してまでの合理化を社会は許さなかった。 長い目でみれば、低い企業モラルは不経済でもある。企業モラルの低下は質の低い製品に…

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恥と穢れ(毎日新聞問題について考える その3)

「他のどこでもおそらく、タクシーの後部座席に落ちた輝く携帯電話や地下鉄のドアにもたれかかった誰のものか分からない傘、歩道に落とした札束は永遠に無くなってしまいます。・・・しかし、ここ東京では、これらの品々やその他何千もの落し物は、警視庁の遺失物取扱所に行くまでに多分見つかるでしょう。」 ニューヨークタイムスの「Never Lost, but Found Daily: Japanese …

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偽装報道(毎日新聞問題について考える その2)

毎日新聞本体のWEBで9年もの長きに渡って、こうした誤報道を流し続けていて、それでもただのゴシップなのだから実被害はないだろうとするのは相当に甘い考え。 エクアドルの在留邦人の中には、この誤報道による危険を指摘する声も上がっているようだ。 昨今、企業経営において、コーポレートガバナンスや、コンプライアンスが叫ばれ、各企業が取り組んでいる。 雪印や吉兆を例に取るまでもなく…

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毎日新聞英語版サイトWaiWai問題(毎日新聞問題について考える その1)

「毎日新聞の英語版サイトが酷すぎる」問題を受けて、報道について考えてみたい。全9回シリーズでエントリーする。 毎日新聞の英語版サイトWaiwaiの記事が問題になっている。これは、毎日新聞のライアン・コネル (Ryann Connell)氏が、『週刊実話』や『週刊大衆』等から、刺激的なエロ記事ばかりを「クリエイティヴに」翻訳して、毎日新聞英語版「WaiWai」にて、9年以上に渡っ…

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パワープレイ

北京五輪を目前に控え、代表選手の選考も出そろってきたけれど、TVをみてもいまひとつ盛り上がりに欠けるように見える。 それもその筈。チベット動乱から始まって、聖火リレーボイコット、胡主席来日、四川大地震に奥州大地震、石油高騰と値上げラッシュ、そして洞爺湖サミット。わずか数カ月の間に目まぐるしく事態は推移してる。 四川大地震の被災者の報道も奥州地震後はそちらに奪われ、その奥州…

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園田義明氏講話会 参加報告

さる7月5日、上板橋で園田義明氏の講話会が開催されたので参加してきました。 園田義明氏は現在(財)国際平和協会主任研究員で5月に新著『隠された皇室人脈』(講談社+α新書)を上梓されている。 会場へ行く途上で、その新著を読んでいったのだけど、講話の内容は新著に書けなかった部分がメインだった。この部分こそが最も書きたかったところだという。 「クスノキと楠」と題された…

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とてつもない日本の底力(新世界秩序について考える 最終回)

日本経済を見てみると、世界のそれとは少しだけ位相がズレている。世界でいち早くバブルが崩壊して、最近までデフレ路線一直線だった。 失われた10年というもの、不良債権の処理に追われて、投資するどころじゃなかった。貸し渋って、貸し剥して。怪我の功名かサブプライムの影響は軽微で済んだ。 日本は不思議な国。もうお仕舞いだと誰もが思うような危機の中から甦る。敗戦もしかり、石油ショックもし…

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技術は力か金か(新世界秩序について考える その7)

第二次大戦後、日本は、国際政治の場では名目上敗戦国扱い。戦後60年たってようやく、国連常任理事国になれるかなれないかに漕ぎつけた程度。だから世界秩序の構築やその姿を左右するだけの「政治的権限」を持てたわけじゃなかった。 だけど、日本はそういった国際的「政治力」の不足を「技術力」とそれを元手にした「経済力」で補ってきた。 軍事力が、紛争解決や戦争といった政治的な力として行使…

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世界がエレボス(闇)に沈むとき(新世界秩序について考える その6)

サブプライム問題が世界を席巻している。金融市場から逃げ出した資金が、行き場を無くして穀物・原油といった先物市場に流れ込み、適正水準を遥かに超えた高騰をもたらしているという。 市場原理に任せれば行き過ぎた価格はやがて訂正されてゆくものだけれど、問題なのはその行き過ぎた価格の対象商品が穀物や原油といった、人々の生活になくてはならないものであること。 あまりにも高くなった商品は安く…

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国としての武(新世界秩序について考える その5)

「合気道で一番強い技はなんですか?」 「それは自分を殺しに来た相手と友達になることさ」 不世出の天才と呼ばれた合気道家塩田剛三の言葉。 確かに友達になれれば、襲われることはないだろう。自分も相手も傷つくことはない。だけどその裏には「武」の裏づけがあることを忘れてはいけない。武道の達人を相手に襲い掛かろうという人は普通はいないもの。「武」の原意は「矛を収める」という意味。相手の攻…

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福田総理の使命(新世界秩序について考える その4)

こうした流れの中で日本を見てゆくと、今、求められるているのは、日本としての資源獲得と経済グローバル化への対応。世界の中で着実に日本のポジションを定めて、身の安全と安定化を図ること。 つまり、冷戦後の世界において、日本国総理として求められる使命を考えると大きくは、 1.国家安全保障               2.資源分野での安全保障           3.経済のグローバル化に対…

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21世紀の総理の仕事(新世界秩序について考える その3)

冷戦が終結して、市場原理主義のグローバル化が本格的になった。 当然日本も無縁では居られない。冷戦下で最適化していた国家体制や社会は世界情勢の揺さぶりを受けることになった。 21世紀の世界の動きは、市場原理主義のグローバル化の進行と世界覇権争い。その具体的事象がイラク攻撃であったり、石油をはじめとする資源獲得競争であったり。 日本における21世紀の歴代総理、小泉元総理…

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