ネガティブキャンペーンへの対応(麻生内閣と総選挙についての雑考 その2) 2008年09月30日 時事 政治 「これが安城、もしくは岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこの辺、全部洪水よ」 名古屋市で行われた自民党総裁選の街頭演説会で、8月末の愛知県での豪雨災害に触れた麻生総理の発言。 マスコミ各社はこぞってこの発言を取り上げて、麻生総理の失言だと叩いている。 ところが、生の演説を聴いた人の話によると全然そうではなくて、「安城や岡崎の(優れた)治水能力…続きを読む
麻生内閣の特徴(麻生内閣と総選挙についての雑考 その1) 2008年09月29日 時事 政治 総理の一字の補追でもあるけれど、麻生内閣と、近いと言われている総選挙について考えてみたい。全4回シリーズでエントリーする。 6月24日、麻生内閣が発足した。野党・メディアなどは早速「お友達内閣」だの、総裁選の論功行賞だ、などと言っているけれど、個人的には素直に評価したい。 内閣の陣営を見る限り、かなり本気だということが伺えることと、非常に戦略的な人材配置をしていることが…続きを読む
太陽の国(麻生総理考 最終回) 2008年09月28日 政治 思索 今の時期に日本の総理になるということは、これからの時代の世界モデルを提示するに等しい。 今でこそ格差が出てきているとはいえ、世界からみれば、日本は社会資本も充実して、国富が行き渡り、ある意味、自由と繁栄の理想に近い社会を実現してしまった。 日本が終わりなき民主主義のマラソンを走っている間に、仲間のランナーが次々と棄権したり、先頭ランナーもペースががくんと落ちてヨタヨタに…続きを読む
市場原理主義と寡頭制(麻生総理考 その5) 2008年09月27日 政治 思索 また、市場原理主義の解釈が間違っていたのかどうかについては、一概に言うのは難しい。 市場原理主義が広く知られるようになったのは、1998年にジョージ・ソロスが著書の中で、19世紀におけるレッセフェールの概念のより良い表現として市場原理主義を紹介したことに端を発するとされている。 レッセフェールとは、要は市場に任せて、政府はなにもするな「なすに任せよ」ということだから、そ…続きを読む
市場経済原理主義の限界(麻生総理考 その4) 2008年09月26日 政治 思索 「市場経済原理主義みたいな形でいくとリーマン・ブラザーズの話とかエンドレスで出てくる話がいっぱいある。」 総裁選の最中、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を受けて、9月16日の自民党青年局主催の討論会での麻生新総理のコメント。 原理を純粋に適用したことで、不都合が起こるということは、原理そのものが間違っているか、原理の解釈を間違って、誤った使い方をしたかのどちらか…続きを読む
時代遅れになった自由と繁栄の弧(麻生総理考 その3) 2008年09月25日 政治 思索 「一言で申しますと、「経済的繁栄と民主主義を通じて、平和と幸福を」という道を、多くの国が歩んでおります。これはいつも言いますように、戦後日本がたどった経路、そして最近では、ASEAN諸国が軽やかに通過しつつある道であります。けれども民主主義というのは、終わりのないマラソンであります。しかも最初の5キロくらいがとりわけ難所だと、相場は決まっております。 ・・・我が日本は今後、北東アジアか…続きを読む
何をもって照らすのか(麻生総理考 その2) 2008年09月24日 政治 思索 「日本は強く明るい国でなくてはなりません。強い国とは、難局にたじろぐことなく立ち向かい、むしろ危機をバネとして一段の飛躍を遂げる国のことです。明るい国とは、元気な国であります。元気な国とは、子どもからお年寄りまで、国民の1人1人が未来に希望を持てる国のことであります。」 「まず、何よりも優先して取り組んでいかねばならないと思っているのが、景気対策、いわゆる日本経済の立て直しです。日本…続きを読む
総理の一字(麻生総理考 その1) 2008年09月23日 政治 思索 自民党総裁選は下馬評どおり、圧倒的大差で麻生新総裁が選出された。今回は、麻生総理考として、ふたたび総理の一字を考えてみたい。全6回シリーズでエントリーする。 それにしても、総裁選での票は圧倒的だった。議員票217、地方票134と全体の6割以上を獲得しての圧勝だった。2位の与謝野氏が66票だったから、圧倒的といっていい。 もっとも、安倍、福田の2代続けての内閣辞職から総選挙圧力…続きを読む
和の国の弱点(国家の性格について考える 最終回) 2008年09月22日 時事 政治 理がそれほど強くない和の国では、互いの理が衝突する可能性は比較的小さくなる。だけどそんな和の国にだって当然弱点はある。 和というのは調和だから、なにか理想調和というような、姿かたちのある固まった何かがあるわけじゃない。調和は様々な意見や要求の中から、集団全体としてバランスのとれた均衡点の上に存在するもの。調和は、たとえ求めるべき、向かうべき目標であったとしても、与えられた環境…続きを読む
理の国の弱点(国家の性格について考える その8) 2008年09月21日 時事 政治 それぞれの行動基準の特徴とその組み合わせで考えてみると、民主主義な理の国、あるいは民主主義な和の国の方が、まだ衆愚に陥いる可能性はより低いようにみえるけれど、それでも理は理なりの、和は和なりの弱点がある。 理の弱点は理に縛られること。理を奉じて理によって成立している国は、その理が守られないとその存立基盤を失ってしまう。しかも、その理が崇高であればあるほど、現実とは乖離しがちに…続きを読む
理和利情と民主主義との関係(国家の性格について考える その7) 2008年09月20日 時事 政治 同じく、理と和、そして利と情のそれぞれの行動理念を持つ国と民主主義との関係を振り返ってみる。 ①民主主義な理の国 民主主義というのも、一種の理。だから、国家の理と個人の理が互いに相反してぶつかる場合は双方の調整が必要になる。尤も民主主義は無論、民の考えを主とする理だから、この場合は個人の理を優先することになる。また、個人の理といっても個人の考えは様々だから、全体として…続きを読む
理和利情の外交(国家の性格について考える その6) 2008年09月19日 時事 政治 理と和、そして利と情のそれぞれの行動理念を持つ国同士が外交交渉を行うとするとどういう関係になるかをそれぞれ6通りの組み合わせで考えるとこうなるのではないかと思う。 ①理の国vs和の国 理の国は理念と合理を全面に押し立てて交渉に臨む。和の国はその要求に対して、どこまで譲歩すればいいか、あるいは、理の国の主張そのものに自ら掲げる理に反していないか、合理の理に矛盾していないかと…続きを読む
理の国(国家の性格について考える その5) 2008年09月18日 時事 政治 もうひとつ、利でも、情でも、和でもない行動原理がある。「理」がそれ。国家理念というか何がしかの理念を基に建国されたような国、人権を掲げたフランスとか、自由を掲げたアメリカとか。 アメリカの建国理念は、神に祝福された新しい理想の国を作るという理念で、自由と民主主義という理念。それが建前となって国が作られている。だからその言葉は建前であったとしても、自由と民主を守るものでなくては…続きを読む
和の国(国家の性格について考える その4) 2008年09月17日 時事 政治 翻って、日本にとって、外交においても、その行動基準として大きな影響を与えているものは何かといえば、おそらく「和」。自国も他国も互いに不利にならないような落とし所を探っていくやり方。 日本は交渉事でも、完全勝利はあまり望まない。50:50のイーブンであればOK。40:60で自国が多少不利であっても、まぁいいかとばかり自分も世界も平和になれるならとあっさりと譲ってしまうように見え…続きを読む
戦略兵器としての言葉(国家の性格について考える その3) 2008年09月16日 時事 政治 中国と韓国の例で振り返ってみたけれど、中国は「利」、韓国は「情」によって簡単にその態度が変わってしまっている。下手な外交交渉なんかより、こちらを使ったほうがずっと効果があるようにさえ見える。 日本人同士での交渉のように、信頼と誠実を基にした交渉を当たり前だとし、それが他国との外交交渉にまで普通に適用される筈だなんて思っていたとしたら、中国や韓国の態度にはとても違和感を覚えるは…続きを読む
中国の嫌韓感情に戸惑う韓国(国家の性格について考える その2) 2008年09月15日 時事 政治 「北京オリンピック開幕式のリハーサル場面が韓国のテレビ局で放映されたことで、中国の努力を台無しにするものだとの反感が誘発されたのに続き、四川大震災についての(韓国)ネチズンの悪意的レスが火に油を注いだ。放送やネチズンは民間外交官として威力を発揮することもできるのに、国家間の信頼を損なうようなことが発生しないよう、行動には慎重を期さねばならない」 韓国ハンナラ党の党本部で開かれた最高…続きを読む
中国の餃子事件の方針転換(国家の性格について考える その1) 2008年09月14日 時事 政治 試論として、国家の性格とその外交における対応について考えてみたい。全9回シリーズでエントリーする。 今回はかなり単純化したエントリー故、たとえばの話として話半分として読んでいただければ幸いである。 中国製冷凍餃子による中毒事件で、中国側が8月28日、日本の外務省に対して、毒物が中国国内で混入した可能性が高いことを正式に認めていたという報道があった。 なんでも、…続きを読む
事故米の背景 2008年09月13日 時事 政治 昨日のエントリーで終わるはずでしたが、追加エントリーします。 農水省が「事故米」を、工業用糊や、木材の合板や集成材の接着剤の原料使用に限り販売を許可してると説明していた件で、そんな事実は殆どないことが明らかになった。 J-CASTニュースが工業用糊メーカーの大手ヤマト、不易糊工業、住友3Mに取材したところ、糊の原料には、タピオカやコーンスターチを使っていて、米を原料にすること…続きを読む
三笠フーズの事故米問題について 2008年09月12日 時事 三笠フーズが、発がん性のあるカビ毒や基準値を超える残留農薬が検出された事故米を食用に転売していたことが明らかになった。古米を新米だと言って売る程度ならまだしも、毒性の残るものをそれとわかって売っていたのだから、もはや偽装のレベルを超えている。 三笠フーズ社長の話によると、なんでも5~6年前から不正転売をしていたという。まったく飽きれる他ない。 また、事故米の転売は他の複…続きを読む
自民党総裁選について 2008年09月11日 時事 政治 感想エントリーです。 自民党総裁選に7名も名乗りを上げた。大本命の麻生氏に対抗の与謝野氏、小池氏、後は、石破氏、石原氏、山本氏、棚橋氏。 最終的には、山本氏と棚橋氏を除く5氏になったようだ。一部には総裁選を盛り上げるためにこんなにも数多く立候補表明したのだという観測もある。そして、おそらく国民もこの候補者乱立は総裁選を盛り上げるための出来レースだと思っている。ただ、与謝野氏の…続きを読む
福田総理の功績(福田総理辞任について 後編) 2008年09月10日 時事 政治 こうしてみると福田総理の最大の功績は、世界の禍から日本を守ることにあったのかもしれない。 もっとも、外交的に福田前総理が大過なく過ごせたのは、多分に他国の情勢に恵まれたということもある。同盟国アメリカはもとより中国もロシアも日本の技術力をアテにして対日融和政策をとっていたから、それほど強硬にでることはなかった。福田型全方位外交はそれにうまくハマっただけだとも言えなくもない。 …続きを読む
福田総理辞任は天意か(福田総理辞任について 前編) 2008年09月09日 時事 政治 福田総理が辞任を表明した。時期を探ってこのタイミングにしたのだろう。1年に満たなかった。2回シリーズでエントリーする。 辞任に追い込まれた経緯と観測については、多数のブロガー諸氏による検証が行われているので、そちらに譲りたい。ここでは、福田政権の実績とその意味について考えてみたい。 福田総理の実績を振り返ってみると ・日ロ共同油田開発締結 ・東シナ海ガス…続きを読む
未来は変えられる(運命について考える 最終回) 2008年09月08日 思索 未来は変えられる。 運命や業(カルマ)は縁起の法に依拠しているから。 善因善果・悪因悪果はその通りの結果を導いてくる。カルバンの予定説のように運命が予め決まっていて、100%絶対で揺るがないのであれば、縁起の法は成立しない。 世の中が縁起の結びつきで成り立つ限り、ひとりひとりの行動は確実に自分を変え、世界を変える。 確かに過去積み上げてきた悪業が大きすぎ…続きを読む
この世に生きる意味(運命について考える その7) 2008年09月07日 思索 この世に生きる人は、未来が分かる訳でもなければ、壁の向こうが見えるわけでもない。 あたかも目隠しされて、手探りで生きているようなもの。輪廻転生が事実であってもそうでなくても、この世に生きている人の殆ど全ては過去世なんて覚えていないから、輪廻転生の真偽に関わらず、この世に生きる人は、事実上過去から切り離されている。 この世は、自分も相手も認識できる範囲が極めて限定されてい…続きを読む
現実世界を肯定する(運命について考える その6) 2008年09月06日 思索 仮に、世界政府樹立を目論む勢力がいたとすると、彼らにとってこうした「耳ざわりの良い死刑宣告」というプロパガンダが、世界の隅々まで浸透していく事はとても都合がいい。 なにせ死刑宣告をしているのだから、何人死のうがいくらでも言い訳ができる。 「貴方が悪いんじゃない。国が悪いわけでもない。次元上昇(マモノ)なんだ。」 と言えばいい。 世界政府の樹立を目論む勢力か…続きを読む
陰謀論と終末思想(運命について考える その5) 2008年09月05日 思索 この終末思想なり終末予言を陰謀論に利用されてしまうと、「この世の終わり」を演出する際の言い訳に使われてしまう危険がある。 たとえば、まだ世界政府という考えのは陰謀論の枠組みの中にあるけれど、世界がグローバル化すれば、一元管理したほうがいいと考えるのは合理的な帰結。 仮に、世界をひとつに纏めようとする手段を考えてみた場合、一番簡単なのは、地球の危機を煽ること。外敵を作る…続きを読む
マモノと思考停止(運命について考える その4) 2008年09月04日 思索 「魔物がいたほうが話が早くていいですね。だからマウンドのピッチャーががっくりしてても、いや"魔物"がいるんだ。だから思い切って投げろと。お前が悪いんじゃない。相手が良いわけでもない。魔物なんだ。・・・ ・・・性格的にピッチャーは、、ほんとすごい、こう、ほんとここでも全然違いますけど、、性格がね・・・逆に魔物がいたと思ってたほうが、僕たちもやり易いね。・・・」 1999年に…続きを読む
善業と悪業の綱引き(運命について考える その3) 2008年09月03日 思索 どんなに清く正しい人であっても、共業のレベルで災厄に遭うことはある。だけど、共業であれ、不共業であれ、業である限り、それを乗り越えることは可能。乗り越えたいと思った時点から、その悪業を断ち切るための善業を積んでいけばいい。 とはいえ、人は過去にさかのぼることはできないから、過去に積み重ねてきた業はそのまま残っている。もう一度やり直しというわけにはいかない。過去の悪業は、業力として依然…続きを読む
共業と不共業(運命について考える その2) 2008年09月02日 思索 運命に有効範囲や賞味期限があるとするなら、それは物理法則のような永遠不変の法則ではないということ。必然的にそれは運命そのものに、その運命自身の生成原因と寿命があることを示してる。 運命は、人や人が作り出した社会に依拠して始めて存在できるもの。人や人の意思が全く介在しない状態で、何がしかの運動をしたり、変化したりするものがあるとすれば、それは運命ではなくて法則。人が居ようが居まいが存在…続きを読む
運命のエリア(運命について考える その1) 2008年09月01日 思索 運命と自由意志について考えてみたい。全8回シリーズでエントリーする。 運命、宿命についてWeb辞書で引いてみると、こうなっている。 ●うんめい 【運命】 (1)超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運。「すべて―のしからしめるところ」「これも―とあきらめる」 (2)今後の成り行き。将来。「主人公の―やいかに」 ●しゅ…続きを読む