田母神論文問題の余波

  今日は簡単に。。。 田母神論文問題で世論が騒がしい。更迭で収まるかと思いきや、意外とそうでもないようだ。 11/29日の「朝生」のアンケートで田母神氏発言に6割もの支持が集まった。詳細は以下のとおり。 Q1.田母神氏発言に共感できる? YES 303件 61% 理由 1 論文内容は正しい 47件 2 田母神氏の意見は正しい 30件 3 日本は侵略…

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党首討論

ようやくといった感があるものの、11月28日、麻生首相と小沢代表の党首討論が行われた。 なぜこのタイミングか、ということもあるのだけれども、小沢代表にとっては、今が絶好のチャンスであると思ったからだろう。 麻生総理の問題発言や、2次補正予算に関しての発言のブレ、そしてその2次補正予算の今臨時国会での提出を見送る公算が高く、それを突くことで与党を揺さぶろうという狙い。 …

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名医の条件

「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」 11月20日の経済財政諮問会議での麻生総理の発言。 平成18年版高齢社会白書によると、国民医療費は国民所得の伸びを上回っていて、平成15年度の老人医療費は、国民医療費全体の36.9%を占めている。今後、急速な高齢化が進むことを考えると、医療費の増大はまず避けられない。 今の3割負…

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民主党の金融危機追加策

  民主党が金融危機の追加策を出した。主なものは以下のとおり  1.金融機関対策(流動性不足・信用不足対策) (1)日銀による地域金融機関などへの出資 (2)国内基準行の自己資本比率規制の見直し  2.企業対策(信用収縮対策) (1)信用保証枠拡大の具体化(信用保証協会の緊急保証枠14兆円の追加を行う法案作成) (2)日本政策金融公庫などによる危機対応業務の発動を促…

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■ 穢れと禊(再掲)

事情によりエントリーができませんので、しばらく過去エントリーの再掲をさせていただきます。 1.日本人を縛る穢れの思想 自殺者が年間3万人を超えるという。ちょっとした戦争状態に等しい。自殺の原因は様々だけど、日本人特有の諦めの良さも結構関係していると思う。外国人は日本人と比べてずっと諦めが悪い。特に中国人は諦めないらしい。 日本人はいさぎよさを重視する。窮地においてじたば…

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孤立の総理 停滞の国

麻生総理が孤立の様相を呈してきた。足元も緩んできたかのようにも見える。中堅・若手議員が今年度第2次補正予算案の今国会提出を直訴しているけれど、民主党は審議拒否や参院否決と完全対立モード。 これで、しばらく政治は動かなくなる。 流石の麻生総理も少し焦り出してきたように見える。一番はこれまで進めてきた民主党はダメだキャンペーン作戦に陰りが出てきたことだろう。 当初はう…

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奥山真司氏講演会参加報告

  先日、都内某所で行われた、奥山真司氏講演会に参加してきました。 奥山真司氏は、現在イギリスレディング大学で戦略学科博士課程に在籍し、Dr.を目指しているという。 会場は、熱気に溢れており、30人の人数制限が勿体ないくらいであった。わずか1日で申込が締め切られたところをみても、もう少し広い会場でも十分埋まると思われた。 奥山真司氏といえば、地政学。というくらい有名だ…

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初めて日比野庵にお立ちより下さった方へ

  日比野庵ブログの開設から早一年半が立ちました。いつもお立ちより下さる方はお気づきかと思いますが、最近、日比野庵はブログデザインを少しシンプルにリニューアルしております。 この機会に、初めてお立ちより下さった方のために、日比野庵でこれまでエントリーさせていただいた記事を整理して概容をつかんでいただくための簡易リンクをエントリーさせていただきます。 当日比野庵では大きく以下…

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オバマ大統領のカウンターパートナーの資格(オバマ大統領考 後編)

  孤高の士、プレジデント・オバマ。 彼の生い立ちは、確かに「物語」としか思えないほどのもの。 オバマ次期大統領は、1961年8月、ケニアからの留学生だった父とカンザスからハワイ大学に勉強にきていた母との間に生まれた。2歳の時に両親が離婚、後に再婚した母とインドネシアで幼少時を過ごしたのち、ハワイで小青年期を送る。 コロンビア大学卒業後は、シカゴへ移り貧困に苦しむ黒人…

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オバマの一字(オバマ大統領考 前編)

総理の一字シリーズに倣って、オバマ大統領の一字を考えてみたい。全2回シリーズでエントリーする。 ただし、今回のオバマ大統領の一字については、ただの印象に基づいたもので軽い読み物として見ていただければ幸いである。 「リベラルなアメリカがあるのではない。保守的なアメリカがあるのではない。あるのはただアメリカ合衆国なのだ。黒人のアメリカや白人のアメリカ、ヒスパニックのアメ…

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田母神氏の弁明と東京裁判(田母神論文問題について 補追1)

  田母神論文問題について最終回のエントリーでのコメントのやり取りを受けて、補追します。 東京裁判とそれに基づいた歴史観、これらによって現在の日本の外交的選択権は狭められている。 東京裁判では連合国によって「平和に対する罪」「殺人と通例の戦争犯罪」「人道に対する罪」によって裁判が行われ、判決がくだされた。 ここで大切なことは、裁判と判決は違うということ。 裁判は…

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将来不安への対策 (定額給付金についての雑考 後編)

消費者が貰ったお金を消費せずに貯金してしまうとすると、その理由として考えられるのは、 A)将来が不安なために蓄えておく(将来不安) B)特にこれといって買いたいものがない(消費性向低下) の大きく2つくらい。日本で生活する限り、生活保護制度もあるからいきなり飢えて死ぬこともない。この状況下で貰ったお金をすぐ使う理由があるとすると、それこそ「今にも飢えて」いる人か「浪費」したい…

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定額給付金は有効か (定額給付金についての雑考 前編)

  連日マスコミを賑わせている定額給付金について。前後編の2回に分けてエントリーする。 麻生内閣の不支持率が急増している。一説には、景気対策のひとつである、定額給付金が不要な政策だと否定的見方が多数を占めていることもその一因だと言われてる。 果たして定額給付金は有効なのか、はたまた、そうでないのか? 普通に考えてみれば、定額給付金を誰一人貰わないことはありえないし、貰…

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地下農園

  食の不安、食の安全が叫ばれるようになってから、地産地消という言葉が良く聞かれるようになってきた。 地産地消(ちさんちしょう)とは、地域生産地域消費(ちいきせいさん・ちいきしょうひ)の略語で、文字通り、地域で生産された農産物や水産物をその地域で消費することを示す。この言葉自体は1980年代前半には、農水省の公報誌などでも使われていて、結構古くからある概念。 以前、「地産…

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誰にケンカ売ったか教えてあげる

  ・・・今日のエントリーは無理やりです。 麻生総理の演説は「KY」だそうだ。それも空気が読めない「KY」じゃなくて「漢字が読めない」ほうの「KY」らしい。 「前場(ぜんば)」を「まえば」、 「有無(うむ)」を「ゆうむ」、 「詳細(しょうさい)」を「ようさい」、 「踏襲(とうしゅう)」を「ふしゅう」 「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」といった具合。 本人は単な…

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戦勝国の論理(田母神論文問題について 最終回)

  戦勝国の論理で世界秩序は作られる。だから、敗戦国がその戦争の正当性を訴えることは、そのまま世界秩序への反抗となる。 日本側の論理としては、侵略国でないと言いたかったとしても、世界からみれば、それは言わせてはならないことになっている。極端なことを言えば、そうした歴史の書き換えは、もう一度戦争して戦勝国にならなければ出来ない話。 実際問題、もう一度戦争し直すなんてのは不可能…

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政府見解(田母神論文問題について その2)

   政府見解はとても重い。それは国を代表しての意見になるから。国を代表する意見ということはそのまま他国に対するメッセージになるということ。国家間でやり取りされるメッセージは、外交や国際情勢にダイレクトに影響する。 だから、政府見解は、すべからく他国との関係を睨みながら慎重に行うべきであって、安易に連発すべきものでもない。一旦出したら、取り消したり、修正したりするのが大変になる。…

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シビリアンコントロール (田母神論文問題について その1)

田母神論文について考えてみたい。全3回シリーズでエントリーする。 『防衛相が「村山談話」と見解の相違があると判断して解任するのは政治的に当然だが、書いたものはいささかも間違っているとは思わないし、日本が正しい方向に行くために必要なことだと思っている。』 11月11日に行われた、参院外交防衛委員会の参考人質疑での田母神前航空幕僚長の答弁のひとこま。 田母神元空幕長は…

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変化への対応からみた自由経済と計画経済(適応力について考える 最終回)

  変化に柔軟に対応できるものの最たるものは人間。人間は野生動物ほど、生物個体として強くはないから、逆にそれを補うものとして、様々な道具や発明をしていった。 熊のような毛皮がないからこそ、衣服を作って寒さを凌ぎ、ライオンの様に生身で狩りをする力がないからこそ、槍や鉄砲を作っていった。 どれもこれも変化に対応できる力の源は人。人のあり方とその人の住む社会がどうあるかでその適応…

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国家におけるアジャストメント(適応力について考える その2)

  『アジャストメントを噛み砕いて考えていくと、3つの段階に分けられる。まず最初に必要なことは、「自分の欠点が分かる」ことだ。 次に大切なことは、自分の欠点を克服するための対策、つまり「自分への処方箋を書くことができるか」、ということになってくる。 そして最後に、アジャストメントを完成する上で必要なのは、これがいちばんしんどいことなのだが、対策を実行することである。「自分で書いた処方箋を、…

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適者生存 (適応力について考える その1)

  環境の変化への適用力について考えてみたい。全3回シリーズでエントリーする。 「私は超1流にはなれないが、自分の弱点理解してアジャストメント(適応)すれば1流の選手にはなれる。」 1997年から、2006年まで、メジャーリーガーとして活躍した、長谷川滋利氏の言葉。 適者は生き残る。 長谷川氏はメジャーに渡った1年目のキャンプの試合で登板して、内心「こら、あ…

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なんでも反対

景気がぐんと冷え込んだ。先のガソリン高騰からすっかり倹約のマインドになった。ガソリンが大幅値下げになっても客足は戻らす、外食産業も閑古鳥。 金融恐慌と将来への不安が増大してる。 3年後の消費税アップのための条件として、行政改革と景気回復を上げた麻生総理は、国の出先機関統廃合の支持や、今回の追加経済対策など着々と手を打っている。 高速道路の乗り放題1000円とか、行…

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言葉は躍る されど進まず

  田母神前航幕長問題を後押しに、野党が攻勢を強める国会審議。新テロ対策特別措置法改正案の審議は参院でストップしている。 国内景気対策に加え、世界的な金融恐慌への対応。政治をきちんと動かしていかなければならないときに動かない、動かせない。 参院外交防衛委員会でカップ麺の値段を総理に質問し、それを囃し立てるマスコミ。 言葉だけが踊って、審議は一向に進まない。 総理…

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小沢代表の秘策

  11月初めの世論調査で、麻生内閣の不支持率が支持率を上回った。どうやら追加経済対策に期待が持てないというのがその理由のようだ。 国民は金融恐慌を冷静に捉えつつも、将来への不安を覚えている。やらないよりはマシだけど、こんなものでは全然足りない、と。 おそらく麻生総理への期待値はもっと高かったのだろう。もっともっと引っ張って壁を突き破ってくれるはずだと思っていた。でもそれ…

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本当に必要なもの

  金融恐慌の強風が少し弱くなって落ち着いてきたようにみえる。だけど、これからの生活は大変になる。サブプライム問題が明らかになる以前から、アメリカでは浪費から倹約へのシフトが始まっていたようだ。もちろんサブプライムローンが払えなくなってきていたからのこと。 当然といえば当然のことだけれど、これまで世界中から物を買いまくっていたアメリカが消費スタイルを身の丈に合ったものに変えると、…

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今の評判と未来の理想(マスコミの役目と責任について 最終回)

世論に基づいた政治は今を統べる。ビジョンを掲げて世論を惹起するのは国家百年の計。 国家を安寧せしめるにはどちらも大切なこと。メディアは前者を行うために、その時代、国や民族としての価値基準をしっかりと持って、正しい民意を吸い上げないといけないし、後者を進めるためには、国民が良し悪しを判断できるだけの正しい情報を広く提供する必要がある。 前者を間違うと国益が損なわれ、後…

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世論を惹起する目的(マスコミの役目と責任について その3)

メディアが国民意思の代弁をするときの条件を見てきたけれど、今度はメディアによって世論を惹起する場合を考えてみたい。 メディアによって世論を惹起される場合とは、当然必要があって今現在または未来に渡って世論を形成しないといけない時であって、既に過去において何がしかの世論が形成されているものをもう一度見直さないといけない場合か、世論そのものがまだ形成されていない物事に対して行われる…

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国民世論の代弁(マスコミの役目と責任について その2)

「私の場合、新聞を読むときは二つの点に注意している。一つは大きな見出しの記事よりも、小さなベタ記事に注目することだ。・・・記者の主観によるところはすべて無視する。」 評論家の竹村健一氏の言葉。 世の中で派手に扱われるニュースって、大抵は「叩く記事」か「持ち上げる記事」。感情に訴えるような構成を簡単にとれるから扇動されやすい。刺激的見出しをトップ記事に持ってきてインパクト…

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ニュースの意味付け (マスコミの役目と責任について その1)

  10月27日昼のぶら下がり取材での麻生総理の取材記者への「マイナスの話ばかりしたがるのはオタクの習性かもしれませんが・・・」発言をきっかけに、マスコミ報道について考えてみたい。全4回シリーズでエントリーする。 報道の定義をWEB辞書で引くとこうなっている。 ほうどう ―だう 0 【報道】 (名)スル (1)新聞・ラジオ・テレビなどで広く一般に知らせること。また、…

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小沢不況

  政府・与党は追加経済対策を10月30日に正式決定し、麻生太郎首相が記者会見して国民に内容を発表した。 内容は総額2兆円の定額減税や高速道路の割引など。高速道路無料化を掲げる民主党の政策をパクッたといわれている。もともと支持率アップのために民主党のイイトコ取りするであろうことはとっくに予想できたことなので別段驚くに当たらない。 問題はこの追加経済対策が国会審議でどうなる…

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