指桑罵槐を読む(アジア覇権とエネルギー戦略について考える その2)

  こうした中国のたびたびの挑発行為にどんな意図があるかについては様々な観測がなされている。 たとえば、そのまま素直に尖閣諸島を自国領土として、周辺海域のガス田を我が物とするための布石であるとか、日本に融和的政策をとる胡錦濤政権への人民開放軍の反発だ、とか。いやその逆で胡錦濤が人民開放軍の不満を逸らすためにあえてやらせたのだ、とか。 どちらにせよ、領海侵犯という行為が日中双…

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中国による真珠湾奇襲(アジア覇権とエネルギー戦略について考える その1)

  アジア覇権と日本のエネルギー戦略について考えてみたい。全6回シリーズでエントリーする。 昨年の話になるけれど、尖閣諸島・魚釣島の沖合いで、中国の海洋調査船2隻が航行して領海侵犯する事件があった。 日本は抗議こそしたけれど、中国非難される余地はない、と開き直ってる。いつものことだといえばそれまでだけれど、今回のはもっと深刻に考える必要がある。ひとつは明白な潜水艦ではなく、…

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トヨタの野望

  ただの思いつきです。 オバマ大統領は1月26日、新たな環境政策の一貫として、日欧とほぼ同水準となる排ガス規制を採用することを表明した。またそれを受けて、GMとトヨタはそれに対応する声明を出している。 ただの思いつきにしか過ぎないのだけれど、これで一部囁かれていた、トヨタのGM買収説が本格的に動いてくるような気がしてならない。 オバマ政権の政策のひとつに自国産業の建…

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企業スポーツから地域スポーツへ

  とうとう日テレがプロ野球ジャイアンツ戦の地上波中継数を大幅削減するようだ。 昨今の不況に加え、広告・CMスポンサー激減による新聞・テレビ局の経営悪化も大きく影響しているのだろう。経営が成り立たなくなれば、なりふり構ってなんかいられない。 「スポーツと戦争」のシリーズエントリーでも触れたけれど、日本人にとって、もともとスポーツ文化は、プロ野球に代表されるように地域に根ざし…

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毒餃子の因果

中国製毒餃子が中国国内でも食中毒を起こしていたことが分かった。なんでも、「天洋食品」が売れ残った大量の餃子を地元鉄鋼工場に横流ししたのが原因らしい。 横流しされた10万個以上の餃子は、鉄鋼会社の子会社にタダで配られて、何人かの従業員がそれを食べて食中毒になった。 横流しするほうもするほうだけれど、食べてしまうほうも良い度胸してる。 もっとも、こうした見方は日本から…

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■ 考えること伝えること

  今日は、過去エントリーの再掲です。   1.知性と五感 考えることと伝えることについて考えてみたい。 考えたことを誰かに伝えたりして交流することを、俗にコミュニケーションと呼ぶ。 コミュニケーションはラテン語の「communicatio」に由来していて「分かち合うこと」がその原義だと言う。 誰かとコミュニケーションするとき、何かの対象を分かち合うことが必…

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アメリカのイスラエル支持

オバマ大統領は22日、中東情勢に関して国務省で演説し「イスラエルの自衛の権利を支持する」と述べた。 「中東大戦争の抑止」のエントリーで、ガザ停戦のためには、世界中が停戦への働きかけをする中、アメリカはひとり悪者になって、中東諸国を牽制することで、中東大戦争になるのを食い止めつつ、頃合いを見計らって停戦介入に動くのではないか、といったけれど、結果的に順序が逆になったとはいえ、ほ…

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誰がために戦う

「防衛に関し、われわれの安全と理想が二者択一であるとの考えはまやかしであり、否定する。建国の父たちは、想像を超える危機に直面しながらも、法の支配と人権を保障する憲章を起草した。・・・この理想の光は今も世界を照らしており、ご都合主義で手放すことはできない。  ・・・先の世代がファシズムや共産主義と対決したのはミサイルや戦車の力だけではなく、確固たる同盟関係と信念であったことを思い起こし…

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森野榮一氏緊急懇話会開催のお知らせ

お知らせです。ご興味のある方はどぞ。 森野榮一氏緊急懇話会 ついにゲゼルの時代が来たのか。シルビオ・ゲゼルは100年前、あのケインズに「未来はマルクスよりもゲゼルの精神から多くを学ぶであろうと信じる」と言わしめた人物。日本におけるゲゼル研究の第一人者である森野榮一氏が、世界を、そして日本を見つめながら、金融・経済危機脱出の途を探ります。 テーマ:金融・経済危機脱出…

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正当な評価

20日の参院予算委員会で、民主党の石井一副代表が「文芸春秋」に掲載された麻生総理の手記で使われた漢字を並べたボードを用意し、読めるかどうか噛み付いたらしい。 いつから予算委員会が漢字テストの会場になったのか。勘違いも甚だしい。 予算委員会なら、予算が適切かどうかの議論をすべきだろう。政権交代と呼ばれ、自身もそのつもりの民主党がこんなでは先が思いやられる。 逆に言え…

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パックスアメリカーナとスマートパワー

「敵と話すことができるのが強い大統領だ」 2008年の米大統領選中にオバマが語った言葉。 イスラエルが一方的停戦を実施し、イスラム原理主義組織ハマスも即時停戦を発表したパレスチナのガザ地区。各国はガザ停戦の維持訴え、1月18日には、エジプトで首脳会議が行われた。だけど、肝心のイスラエル、ハマス両首脳は出席していない。 これに対してオバマはどう対応するのか。 …

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ブッシュからオバマへ

いよいよオバマ大統領が就任する。 以前「オバマ大統領の一字」のエントリーでオバマの行動原理を示す一字は「孤」と「共」だといったけれど、本当にそうなのか注目したい。 オバマの一字である「孤」と「共」は、一見相反する概念のようにみえるけれど、それが共存できるかどうかは、おそらくその「共」の範囲ではないかと思う。 オバマが自身で共にあらんとしている「共」がどの範囲の人々…

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一方的攻撃停止

  イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃を、18日午前2時から一方的に停止すると発表した。 攻撃の停止自体は歓迎すべきものだけれど、停止したのは攻撃だけで、停戦して軍がガザから引き上げたわけじゃない。イスラエル軍はガザに駐留したまま。危険は依然として残ってる。 斜に構えた見方だとは思うのだけれど、国際世論を宥めるためのポーズにしか過ぎないように見えてならない。 …

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ハイブリッドを売った後

  ちょっと凹んでます・・・ 原因不明のPCクラッシュで、Windows再インストールの止む無きに至りました・・ メールから、書き掛けの記事から、何から何まで消えてしまって、ショックです。 むか~~しのバックアップを探しては復旧に努めていますが、大部分は失われてしまっている可能性が大。 更新が厳しい状況になってしまいました・・ しばらくは、過去記事の再掲または、感想エ…

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バイデンとパウエル(ガザ侵攻について 補追1)

  昨日のエントリーでgujin様からコメントをいただいて、返事を書こうをしたのだけれど、長くなってしまったので、エントリーとして立てさせていただきます。 今になって、はっと気づいたことがある。米民主党バイデン次期副大統領の予言とパウエルの予言が頭をよぎる。 バイデンの予言と呼ばれるものは、昨年の08.10/20、シアトルのSheraton Hotelでのバイデンの発言のこ…

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中東大戦争の抑止(ガザ侵攻について 最終回)

  ハマスの攻撃が、封鎖されたガザ地区の解放を目的としたものだとすると、イスラエルによる大規模なガザ侵攻は返って国際社会に対する宣伝になる。イスラエルの非人道性を広く訴え、国際的圧力をかけることで、その可能性は高まる。 だけど、もっと先に狙いがあった場合、たとえば、ハマスがイスラエルの滅亡を狙っているとすると、回りの中東諸国を巻き込んで中東大戦争にして、よってたかってイスラエル…

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テロリストとの戦い(ガザ侵攻について その2)

  ガザ地区の人々は頭上で白燐弾を使われる限り、建物に逃げ込むことになる。そこへ空爆。逃げるところがない。 空爆で目標とするのは普通軍事施設になるけれど、相手はテロリスト。ゲリラ戦になるから、どこが軍事施設かはっきりしない。もちろん軍事車両や倉庫らしきものは破壊するのだけれど、肝心要の司令部がどこにあるかなんて良く分からない。ハマス幹部を狙うんだといってもそんな簡単な話じゃない。…

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非対称戦の悲劇(ガザ侵攻について その1)

  ガザでの戦闘および安全保障について考えてみたい。全3回シリーズでエントリーする。 ただし、今回は感情抜きで理屈中心でリアルに現象を考えてみたい。 ハマスからの攻撃に端を発するイスラエルのガザ侵攻。 戦闘は、イスラエル軍とハマスを中心とするテロリスト。テロリストといえば何やらカッコイイ風に聞こえるかもしれないけれど、日本人的に分かりやすく言えば便衣兵。民間人の格好し…

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野菜工場普及へ

  経産・農水省が野菜工場普及へ法改正を行うようだ。以前「地下農園」のエントリーで少し紹介したけれど、一部の企業で野菜工場の試みは行われている。 食料自給率の面でも、安全性の面からみても是非とも進めるべき。法規制が障害になっているのであれば、どんどん改善するべきだし、もっと都市部で食糧を生産できるようにすればいい。 野菜工場の生産管理なんて、ほとんど電子製品の生産管理と変わ…

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村山談話を日本のイージスにする(村山談話について解析する 補追1)

  村山談話を歴代内閣が踏襲せざるを得ない理由の一端が明らかになってきた。 今月(2月号)の「正論」での安部元総理のインタビューで、現職当時、村山談話を破棄して、安倍談話を模索する動きがあったものの、日中共同宣言に村山談話を尊守するという文言があるために、日本が一方的に反古にすることは国際審議上出来なかった旨の発言を掲載している。 これでは、村山談話を易々と破棄はできない。…

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腹を括った総理

今日も感想エントリーです。 年末年始のお正月番組の合間にやっていたニュースで、麻生総理の年頭演説と小沢代表の記者会見の模様を流していた。 麻生総理の年頭演説を見てふと思ったのだけど、幾分こわばった表情ながら、どこか腹を括ったように見えた。 このままでは、次期衆院選での与党勝利はない。ならば、やれる限り政治をしようじゃないか、という開き直りに似た覚悟。二次補正予算と…

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ガザの虐殺

○関連エントリー ・非対称戦の悲劇(ガザ侵攻について その1) ・テロリストとの戦い(ガザ侵攻について その2) ・中東大戦争の抑止(ガザ侵攻について 最終回) ・バイデンとパウエル(ガザ侵攻について 補追1)  酷い。いい加減どうにかならないのか。 ハマスからのロケット攻撃に端を発するといわれる、イスラエルのガザ空爆と地上侵攻。国連機関の学校まで空爆…

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ローソンレンタカー

  ローソンが店舗巡回用の営業車の一割を電気自動車にするようだ。充電設備も併設するというから、電気自動車の普及に一役買うことになりそうだ。 無人ロボットレンタカーを実用化するのにハードルが高いというなら、ローソンがレンタカー事業に乗り出すという手はあるかもしれない。 日本のレンタカー屋の店舗数はそこそこあるとはいえ、コンビニのそれとは比較にならない。国内最大の店舗数を誇るト…

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年末年始特別企画アンケート集計結果

  昨年末より、年末年始特別企画として、 「2001年の911米同時多発テロにイラクは直接関与していた?」 かについてアンケートをさせていただいております。 本日が集計最終日ですが、これまでの集計結果(2009.1.8)現在をお知らせいたします。 「2001年の911米同時多発テロにイラクは直接関与していた?」 Yes(イラクは関与していた) …

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2009年の年初にあたって

  2009年の年初にあたって。 ネタが尽きる不安におびえながらも、どうにかこうにか、日比野庵も2年目の正月を迎えることができました。 ただ振りかえってみるに、2008年は時事問題を扱ったエントリーが多かったように思います。裏を返せばそれだけ事件が多かったということでもあります。 管理人本人としては、ゆっくりとした抽象的思索型エントリーが好みではあるのですが、PV…

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過去記事所感 お気に入り編

  今日は、管理人本人のお気に入り過去記事の所感です。 第1位は、「天使のコミュニケーション(コミュニケーションとは何か)」です。これが現時点での一番のお気に入りです。数あるシリーズエントリーの中でも、最も深い思索に入った記事です。シリーズエントリーの記事は、自分で書きながら、なるほどそういうことなのか、と自分で勉強になるものがよくあるのですが、このエントリーは特にその感が強いも…

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過去記事所感 離れ編

今日は過去記事の所感をエントリーします。日比野庵 離れ編です。('08.12.29現在の順位です) 日比野庵離れの記事は、本館でのシリーズエントリーをまとめて一本の記事としてアップするスタイルなので、記事テーマに即した比較的長文が多いので、それほどPVが伸びないのでは、と思っていましたが、それでもそこそこのPVがあるようです。 第1位は、「日本人の美意識」です。この記事…

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過去記事所感 本館編

  今日は過去記事の所感をエントリーします。日比野庵 本館編です。 第一位は、なんと「北京五輪が失敗するとき(チベットデモと弾圧について 最終回)」 でした。これは、二階堂.com様に転載されたのが切っ掛けで、PVが伸びたというのが理由です。今でも二階堂.com様経由でアクセスがあるのが驚きです。有名ブログの影響力の凄さをマザマザを見せつけられた思いです。 第二位は、「総…

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過去記事ベスト10

今日は、過去記事のPV数ベスト10についてエントリーしてみたいと思います。 本館・離れの記事PV数ベスト10は以下のとおりです。(2008.12.29現在) ●日比野庵 本館のPVベスト10順位 PV 記事 1  2955 北京五輪が失敗するとき(チベットデモと弾圧について 最終回) 2  2127 総理の一字(福田総理考 その1) 3  1956 天皇陛下と…

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2008年ブログ生活を振り返って 後編

  今日は、「2008年ブログ生活を振り返って」の後編をエントリーします。 ● トップページリニューアル 既にお気づきかと思いますが、2008年の11月中頃トップページのリニューアルを行いました。気分的なものではありますが、メニューバーのボタンが増えすぎて、ごちゃごちゃしていたのをスッキリさせたかったというのが最大の理由です。 リニューアルにあたって、メニューバーのボタン…

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謹賀新年&2008年ブログ生活を振り返って 前編

  あけましておめでとうございます。 日比野庵も2年目の正月を迎えることができました。訪れていただいている皆様に深く感謝申し上げます。(この記事は12/26に書いています。ええ、もちろん年末進行です) 恒例の年初特別企画としまして、これまでの歩みを振り返ってみたいと思います。(ええ、もちろん正月は楽するための企画です。) エントリー予定は以下のとおり。 1/1 …

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