歴史的仮名遣いの伝統保持機能(文化の普及について その6)

   『しかし、世間一般が考へてゐるのとは反對に、漢字問題よりは假名遣問題の方が重大である。なぜなら、第一に、漢字制限や音訓整理の方は始めから無理があり、現にその制限は破られつつあるからである。第二に、假名遣の表音化は國語の語義、語法、文法の根幹を破壞するからである。最後の「陪審員に訴ふ」は國字改惡運動の政治的小細工を暴露する爲に書いたもので、評論集に收めるには聊か品の無いものであるが、さうい…

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