黄海での軍事衝突(北朝鮮の核実験とミサイル発射について 最終回) 2009年05月31日 時事 「自衛隊に地上を攻撃することのできる空対地ミサイル、地対地ミサイルは、ほとんど存在しない。・・・そんな状況の中で、日本はF-2支援戦闘機を通して、対地・対艦攻撃機能を技術的に維持しようとしているのだ。」 田母神俊雄 「真・国防論」より 北朝鮮がどこかの国に戦争を仕掛けるといっても、目的は援助を引き出すためのものだから、相手国や周辺国を壊滅させてしまったら援助なんて吹っ飛…続きを読む
経済援助を毟り取る手立て(北朝鮮の核実験とミサイル発射について その2) 2009年05月30日 時事 今回、北朝鮮は核実験の事前通告をアメリカと中国に対してだけ行なったらしい。 韓国、ロシア、日本を差し置いて、アメリカと中国を選んで事前通告したということは、この2国に対して話し合いがしたい、又は窓口になって欲しいというメッセージを北朝鮮が出しているに等しい。 また、核実験と同日、翌日にミサイル発射も行なっている。どうにかして構ってほしいとメッセージを送ってる。 ア…続きを読む
麻生総理のリーダーシップ(北朝鮮の核実験とミサイル発射について その1) 2009年05月29日 時事 北朝鮮の核実験とミサイル発射について。全3回シリーズでエントリーする。 北朝鮮が、5月25日に核実験と短距離ミサイルの発射を行なった。ミサイルは翌26日にも発射した。 国連安全保障理事会は25日、非公式緊急会合を開き、新たな決議で対応することに合意。韓国も26日に大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加を決定した。 国連安保理の緊急会合後、主要各国は北朝鮮を…続きを読む
メディアとネットの共存(メディアのビジネスモデルとネットについて 最終回) 2009年05月28日 時事 こうして既存メディアとネットを比較してみると、ネットが圧倒的に勝利を収めているようにも見えるのだけど、ネットにも欠点がないわけじゃない。 それは、書き込みされた内容が本当に真実であるかどうかの見極めが難しいこと。リテラシーの問題。 これは、ネットの匿名性と、組織でない個人ユーザーが大半を占めていることに起因してる。もちろん匿名性と個人ユーザーの数の多さが「事実」の配信や…続きを読む
価値ある情報はコピペされる(メディアのビジネスモデルとネットについて その4) 2009年05月27日 時事 「暴露」について考えてみる。暴露は都合が悪くて隠していることなんかを暴いて表に出すということだから、既存メディアにとっては、ある意味において、自浄作用がどこまであるかに相当すると解釈することもできる。 確かに自分にとって都合の悪いことは隠しておきたいことは分かる。だけど、国民の知る権利なるものを掲げて、時に他人のプライバシーにまで土足で踏み込むような真似をしてまで報道す…続きを読む
言論の質とは何か(メディアのビジネスモデルとネットについて その3) 2009年05月26日 時事 真実と暴露と高い見識。これらの3つの軸で、新聞ニュースとネット言論を比較してみるとその特性の違いによる差が顕著に表れてくる。 真実、暴露、見識のそれぞれを辞書で引くと次のように定義されている。 しんじつ [真実] : [1] 〈名・ダ〉 偽りのないこと. ▼~一路 (対)虚偽 [2] 〈副〉 ほんとうに. ばくろ [暴露]: 〈スル〉 秘密や…続きを読む
オーマイニュースの失敗(メディアのビジネスモデルとネットについて その2) 2009年05月25日 時事 『何よりわかったことは、誰もがジャーナリストとなるなら、その競争は所属する組織や媒体名ではなく、言論の質になるということだろう。オーマイニュースは、残念ながら編集部発の記事ですら質で勝負するレベルではなかった。これはどのような点よりも決定的であるし、既存メディアにとっても重要な示唆となる。』 期待裏切った2年・オーマイニュースはなぜ失敗したか(下) ガ島流ネット社会学より …続きを読む
朝日新聞ボーナス40%減(メディアのビジネスモデルとネットについて その1) 2009年05月24日 時事 メディアのビジネスモデルとネットについて。全5回シリーズでエントリーする。 経営危機が囁かれる新聞社でも、とうとう人件費の削減に乗り出した。各新聞社で夏のボーナスの減額が行われている。日本経済新聞は、20-30%台の幅で、夏のボーナス削減を決めている。朝日新聞に至っては夏のボーナス40%カット。読売新聞も朝日に習って大幅カットを打ち出す見通し。 特に、朝日新聞のように、…続きを読む
音撃鏡LRAD 2009年05月23日 時事 足立区で、公園などにたむろする若者の迷惑行為を防ぐために、区の北鹿浜公園に、20代前半までの若者だけが聞こえる「モスキート音」と呼ばれる高周波を鳴らして遠ざける試みを行なっている。 人間が聴くことができる音の周波数は20Hzから20KHzといわれているけれど、この音を聴き分ける能力は年齢と共に変化して、30代になると17KHz程度以上の音は聴こえなくなるそうだ。 もち…続きを読む
豚インフルエンザについて 2009年05月22日 時事 とうとう豚インフルエンザの感染者が首都圏でも発生していたことが分かった。 むしろ、関西圏であれだけ感染が広がっていたのに、東京が無傷なのが不思議なくらいだった。潜在的感染者はもっといる可能性もある。町中でもマスク姿の人が増えてきた。 神戸では祭りが中止になるし、大阪の茨木市駅前なんかではめっきり人通りが減っているらしい。 政府は冷静な対応を呼びかける一方、臨時休校…続きを読む
麻生総理のコメントの特徴 2009年05月21日 時事 今日は軽めの話を・・・・ 麻生総理のぶら下がりインタビューを聞いていて、これまでの総理と明らかに違っている受け答えの特徴があることに気づいた。 それは、質問の意図を質すところと、具体的数字が含まれているところ。 前者については、総理自ら相手の質問を復唱したり、突っ込みを入れる場面があったりする。たとえば、5/18のぶら下がり会見での《「官僚目線の麻生政権」と「市民…続きを読む
公約の確かさ(民主党新体制について 後編) 2009年05月20日 時事 仮に、鳩山新党首が、財界を納得させられなかったとして、労連や無党派層を軸にして選挙戦を戦うとする。その場合、労連や無党派に受けが良い公約とは何かというと、如何に現在の不況による暮らしの不安を解消するかということ。 鳩山新党首は、天下りを無くして、役人から政治家に権限を取り戻すとか、企業献金や世襲を廃止して自ら範を示す政治とか公約を掲げているけれど、国民からみたら、本来それ…続きを読む
鳩山党首誕生(民主党新体制について 前編) 2009年05月19日 時事 民主党の新体制について。全2回シリーズでエントリーする。 小沢氏が民主党党首を辞任を受けて行なわれた民主党代表選挙にて、議員票124票を集めた鳩山氏の民主党新党首が決まった。 以前、小沢氏辞任後の時期党首は、マスコミの動きから岡田氏ではないかと予想していたのだけれど、その予想は外してしまった。マスコミと民主党内の思惑が一致しているという前提で考えたのが間違いだったようだ…続きを読む
無人哨戒システム(エネルギー技術と戦略的活用について 最終回) 2009年05月18日 時事 2009年2月になって、海上保安庁は尖閣諸島周辺の警戒監視活動に、ヘリコプター搭載の大型巡視船(PLH型)を常時配置する態勢に切り替えらている。 もともと尖閣諸島は、戦後しばらくの間は中国も台湾も日本領として認識していて、自国の教科書でもそう紹介していた。だけど、1968年10月から11月にかけて、東シナ海の海底を調査した結果、石油資源が埋蔵されている可能性があると指摘された…続きを読む
戦略的海洋温度差発電プラント建設(エネルギー技術と戦略的活用について その3) 2009年05月17日 時事 EEZを確保するため、沖ノ鳥島に海洋温度差発電プラントを作るという計画を紹介したけれど、そういう戦略的な視点で考えていくと、沖ノ鳥島以外にも作ってみると面白いところがいくつかある。たとえば尖閣諸島なんかがそう。 尖閣諸島の魚釣島に海洋温度差発電のプラントを建設してみるというのはどうか。 海洋温度差発電には、海面表層と深層水との温度差が必要だといったけれど、その前提として…続きを読む
海洋温度差発電(エネルギー技術と戦略的活用について その2) 2009年05月16日 時事 宇宙で電気を作るSPSに対して、海で電気をつくるというものもある。波力発電、潮力発電、海洋温度差発電などがそう。 波力発電は波のエネルギーを利用して発電するもので、空気室を作って海水を取り込めるようにしておいて、空気室内で波が上下するときに発生する気流でタービンを回すというもの。もうすでに航路標識ブイの電源として実用化されていて、今は更なる高出力化への研究が進んでいる。 …続きを読む
宇宙太陽光発電衛星計画(エネルギー技術と戦略的活用について その1) 2009年05月15日 時事 「 大きさ約50K㎡の太陽電池アレー搭載の発電衛星を静止軌道に打ち上げて、発電衛星によって電力を発生させそれをマイクロ波に変換した後、直径約1Kmの送電用アンテナより地球上の直径約10Kmの受信アンテナに、マイクロ波を伝送しそれを直流に変換して500万KWの電力を得よう 」 1968年にアメリカのピーター・グレーザー博士によって始めて提唱され、NASAと米国エネルギー省(DO…続きを読む
漢服ブーム(文化の普及について 補追1) 2009年05月14日 時事 中国・上海の若者たちの間で、漢服を着ることがブームになりつつあるという。2001年に上海で開かれたAPECで各国首脳が着た中国伝統衣装は満州族の衣装が基本デザインだったために批判が集まって、漢族古来の衣装を見直す動きが始まったらしい。 今では少しづつだけど漢服愛好家も増えて、中には結婚式などで漢服を着る人も出てきている。 ところが、今の中国人の殆どは漢服なんて知らない…続きを読む
言霊の力 2009年05月13日 時事 ロンドン大学のジョイディープ・バッタチャリヤ博士は、明るい音楽を聞くと周囲が幸せに見えるという研究結果を発表した。 なんでも脳の視覚に関する部分が刺激され、周囲の人が幸せであるように見えたり、反対に悲しそうに見えたりするそうだ。またこの傾向は効果音でも同じという。 こういった傾向は、現実の事象としては何も変わっていないのに、それらを受け取る主体の状態によってそれが変わっ…続きを読む
先端技術と取り残されるマスコミ 2009年05月12日 時事 「こういうのは、あんた、こういうものがあると、多分、ここにいる人は誰も知らなかった人がほとんどなんだろうけども。知らないでみんな記事書いているんだろうけども。きちんと、こういうのを知って、こういうのを使えばということをやると、『これ、どんなことにも使えますよ』というのは、新聞記者じゃなく商売人が考えるんだから。」 麻生総理が5月9日に、千葉県の先端技術による植物栽培と冷凍保存…続きを読む
「優良放送番組推進会議」によるマスコミ浄化の一里塚 2009年05月11日 時事 「優良放送番組推進会議」の第一回アンケート調査結果がテレビ業界に激震を及ぼしている。 優良放送番組推進会議とは、優良な番組を推挙することが放送番組の向上に有効な手段の一つであると考え、放送番組の動向に関心のある企業がアンケート調査に協力し、その結果を世間に公表することでテレビの優良番組増加を目指す会議。 顧問に元文部大臣の塩川正十郎氏、委員長には元東京大学総長の有馬朗人氏…続きを読む
オバマ大統領のプラハ演説 2009年05月10日 時事 2009年4月5日にオバマ大統領はプラハで、核兵器廃絶を訴え、米国は核廃絶に向けて行動する「道義的責任」を負う認識を表明した。 このプラハ演説に対する波紋は大きく広がっていて、それぞれの国がそれぞれの立場でいろんな反応を示している。 フランスは「核なき世界」に不快感を示し、ロシアも「米国のMD能力が制限されない限り、核弾頭数を1500発以下に減らすことはできない」として…続きを読む
帰属確認と川奈提案(北方領土問題についての雑考 後編) 2009年05月09日 時事 4月17日には、谷内正太郎政府代表が毎日新聞のインタビューに答え、「3.5島(返還)でもいいのではないか。北方4島を両国のつまずきの石にしない」と発言して波紋を呼んでいる。 麻生総理は外相時代に「面積2等分論」を持ち出したことがあるから、谷内発言にも総理の意向が入っているのではないかとの声もあるけれど、総理は、4月23日の衆院海賊・テロ対策特別委員会で、矢内発言は4島の日本…続きを読む
サンフランシスコ平和条約と日ソ共同声明 (北方領土問題についての雑考 前編) 2009年05月08日 時事 北方領土問題についての雑考を。全2回シリーズでエントリーする。 来週5月11日から来日するロシアのプーチン首相との会談を巡って、北方領土問題の進展・解決を期待する声が上がっている。 これまでも北方領土は何度か部分的解決をするチャンスがあった。 サンフランシスコ平和条約(51年)で千島列島と南樺太を放棄、その後、1956年の日ソ共同宣言で国交回復を果たし、その宣言で…続きを読む
保守の右側(政界再編について 最終回) 2009年05月07日 時事 現在の麻生政権を見ていると、外交においては、多国間とのパワーバランスを睨みながら、じわじわと立ち位置を確保してゆくやり方を取っているようにも見える。したたかといえばしたたか。現実的といえば現実的。 先の田母神論文問題でも、日本として言いたいことはあっただろうに、現実を見据えると更迭するほかなかったように思う。 だけど、現実主義はどこまでも現実主義であって、理想を追求する…続きを読む
新政党の性格(政界再編について その2) 2009年05月06日 時事 現自民党の麻生総理が首相を務める限りは、価値観外交を下敷きにした、比較的積極的かつ自立的な安全保障政策を取ることが予想されるのだけど、生憎、与党の大多数が麻生総理を支持しているうちは兎も角として、麻生派そのものを考えた場合、その党内基盤は脆弱なもの。 また、自民党内を見てもその外交政策となると、右から左まで幅広く分布しているから、党内調整も大変だし、あまりに自分独自の外交にな…続きを読む
政界再編(政界再編について その1) 2009年05月05日 時事 ただの憶測だけど、政界再編について考えてみたい。全3回シリーズでエントリーする。 先月14日に、安倍元首相と前原民主党副代表は、海洋資源開発などに関する日米協力のあり方を探るシンポジウム「第3回日米シーパワーダイアローグ」に共に出席するため、アメリカに旅立った。 その出発の際、同じ便に同乗することになり、すわ政界再編につながる行動ではと騒がれていた。 同じ便に与党…続きを読む
日本を浄化する「フレッシュプリキュア」 2009年05月04日 時事 「ピンクのハートは愛あるしるし。もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!」 「ブルーのハートは希望のしるし。つみたてフレッシュ、キュアベリー!」 「イエローハートは祈りのしるし。とれたてフレッシュ、キュアパイン!」 2004年からスタートした、アニメ「プリキュアシリーズ」は女の子たちの間で旋風を巻き起こし、今年の「フレッシュ プリキュア」で6作目を迎える。 見た目は普…続きを読む
日本のパンデミック防御陣 2009年05月03日 時事 日本は新型インフルエンザの水際阻止に全力を挙げている。 成田空港のゲートでは、検疫所が体温を測定するサーモグラフィーを27日に設置、検疫所の医師らが機内から降りる旅客に異常がないか呼び掛け、任意で体温などのチェックを行っているし、機内でインフルエンザの簡易検査をするなどの対策をしている。 4月30日からこれまでの関連報道を列挙してみると以下のとおり 446…続きを読む
プレ・パンデミック 2009年05月02日 時事 新型(豚)インフルエンザが世界的大流行の兆しを見せている。世界保健機関(WHO)は、4月27日にフェーズ3からフェーズ4に、同29日にはフェーズ4から5にへの格上げを発表した。さらにはフェーズ6への格上げも検討しているという。 フェーズ(警戒段階)とは、WHOの事務局長が指定する、感染の広がり度合いを示す指標のこと。感染が世界的に大流行する危険性や、事前対策を実施する必要…続きを読む
中国のIT製品情報強制開示問題 2009年05月01日 時事 騒がれていた中国のIT製品情報強制開示問題で、中国当局は実施を一年延期すると発表した。日米欧の政府・企業が強く反発したのがその理由だと見られてる。 元々、この強制開示の方針は昨年の9月から言い出していたことで、その段階で2009年5月に実施すると言っていた。それが今年の3月16日の段階で当面延期するといい、4月になったら、いややるといって、いざ直前になってやっぱり延期。 …続きを読む