内閣不信任案決議をめぐる駆け引き

  内閣不信任案決議を睨んでの駆け引きが激化している。 野党による不信任案提出時期は、早ければ、来月の党首討論後の2日とも、5日の青森県知事選挙後の6日とも言われている。 ただ、可決については、不透明ながらも否決されるとの見通しが優勢のようだ。 もう報道等でも言われているように、不信任案可決には民主党から81名以上の賛成が必要とされているのだけれど、現実問題としてそこ…

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ちょっと待て その無所属の 黒歴史

   29日投開票された水戸市長選は、無所属、自民推薦の高橋靖氏が、初当選した。 水戸市長選には、他に無所属候補が3人立候補していたのだけど、そのうち、NPO法人役員で市議を2期務めた川崎篤之氏は、もともと、民主系会派に所属していたのだけれど、ここのところの民主党不人気を受け、無所属での立候補を表明。5月9日に離党して、民主色を消して、保守票の取り込みを狙ったのだけれど、得票数を…

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太陽光パネル1000万戸設置構想について

  菅首相が、5月26日、OECDでの演説で、風力、太陽光などの自然エネルギーの比率を高める考えを表明し、国内一千万戸の屋根への太陽光パネル設置を目指す考えを述べた。 5月27日、海江田経産大臣は、太陽光パネルの件については、聞いてはいなくて、「報道を通じて知ったので、もうすこし詳しく話をお聞きしたい」と述べているから、やはり、事前調整はされていなかった可能性が高い。 尤も…

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けものへんに王な宰相

「何兆円の企業のオーナーである稲盛さんとか、スズキ自動車の鈴木会長とかは、何兆円の企業でありながら、正面切って民主党を応援してくれていた人たちが、本当に一生懸命やっただけに、頭にきちゃって、こんな民主党ぶっつぶせ、もう一度やり直しだと言うくらい失望している。」 小沢一郎 於:5/27 WSJインタビュー  とうとうというべきか、ようやくというべきか、民主党の小沢氏から倒閣宣言が飛び出…

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微生物で放射能を除去するプロジェクトについて

  読売新聞福島版で、「微生物で放射能を除去するプロジェクト」なるものが紹介されたらしい。 件の記事を読むと、どうやら「放射能を喰う微生物を校庭に撒け」のエントリーで取り上げた、川俣町のサトーファームでの土壌浄化実験のことのようだ。 ツイッターなんかだと「読売がこんなのを報道したのか?」とか「生物に放射性物質の分解など不可能だ」とか「表面に堆積したものを混ぜ込んで、希釈され…

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合同誕生会と菅の奸計

  菅首相がフランスでのサミットに出発した24日、民主党の小沢氏と渡部氏の合同誕生会が憲政記念館で開かれ、関係修復をアピールした。 両氏は共に、5月24日生まれ。自民党田中派時代から合同誕生会を開いていたのだけれど、関係が悪化するたびに中止を繰り返していて、今回が2008年に中断後初めてというから3年ぶりのこと。 しかも、時期が時期だけに、当然、菅降ろしをも睨んだ動きとも見…

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長官が放った「ビッグバン・パンチ」

  5月24日の記者会見で、枝野官房長官は、福島第一原発1号機への海水注入が一時中断した件について、菅首相が海水注入を実際に指示したとされる午後8時の2時間前、すなわち、午後6時ごろに、『(海水を)入れられるなら早く入れた方がいい』と首相が指示したとされるメモが残っていると発言した。 これを字句どおり受け取ると、首相は午後6時に海水注入の指示を出したあと、首相自ら撤回したか、再臨…

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再臨界の可能性はゼロではない

  来月、6月1日に、自民党が内閣不信任案を提出する方向で検討していることが明らかになった。 これは、もともと、会期末である来月22日までに内閣不信任案を提出する積りでいたところ、公明党などから、前倒しで提出するべきだという意見が相次いだためだそうなのだけれど、ようやく、谷垣総裁も腹を固めたようだ。 昨日、5月23日、衆議院震災復興特別委員会で、自民党の谷垣総裁は質疑に立ち…

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菅政権という最大不幸を食い止める力

  「とにかく、みんなで船縁(ふなべり)をたたいて、一斉に「辞めろ」といわなきゃだめですよ。国会議員は自分を一度、捨てなきゃだめです。民主党議員も、次の選挙がどうなるかとか、今のポストがどうなるかというんじゃなくて、今の日本をどうするかを考えるべきだ。そうじゃなければ、政治家になった意味がないでしょう。」 西岡武夫参院議長 民主党の横粂勝仁衆院議員が、菅直人首相の政権運営や、内部対…

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菅首相が海水注入を止めさせたのかについて

  昨日から、震災翌日の原子炉への海水注入が首相の一言で1時間中断していた説が、話題になっている。 事の発端は、自民党の安倍晋三元首相が、自身のメールマガジン(20日付)で、「菅首相の『海水注入の指示』は全くのでっち上げ」で、海水注入の報を聞いた菅首相が「俺は聞いていない!」と激怒して辞めさせたとしているもの。 この報道があってから、お約束どおり、国会で、やった、やってない…

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放射能を放つ母乳 PART3

  厚生労働省は5月6~16日にかけて、福島、茨城、千葉3県の女性7人の母乳から微量の放射性物質が検出された件についての再調査を行い、すべて検出されなかったと発表した。 ただし、福島県およびその周辺在住の女性から不安の声が届いているとして、今後も母乳調査の実施を検討しているようだ。 その一方で、市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」は4月22日~5月5日にかけて、1都4…

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続・東日本復興への未来ビジョン

  東日本大震災復興構想会議が纏める「主な意見の中間整理案」の内容が明らかになったとの報道されていますけれども、これについて。 中間整理案の内容については、21日の会合で公表の可否を判断するようなのですけれども、報道されている範囲では、地利用規制の緩和や、「復興特区」創設などが盛り込まれているものの、復興財源やその他の項目でも意見が分かれ、取り纏めは難航しそうだと見られています。…

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海への汚染水放出はアメリカの要請だった!?

  「流された水は、非常に低濃度で、しかも量も少なくて、ま、あれはアメリカ政府からの強い要請で流れたんですけれども」 平田オリザ内閣官房参与 於:5/17 ソウル 5月17日に内閣官房参与の平田オリザ氏がソウルでの講演で、先月4日、福島第1原発の低濃度放射能汚染水を海に放出したのは、アメリカからの要請だと説明した、との報道があった。 この発言について、枝野官房長官は、私は承知…

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浮揚しない政権 動き出した民自若手議連

  浜岡原発停止要請で政権浮揚を図ったはずの菅政権の支持率が伸びない。 先週末から各社で行われてきた世論調査によると、浜岡原発の停止要請そのものの評価は6割以上に上り、非常に高いものの、内閣支持率は微増もしくは横ばいにとどまり、30%台に届かなかった。 特に、福島第一をめぐる対応をめぐる評価が厳しく、読売の調査では、評価しないが7割を超えているし、朝日でも6割以上となってい…

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メルトダウンと海水混入

  5月12日、東電は福島第1原発1号機で、燃料棒が原子炉の底に崩れ落ちた可能性があると発表した。恐れていたメルトダウンしてしまっていたということ。 もちろん何をもってメルトダウンとするのかという定義の問題もあるのだけれど、それについては、原子力保安院が4月18日の会見で次のように定義している。 「炉心損傷」  ・・・燃料棒表面の被覆管が熱で傷つき、内部の放射性物質が放出 「…

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浜岡原発停止と人災

  5月14日の午前10時ごろから始めた浜岡原発5号機の停止作業が、翌15日の正午過ぎに、冷温停止状態となり、先に停止していた4号機と合わせて全面停止した。 冷却系がきちんと生きていれば、1日あれば冷温停止に持って行けるのだから、福島第一の冷却が未だに進んでいないことがどれほど異常なことかよくわかる。逆にいえば、炉心の冷却系を守るための手立てと対策を行うことが如何に大切なのかとい…

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放射能を喰う微生物を校庭に撒け

  今日は、ちょっと怪しげエントリーです。 農林水産省は、福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側に向日葵と菜の花を植えて、放射性セシウムなどで汚染された土壌の浄化効果の調査に乗り出した。 これは、向日葵と菜の花に、セシウムやストロンチウムを吸収する性質があるからで、その効果を確認して来年の作付に生かせるようにということらしい。 この案は、3月23日のエントリー『…

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海洋汚染を乗り越える方法 ~Future Gazer~

  今日は、昨日のエントリーの続きでありますけれども、海洋汚染による水産物への対策について考えてみたいと思います。 1.シルトフェンスでは汚染水を完全には防げない 5月11日、東京電力は、福島第1原発3号機の取水口近くの立て坑(ピット)の海側部分のひび割れから高濃度の放射性物質汚染水が海へ流出したと発表しました。 東電は、ひび割れをコンクリートで塞ぐ工事を同日中に…

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海洋と魚の汚染について

  福島第一原発による海洋汚染が静かに進行している。 海に流れ出た放射性物質は、外向きの海流に取り込まれ、外洋へ向かって拡散してゆく流れと、沿岸流に取り込まれ、沿岸伝いに拡散していく流れの2通りがあるだけれども、水産庁は、比較的沿岸部の海域について、関東各県と東北の一部の県を対象に、水産物の放射性物質検査を行っている。 その結果によると、4月28日には、宮城県の牡鹿沖のスケ…

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84%と87%とストレステスト

  「今まで、内閣として、総理として、担当大臣として、東海大地震が30年以内に起きる確率を84%と、公的に、たからかに、断言したことはありません。これはかなり重大な断定で、これを理由にしたことによって、静岡のリスクプレミアムはがくんと上がるし、新規に企業立地したり、マンションを建てたり、住宅ですら、手控えるでしょう。他に代替地があるようなものは、シフトしてしまうでしょう。、経営判断として、東海…

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浸透膜発電と混合エントロピーバッテリー

  今日は、また発電技術についてのエントリーを。 2年ほど前、ノルウェーで世界初の浸透膜発電の実証プラントが運転を開始した。 浸透膜発電とは、淡水と海水との塩分の濃度差を利用した発電方式のこと。具体的には浸透圧を利用する。 普通、塩水と淡水といった、塩分濃度が異なる液体を混ぜると、塩分は混ぜた液体全部に均質に拡散していって、最終的には、液体のどの部分でもだいたい同じ塩…

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反原発キャンペーンと侵略工作

  5月9日、中部電力は臨時取締役会後に記者会見し、政府からの要請に応じて、浜岡原発の運転停止受入を決めた。 中部電力の水野社長は、「総理からの要請は極めて重いと受け止めている」とし、浜岡原発4号機と5号機の運転停止と、3号機の運転再開の見送りを決定したと発表した。 筆者としては、もう少し政府にもっと詳しく理由について政府に問い質すなりして欲しかったところなのだけれど、決ま…

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浜岡原発の停止要請は特別扱い

  今回の浜岡原発の停止要請について、政府から中部電力へ連絡がいったのは、5月6日の菅首相の会見のたった40分前だったことが分かった。 前々回のエントリーでも、根回しなしの思いつきではないかと言ったけれど、やはりそうだったようだ。 中部電力は5月8日に、浜岡の停止要請について、担当役員らが課題ごとに検討を続けているけれど、やはり、現在、東京電力に融通している100万キロワッ…

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政府の仕事は原発の安全対策

   浜岡原発関連の続きです。 政府から停止の「要請」を受けた中部電力は、5月7日午後に対応を協議したものの、同日中の結論は出せず、8日以降に持越しになったようだ。 もちろん、その理由は、夏の電力不足への懸念は勿論のこと、燃料調達コストの大幅な上昇や、地元自治体や下請け業者への影響、雇用問題など、地元や顧客などへの影響が大きいため。 要請をうけて、中部電力が慌てて対応…

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浜岡原発停止要請がもたらすもの

  5月6日、菅首相は記者会見で、浜岡原発の停止要請を行ったことを明らかにした。 具体的には、点検停止中の3号機と稼働中の4、5号機を全面停止を要請するもので、1~2号機は運転終了しているから、要するに、浜岡原発の全面停止。 記者会見では、菅首相は「国民の皆様の安全と安心を考えてのこと」と言っているけれど、それだけではなくて、政権の支持率回復を狙っているという見方もある。 …

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未来予知と希望について

今日は、オカルト的内容になりますけれども、雑感的に述べてみたいと思います。 1.未来予知と未来人の干渉 東北地方太平洋沖地震以降、世間の防災意識が俄かに高まっているように思います。百貨店などでは、防災グッズの売り上げが好調だとも聞きます。 まぁ、あれだけの災害を目の当たりにしては、今度自分のところに来たらと備えるのは、ある意味当然でもありますけれども、ネット等を見て…

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SPEEDI公開について

   「データを出さなかったことで、国民が被曝する状況を隠していたとか、国民の健康を犠牲にしたということはない」 細野豪志首相補佐官 5月4日、テレビ朝日の番組に出演した細野首相補佐官はSPEEDIのデータ公開について「早い段階で公表すべきだった」と公表の遅れを認めた。 放出量などのデータが乏しく、信頼性のある結果となっていなかった、というのが、その理由だそうだけれど、もとも…

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民主党とヴァルプルギスの夜

  昨日のエントリーの続きです。  「文部科学省は1から20ミリシーベルトを暫定的な目安として、今後できる限り児童生徒等が受ける線量を減らしていくことが適切であるという考え方にたっているのであって、20ミリシーベルトまでの被爆を許容しているものではないので、そこは小佐古先生がおっしゃっていること自体が認識というか誤解に基づいている。決して20ミリシーベルトに達するような環境、あるいはそういう…

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放射線専門は一人だけの安全委員会

  「専門的な知識がないので国の目安に基づいて対策を行っているが、その元になった専門家が目安を容認できないということだったので、非常に驚き衝撃的だった。大切な子どもの命を預かる現場としては、しっかりした基準に基づいて安全・安心に取り組みたいが、今は毎日手探りで不安と向き合わざるをえない」 福島県伊達市小国小学校・柳沼雅俊校長 小佐古敏荘氏の内閣官房参与辞任が波紋を呼んでいる。福島県…

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震災に関する対話

  今年の初め、特別対談企画として、筆者の知人であるK氏との対談をエントリーしましたけれども、GWに入って、彼と今回の震災について少し話す機会がありましたので、その内容の一部をエントリーしてみたいと思います。 日比野 こんにちは。震災から1ヶ月たって、まだ落ち着いてないですけど、そちらはどうですか? K氏  こっちは平気だよ。あなたこそ大丈夫だったかい? 日比野 …

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放射能を放つ母乳 PART2

  4月21日の「放射能を放つ母乳」のエントリーの続編です。 4月30日、厚生労働省は福島など1都4県で乳児がいる女性23人の母乳を調査した結果、7人から微量の放射性物質を検出したと発表した。 これは、市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」が4月20日に独自調査を行い、千葉県内の女性の母乳から1キログラム当たり36・3ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表したことを受け…

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