南鳥島沖に埋もれるレアアース泥

  またまた、資源絡みのエントリーです。 東京大学大学院の加藤泰浩教授らの研究グループが、日本の最東端の南鳥島周辺の海底で「レアアース」を豊富に含む泥を発見した。 これは、1969年~1983年に掛けて実施された深海掘削計画(DSDP: Deep Sea Drilling Project)と、1985年~2002年にかけての国際深海掘削計画(ODP:Ocean Drill…

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放送の保存をめぐる図書館戦争

  2012年6月15日、国立国会図書館法の改正法が可決・成立した。 これは、従来、図書、雑誌、新聞、CD、DVD、ビデオなど、頒布を目的として発行されたすべての出版物は、国立国会国会図書館に納付することが義務付けられているのだけれど、そうした紙媒体だけではなく、電子書籍や電子雑誌といった、オンライン資料も収集しましょうというもの。 具体的には、民間が出版するオンライン資料…

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小沢が狙うチキンレース

  そろそろ、小沢氏絡みの政局エントリーも飽きてきたのですけれども、次に大きな動きがない限り、一応今日のエントリーで一区切りとしたいと思います。 6月27日、民主党は臨時常任幹事会を開き、増税法案の衆院での造反者に対する処分を、野田首相と輿石幹事長に一任することを決定した。 ただ、"厳正に"と言った、野田首相に対して、やはり輿石幹事長は、大甘処分を考えているようで、与党幹部…

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小沢にハメられた人達

  今日はこの話題しかないですね。 1.増税法案可決 6月26日、衆院での消費税増税法案の採決が行なわれ、賛成多数で可決された。投票総数459票のうち、賛成363票、反対96票で、民主党からは、小沢氏や鳩山元首相ら増税反対派57人が、造反して反対票を投じ、16人が棄権、もしくは欠席した。 反対票57人は当初の下馬評を40人台を大きく超えるもので、小沢氏は57人の反対票…

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拡大する造反者

  今日は、簡単に… 6月25日、自民党の谷垣総裁は、都内の日本外国特派員協会で講演し、増税法案の衆院採決について「造反者を処分できないようでは、参院で一緒に審議を進めていけるのか非常に疑問だ。きちっとした処分を強く求める」と、民主党の造反者には除籍も含む厳正な処分が必要だと述べた。 これは、むろん、民主党を分裂させ、更に野田政権を追い込むためだと思われるけれど、造反者を処…

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野田の逆襲

  今日は、野田首相サイドからの造反食い止め作戦について考えてみたいと思います。 1.執行部の説得工作難航 民主党執行部による、増税法案反対派や中間派への説得工作が難航しているようだ。 執行部及び野田首相は、電話で個別に説得をしているのだけれど、6月24日、岡田副首相は、都内での講演で「手分けして説得しているが、だいたい留守番電話でコールバックも非常に少ない」と漏らし…

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小沢造反戦略の奥を読む

  今日は半分以上妄想かもしれませんけれども、小沢氏の造反戦略についてもう一歩踏み込んでみたいと思います。 1.右往左往する中間派 小沢氏の増税法案採決反対を巡って、民主党内中間派が揺れている。 6月22日午後、鹿野前農相は官邸を訪れ、自らのグループで法案取り下げを求める声があると伝えた。わざわざ伝えにくるということは、首相に忠誠心を示すことにはなるけれど、同時に鹿野…

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小沢のLast Fortune

6月21日、公明党の漆原国対委員長はBS番組で、社会保障・税一体改革関連法案は、8月上旬に成立させることができるとの見通しを示し、特例公債法案など予算関連法案を全部通した後、内閣不信任決議案や問責決議案を出すことを考えるべきだとの考えを述べた。 法案成立後に解散すべきだ、というのは、何も公明党だけでなく、自民党も言っていて、6月16日に自民党の谷垣総裁は「野田さんがおやりになり…

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小沢のオワリ

  6月21日、今国会会期を9月8日までの79日間延長することが賛成多数で可決した。 元々、民主党は、自公の要求する、8月10日までの50日延長の線で検討していたのだけれど、野田首相の強い意向で79日の延長に変更した。どうやら、自公の要求通りの延長幅だと、「話し合い解散」に応じたと見られかねないことを懸念したとも言われている。 これを受けて、民主党の城島国対委員長は、自民党…

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当店に韓流ブームは来ませんでした

  韓流ブームはそれほどブームではなかったようです。 「韓流」という言葉が、知られるようになって、大分経つけれど、その切っ掛けは、1997年のアジア通貨危機後に経済再建を目指した韓国政府の文化輸出戦略にあるとされる。 この戦略に基づいて、韓国政府は積極的にコンテンツ産業振興策を支援し、官民を挙げて韓国ドラマや映画などコンテンツの輸出を推進していったのだけれど、日本における韓…

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纏まる自民と分裂する民主

  6月19日、自民党の谷垣総裁は、党役員会で「政府・与党がきっちりした態度を示さない限り、われわれとしてもいろいろな考え方をしなければいけない。具体的な態度を示すよう強く求めていく」と述べ、21日までに社会保障・税一体改革関連法案の採決が行われない場合、衆院に内閣不信任決議案、参院に首相問責決議案を提出する方針を固めた。 自民の石原幹事長は、記者会見で、3党の修正合意に関する民…

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荒海や 佐渡に横たふ 大油田

  今日は、ちょっと期待してしまいそうなエントリーです。 1.佐渡沖の油田 6月18日、経済産業省は新潟県の佐渡島南西沖で、来年4月から石油と天然ガスの掘削調査を実施すると発表した。 対象は、佐渡島の南西約30キロ、水深約1100メートルの下の地層で、面積は約135平方キロ。事業費は98億円で、試掘は来年4から6月にかけて行う予定で、政府がJX日鉱日石開発と、独立行政…

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採決と造反

  増税法案の会期内採決を巡って、政府・野党と与党が対立している。 6月15日に3党合意した、社会保障と税の一体改革関連法案について、民主党、自民党とも18日に党内手続きが始まるけれど、党内に反対派を抱える民主党では調整が難航することが指摘されている。 野田首相は17日午後、首相公邸で輿石東幹事長と会談しているけれど、内容は、一体改革関連法案の党内調整や衆院採決などについて…

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「社会保障と税の一体改革」の3党合意について

「社会保障と税の一体改革」が3党合意しましたけれども、今日はこれについて。   1.「社会保障と税の一体改革」の修正合意成る 6月15日夜、「社会保障と税の一体改革」関連法案をめぐる民主、自民、公明3党の修正協議が合意した。 尤も、合意したといっても、実務者レベルの合意であり、最終的な政党間の合意ではないから、正式決定ではないけれど、事実上の合意。 だけど合意…

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中国「蛟竜号」の潜水新記録と「しんかい6500」

  6月15日、中国の有人潜水艇「蛟竜号」が太平洋のマリアナ海溝で、水深6671メートルの潜水に成功したそうだ。 これまでの、潜水世界記録は日本の有人潜水調査船「しんかい6500」が持つ6527メートルだった。 中国の深海調査は、1986年3月に鄧小平の指示のもと企画された国家先端技術研究開発計画(通称:863計画)の海洋技術領域の一つとして発案されたもの。(他には、スーパ…

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自民党が上げた修正合意のハードル

  社会保障と税の一体改革を巡る社会保障分野の修正協議が大詰めを迎えてきた。 6月13日、民主党は自民党の「社会保障制度改革基本法案」に対し修正案を持ってきたのだけれど、民主党の政策が撤回されていないとして、突っぱね、再修正を要求した。 これは、年金や医療について、自民党案が「現行案を基本とする」、というのを原則にしているのに対して、民主党案は「協議・議論して結論を得る」と…

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超小型車が拓く未来

  昨今、若者の車離れが叫ばれる中、新しい車市場が開拓されつつある。 国土交通省は6月7日までに、軽自動車よりも小さい、超小型車のガイドラインをまとめたとの報道があったけれど、これは、軽自動車よりも更に使い勝手のよい「超小型車」という車両区分を設けることによって、特に都市部の様々な問題を解決する手段の一つにするという狙いから、策定されたもの。 超小型車(超小型モビリティ)と…

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「維新の会」の現実

  維新の会がちょっと揺らぎ始めているようです。 1.「特別区」設置特例法案 6月12日、民主党・国民新党の両党は共同で、東京都以外の道府県でも「特別区」を設置できるようにするための特例法案を提出した。 この法案は正式には「大都市地域における地方公共団体の設置等に関する特例法案」といい、人口200万以上の指定都市か、政令指定都市と周辺市町村を合わせて人口が200万人以…

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尖閣と託古改制

  6月11日、衆院決算行政監視委員会にて、東京都による尖閣諸島購入問題について集中審議された。 そこで、石原都知事をはじめ、沖縄県石垣市の中山市長ら4人が参考人として出席したのだけれど、石原氏は、「「中国は『尖閣諸島は核心的な利益だ』としており、『日本の実効支配に対し、果敢な行動に出るための機材を準備する』と宣言している。これは『強盗に入るぞ』と言われて戸締まりしない国がどこに…

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野田政権の生き残りの道

    5月8日からスタートした、社会保障と税の一体改革関連法案の民主、自民、公明3党の修正協議が難航している。 修正協議は実務者協議メンバーを社会保障と税制の2グループに分け、修正内容を検討しているのだけれど、8日から行っているのは社会保障の分野で、11日から税制分野の協議を行うことになっている。 ところが、8日から始まった、社会保障分野の協議では、自民党は、「最低保障年…

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丹羽宇一郎の本性

  昨日は、当初、この話題にする積りだったのでしたけれども、時間的に上手く纏めきれず、息抜きました。(苦笑) 丹羽宇一郎駐中国大使の発言が問題となっている。 これは、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙の6月6日付のインタビュー記事で、東京都の尖閣諸島購入計画について、「実行された場合、日中関係に深刻な危機をもたらす。石原氏のスキームは、購買前の調査さえ外交的に煽り立てるこ…

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ザックジャパン快進撃の2連勝

  今日は、息抜きにサッカーの話題です。 今週からWカップ3次予選が始まっていますけれども、日本代表が2連勝と快進撃していますね。対オマーン戦は3-0、対レバノンに至っては6-0です。6-0なんてちょっと見ないスコアです。 勿論、3次予選が始まったばかりで、まだまだどうなるか分かりませんし、簡単にはいかないと思いますけれども、「ドーハの悲劇」の日本代表を見ていた者からすれば…

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社会保障・税一体改革関連法案の修正協議始まる

  6月7日、民主・自民・公明の3党は、幹事長会談を行い、社会保障・税一体改革関連法案の修正協議に入ることで合意した。 これは、同じく、6日に開かれた3党の幹事長会談で、民主党の輿石幹事長が15日までに修正協議の合意を目指す考えを説明したことで、今国会の会期末である21日までの衆院採決にめどが付いたとしたため。 3党の実務者による協議は、6月8日からスタートする。 当…

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沖の鳥島開発と陸地化プロジェクト

  昨日のエントリーの続きです。 1.満潮時に水没していなければ「島」 中国の覇権主義を牽制する意味では、EEZに対する中国の"俺様ルール"を止めさせ、国際ルールを尊守させることが大事であるのはいうまでもないのだけれど、それ以前に、自国にEEZがなければ、牽制も何もあったものじゃない。 日本の国土は約38万平方キロで世界61位だけれど、領海とEEZの広さとなると、約4…

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EEZと海洋覇権を狙う中国

  5月25日と26日の両日、沖縄県名護市で「第6回太平洋・島サミット」が開催された。 1.第6回太平洋・島サミット これは、太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題について、首脳レベルで意見交換し、緊密な協力関係を構築すると共に、日本と太平洋島嶼国の絆を強化するため1997年から3年に一度開催されている首脳会議。 今回のサミットには、日本を含め17カ国・地域の首脳等が…

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第2次改造内閣と森本防衛相

  6月4日、野田第2次改造内閣が発足した。 交代した閣僚は、参院で問責決議を受けた田中防衛相と前田国交相の2閣僚に加え、弁護士報酬をめぐるトラブルが指摘されている小川法相、スパイ疑惑のある中国大使館の元1等書記官との関係が浮上した鹿野農相。そして、自身で退任を申し出た国民新党代表の自見郵政改革・金融担当相の5人。 新しく閣僚に任命されたのは、防衛相には森本敏拓殖大大学院…

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小沢切り宣言と野田内閣の命運を握る自民

  5月31日に行われた、フジテレビ報道2001の世論調査(6/3放送)で、野田内閣の支持率が下落している。 野田内閣支持率は26.6%と前回の30.4%から5.8ポイント下落。逆に不支持率は69%と前回の62.6%から6.4ポイント上昇し、次の衆院選でどの党の候補に投票するかという設問でも、民主が14.2%に対して自民が22.6%とダブルスコア近い差をつけられている。 こ…

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橋下市長の倒閣発言撤回と苦悩するドイツ

  珍しく橋下市長が負けた発言をしましたね。 1.橋下市長の倒閣発言撤回 6月1日、橋下大阪市長は、関電の大飯原発の再稼働を巡り、「民主党政権を倒す」としていた、自らの発言を撤回する考えを明らかにした。 これは、4月、政府が大飯原発の安全性を確認したとして再稼働を容認した際に橋下氏が「次の選挙で政権は代わってもらわないといけない」などと反発。維新の会は4月14日に緊…

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「前門の狼、後門の虎」の野田首相と自民の策謀

  5月31日、民主党の輿石幹事長は、党社会保障・税一体改革推進会議で、消費増税関連法案の修正協議を全党に呼びかける方針を示した。 元々、自公両党との修正協議を行う予定であったのを、いきなり全党との修正協議なんて、纏まる訳がない。誰が見たって、法案成立先送りであることは見え見え。 先送りの目論見を感じ取った自民党は、修正協議に応じる条件として、「法案の採決の前提となる中央公…

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大飯原発再稼働へ

  大飯原発が再稼働になりそうです。 5月30日、関西広域連合は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について、条件付きで政府に最終判断を委ねる声明を発表し、事実上再稼働容認へと軌道修正した。 連合長の井戸敏三兵庫県知事は記者団に対して「政府が出した判断は受け止める。再稼働を期間限定にするかは政府の判断だ」と表明しているけれど、やはり、夏場の電力不足による経済活動や市民生活への…

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