過去の反省と今の行動と明日への責任

  10月29日、第181臨時国会が開かれた。 この日午前に開かれた、衆院議院運営委員会の理事会と委員会には自公両党も出席し、33日の会期を議決したのだけれど、自民党の鶴保参院議員が委員長を務める参院議院運営委員会は理事会で「問責を受けた首相が登壇するのはまかりならない」と、野田首相の演説を聴取する本会議を開かないことを決めた。 これは、憲政史上初めてのこと。つくづく掟破り…

続きを読む

補選、離党、そして前原

  いろいろネタが尽きませんね。 10月28日、松下金融・郵政担当相の死去に伴う衆院鹿児島3区補選が投開票され、自民前職で公明推薦の宮路和明氏が当選した。 選挙は、各党が党幹部ら「大物」を選挙区に投入し、自民・公明が押す宮路氏と民主が公認並みに支援した野間氏との間で激しい戦いとなり、接戦の末の勝利だった。 宮地氏はこれまで、連続6回当選していたのだけれど、前回の衆院選…

続きを読む

嘘つき民主党が支払う「代償」

  10月28日放送のフジテレビ「新報道2001」の世論調査で、また野田内閣と民主党の支持が下落した。 1.嘘つきと認識され始めた野田首相 民主党支持率は、前回11.6%だったから3ポイント以上の下落して、8.2%ととうとう10%を切った。まぁ、自民の支持率も前回から4ポイント減っているけれど、それでも32.4%から28.2%と、30%台からの下落。30%からの4ポイントと…

続きを読む

緊急経済対策について

  10月26日、野田政権は、景気を下支えするための緊急経済対策を閣議決定した。 財源は予備費を活用し、4200億円規模で、地方自治体の負担なども含めた事業費の総額は7500億円超となる見込み。主な内容は次のとおり。経済危機対応・地域活性化予備費等の使用を決定した緊要性の高い施策(総額:国費4,000 億円超、事業費7,500 億円超) 1.「日本再生戦略」における重点3分…

続きを読む

野田退陣後の亜民主政権

  政局が混沌としてきました。 1.方針転換した自民党 10月26日、野党各党は、国会内で参院国対委員長会談を開き、来週29日から召集される臨時国会で、野田首相が所信表明演説を行う参院本会議を開かない方針で一致した。 これは勿論、前の国会で野田首相に対する問責決議が可決したことがその理由。この後、参院議院運営委員会理事会が開かれたのだけれど、ここでも与野党は折り合わず…

続きを読む

石原都知事の辞任と動き出す政局

  10月25日、東京都の石原都知事が、都庁で緊急記者会見を行い、知事を辞任することを表明した。続いて、新党を結成し、国政に復帰する意向を明らかにした。 新党には、たちあがれ日本の衆参国会議員5人全員が合流する見通しで、更に、日本維新の会との連携協議も進めるとみられている。 石原氏は、国政で何をやりたいのかについて、辞任会見で、いくつか述べているのだけれど、ざっと次のとおり…

続きを読む

橋下徹は本当にケンカが強いのか

  10月20日、「日本維新の会」橋下代表が、鹿児島を皮切りに全国遊説をスタートさせた。 当日の遊説は、鹿児島、熊本、福岡で行われたのだけれど、副代表の松野頼久元官房副長官も同行し、 それぞれ1000人から2000人の聴衆を集め、それなりに盛り上がったようだ。 ただし、演説の内容はバラバラで、鹿児島、熊本では「ご当地ネタ」を使って盛り上げたものの、政策に関する話はほとんどな…

続きを読む

田中法相辞任と任命責任、そして約束の場所へ

  「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」 第61-63代 内閣総理大臣 佐藤栄作 10月23日、田中慶秋法相が、野田首相に辞表を提出し、受理された。 表向きの理由は、「体調不良」と「国民には迷惑をかけられない」ということなのだけれど、まぁ、誰がどう見ても、外国人献金や暴力団との交際についての引責辞任。 田中氏は法相就任直後の10月4日に、台湾籍…

続きを読む

山中教授と萌えるiPS

  「今の日本のiPS研究は1勝10敗です。」 山中伸弥京大教授 1.タッチの差だったiPS細胞の開発 10月19日、田中真紀子文部科学相は記者会見で、ノーベル医学生理学賞を受賞する山中伸弥京都大教授に新しい洗濯機を買ってもらうため、閣僚有志から祝い金を贈ると明らかにした。 何故、洗濯機なのかというと、山中教授がノーベル賞受賞の連絡を受けたときは、自宅で故障した洗濯…

続きを読む

世論調査と安倍石破タッグの重要性

  今日は雑談風に… 10月21日に放送された、フジテレビの新報道2001の世論調査で、野田首相は約束を守り年内解散を明確にすべきが、69.6%との結果が出た。 この調査は10月18日に行われたものだから、丁度、党首会談の当日。ただ、質問文が「自民、公明両党は野田首相が「近いうち」と約束した衆院解散の時期を、年内と明確にするよう民主党に求めています。この約束についてあなたは…

続きを読む

解散密約と内戦に突入する日本

  昨日のエントリーのつづきです。 1.野田・谷垣の解散密約はあった 10月20日、自民党の石破幹事長は、鳥取県倉吉市で講演し、先の3党党首会談で解散に関する具体的な提案をしなかった野田首相に対して、「これが人間のすることか。恥を知れと言いたい。…悪いのは輿石東民主党幹事長ではない。野田首相はまっとうだと思っていたが、絶対に許せない。国益に反する内閣は倒さないといけない」と…

続きを読む

3党党首会談決裂

  10月19日、野田首相と、自民の安倍総裁、公明の山口代表との党首会談が行われ、物別れに終わった。 会談には3党の幹事長も同席し、約40分に渡って行われたのだけれど、野田首相は「近いうち解散」について、「大変重たい確認事項であり、責任は十分自覚している…だらだらと政権の延命を図るつもりはない。条件が整えば、きちっと自分の判断をしたい」とも強調し、条件整備の為に、特例公債法案可決…

続きを読む

安倍総裁の靖国参拝と対中レイズ

  10月17日、自民党の安倍総裁は靖国神社を参拝した。 これは、靖国神社の秋の例大祭に合わせたもので、総裁になってからは初めて。安倍総裁は先月の党内の勉強会でも「どこかの時点で行こうと考えていた。英霊に対して申し訳ない」と述べていたから漸く念願叶ったというところか。 ただ、総理に就任した場合、靖国参拝するのかどうかについて問われると、「日中、日韓関係がこういう状況になって…

続きを読む

特例公債法案と財務省の逆襲

  10月17日、野田首相は臨時閣議を開き、来月中に経済対策をまとめるよう関係閣僚に指示した。 対策は野田内閣が掲げる、「機動的な財政出動を含む切れ目ない経済対策」に沿って策定し、緊急性の高いものは今月中に予備費を活用して実施するとしている。 ただ、予備費を活用するといっても、そんなに予算があるわけじゃない。予備費は一般会計では経済危機対応などで9100億円、復興特別会計で…

続きを読む

光学迷彩技術と透明「プリウス」

  慶応大学の研究チームが、後部座席が透明になる「プリウス」の試作車を開発した。 これは、RPT(Retro-reflective Projection Technology:再帰性投影技術)という技術を使ったものなのだけれど、平たくいうと光学迷彩。 光学迷彩とは物体を光学的にカモフラージュする技術なのだけれど、物体が透明になるということは、物体の向こう側の景色が見えるとい…

続きを読む

3党幹事長会談と輿石の苦悩

  10月15日、民主党の輿石幹事長は、国民新党の下地幹事長と会談し、「今月中に国会を開く方向だ」と月内に臨時国会を召集する考えを伝えた。 また、午後には、民主、自民、公明3党の幹事長会談が開かれたのだけれど、輿石氏は「今週中にも3党首会談、今月末にも臨時国会を開催したい」と述べ、次期臨時国会で、特例公債法案と、「1票の格差」是正や定数削減を含む衆院選挙制度改革、「社会保障制度改…

続きを読む

鷲尾発言の波紋と獅子身中の虫

  今日は、先日話題となった鷲尾政務官発言についてです。 1.所有権と領有権 10月9日、民主党の鷲尾英一郎農林水産政務官が、都内で自身の政治資金パーティーで、尖閣諸島について「誰が所有するかの問題ではない。日本の登記簿に中国政府と書いてもらったらいいだけの話だ。日本の領土として、われわれが断固たる決意のもと島を守り抜くことが大事だ」と発言し物議を醸した。 だけど、尖…

続きを読む

苦悩する石破氏と民主党クオリティ

  昨日のエントリーの続きです。 10月12日、自民党の石破幹事長は、来週15日にも、3党の幹事長会談を行うことになるという見通しを示し、「臨時国会を開く条件を整えるのは政府・与党の責任だ。そのためにも、党首会談では、野田総理大臣が谷垣前総裁に言った『近いうちに国民に信を問う』という発言がどうなったのか、尋ねなければならない」と年内解散の確約を求める考えを示した。 これまで…

続きを読む

安倍、野田面談と石破氏の弱点

  10月11日、野田首相と自民党の安倍総裁がようやく面会した。 野田首相は輿石東幹事長らとともに、国会内の自民党総裁室を訪れ、安倍総裁に対し「当然のことながら、しかるべき時に臨時国会を開催し、大いに議論していきたい。それに先立ち党首会談をお願いしたい」と申し入れた。安倍総裁も「分かりました。実り多い党首会談にしたい」と表明し、顔合わせは和やかな雰囲気のまま、5分間で終わったよう…

続きを読む

iPSストックの可能性

  昨日のエントリーの続きです。 10月11日、文部科学省は、山中教授が所長を務めるiPS細胞の研究所を中心に、今後10年間、約300億円を助成する方針を固めた。 国はこれまで、2008年度から5年間で約100億円を助成していたのだけれど、引き続き助成をする。これは、iPS細胞の臨床応用や安全性確保に向けた研究を加速させるためのもので、年間約27億円を10年に渡って投入する…

続きを読む

天が導いた山中教授のノーベル賞

  2012年のノーベル医学・生理学賞に、京都大学教授の山中伸弥さんが選ばれた。 日本人がノーベル賞を受賞するのは19人目で、医学・生理学賞は昭和62年以来2人目。受賞理由はいわゆる「iPS細胞」を作り出すことに世界で初めて成功した功績。 「iPS細胞」とは、Induced Pluripotent Stem Cell(人為的に多能性を持たせた幹細胞)の頭文字で、山中教授本人…

続きを読む

落日の野田、東雲の安倍

  臨時国会が始まらない。 1.ダッチロールの野田内閣 理由は、特例公債法案などの重要法案成立を巡って、与野党での折り合いがつかないから。民主党は3党の党首会談で特例公債法案への協力を取り付けようとし、自公は、解散時期の明示がない限り協力しないとのスタンスで、双方譲らない。 10月3日、藤村官房長官は「3党の協議がまず必要。それを見守っている」として臨時国会前の党首会…

続きを読む

旱魃と楼蘭と遺伝子

  「無秩序に欲望を追い続け、その抑制も満足にできなかったのがお前達だ。その為に資源を浪費し、人類が存在する為に必要な環境さえ破壊した。無教養な人間達は、根拠ない主義主張に踊らされ、戦い、殺し合った。最悪だ。」 ヒロト・アマギワ ジーンシャフト 第6話 「過去からのホットライン」より 1.大旱魃に見舞われたアメリカ 世界的な大旱魃が進行している。アメリカでは、およそ56年…

続きを読む

中国の尖閣侵略に対抗する兵法について

   善く戦う者は、人を致して人に致されず。進みて禦ぐべからざるは、その虚を衝けばなり。兵の形は実を避けて虚を撃つ。 孫子 虚実篇 1.尖閣問題におけるアメリカの虚と実 アメリカ第7艦隊は、10月2日までに空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」を中心とした2個の空母打撃群を西太平洋上に展開し、警戒監視に当たっていることを明らかにしたと報道されている。 …

続きを読む

対中関係の打開について

  中国公船の尖閣諸島への領海侵犯が繰り返し行われている。 1.中国人が考える最も「親中」な政治家 10月3日には、尖閣国有化後5回目となる領海侵犯。6日未明から朝にかけても、接続水域に出入りを繰り返し、6日の午後3時現在、海洋監視船「海監」4隻と漁業監視船「漁政」4隻の計8隻が魚釣島や大正島沖の接続水域を航行しているという。 最早、中国の領海侵犯は、すっかり常態…

続きを読む

デタラメ記事と安倍FBの反撃

  今日は、昨日のエントリーの補足になります。 1.サンデー毎日のデタラメ記事 10月2日、自民党の安倍総裁は、「サンデー毎日」12年10月14日号の「『津波は大丈夫』の消せない大罪」と題した記事を「まったくのデタラメ捏造記事」と抗議した。 くだんの記事は、日本共産党の吉井英勝衆院議員が、安倍氏の首相在任中の06年12月13日に提出した質問主意書を取り上げ、主意書で「…

続きを読む

安倍総裁の控えめ戦略 (安倍総裁の戦略を読む 後編)

  昨日のエントリーの続きです。 3.政策アウトソーシングを行う野田首相 カツカレー報道や腫瘍性大腸炎報道を例に出すまでもなく、マスコミは、安倍総裁が総裁選に勝利した瞬間から猛バッシングを始めている。高々、野党の党首に就任しただけで、ここまで叩くのだから、総選挙後に首班指名されたならば、もっと叩いてくるであろうことは目に見えている。 まぁ、カツカレーくらいであれば、流…

続きを読む

攻めながら守る安倍戦略 (安倍総裁の戦略を読む 前編)

  今日、明日と連続2回で自民党安倍総裁の戦略と行動について考えてみたいと思います。 1.近いうち解散の履行を迫る自公 10月1日、自民党の安倍総裁は公明党の山口代表と会談した。 会談では、野田首相が合意した「近いうち解散」を野田首相に確認させ、早期履行を迫る考えで一致した。会談に同席した自民党の石破幹事長は「民自公3党の党首会談は実にあるものにしなければならない」と…

続きを読む

野田改造内閣と安倍総裁への期待

  10月1日、第3次野田内閣が発足した。 1.第3次野田改造内閣発足 改造内閣は、18人の閣僚のうち10人を交代させる大幅改造で、民主党の面々は自画自賛しているようだ。輿石東幹事長は「野田佳彦首相が常々言っているチーム力があり、国民の皆さんの期待に応えて仕事ができる内閣だ」と評し、渡部恒三最高顧問は「国民から見て、未来に輝かしい希望を持てるような人がいないが、『あの大臣で…

続きを読む

沈む維新と安倍総裁の狙い

  橋下市長率いる「日本維新の会」の支持率が急落している。 フジテレビの「新報道2001」の世論調査では、9月7日の調査で、次の総選挙の比例で投票したい党として7.0%(当時は大阪維新の会)、13日の調査で9.4%の支持があったところ、9月20日には4.8%、30日も5.0%と半減した。8月までは、他の世論調査などで、おおむね10~20%の支持があったことを考えると大幅な下落。 …

続きを読む

安倍バッシングとツイッターの反撃

  「僕は特別に安倍さん支持ではないけれど…安倍さんが自民党総裁になったとたんにバッシングが始まった事にものすごい違和感を感じてます…きちんとしたルールの中で選ばれた人を結果も見ずに足を引っ張る気になれない…それは僕が政治の事を知らないからなのか?勉強不足だからなのか?」 ロンドンブーツ1号2号 田村淳 1.カツカレーの一撃 マスコミの安倍総裁叩きに対する反発が相次いで…

続きを読む