アベノミクス解散と苦しい野党

 
今日は他のネタで、と思っていたのですけれども、ヘトヘトでちょっと無理そうなので、この話題を超簡単に…。

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11月21日、衆院は午後の本会議で解散された。政府は臨時閣議で衆院選の日程を「12月2日公示-14日投開票」と正式決定した。

衆院の解散には、解散の名前が歴代ついてきたけれど、今回の解散について野党は批判の命名しかしない。

民主党の枝野幹事長は「何を問う選挙か理解できない『身勝手解散』だ」と述べ、維新の党の江田共同代表は「増税失敗解散」と命名。生活の党の鈴木克事長は「失敗隠しの解散だ」と攻撃し、次世代の党の山田幹事長は「信を問うのは増税時」と主張。共産党の志位委員長も「今やってしまおうという思惑だけだ」と述べている。

これに対して、安倍総理は21日に臨時記者会見を開き、「今回の衆議院解散総選挙はアベノミクス解散である」と宣言した。

まぁ、野党が与党を批判するのはいつものことだけれど、やれ身勝手だ、失敗隠しただの、実に後ろ向きなネーミング。

2009年の衆院選では、民主党は「政権選択選挙だ」と舞い上がっていたことと比べると、なんとやる気のないことか。ただでさえ今回の選挙は投票率が低くなるのでは、と見られているのに、こんなテンションでは、投票率が上がるわけがない。

投票率が下がって、浮動票が少なくなれば、相対的に組織票が強くなる。そんな状況であるのに、野党の選挙協力は進まない。本当は野党が先手をうって政策を掲げ、選挙の方向付けをして主導権を握らないといけないのに、安倍総理に「アベノミクス選挙」だと先に宣言されてしまった。

野党が、これに対抗し上回る争点を表現したネーミングをして、それを世間に示すことができなければ、今回の選挙は、アベノミクスの可否を問う選挙として位置づけられる。無論、「身勝手」だとか「増税失敗」がそれに取って代わる筈もない。

因みに、共同通信の第1回衆院選トレンド調査では、 支持政党が「ない」と回答した無党派層の59.6%が、比例代表の投票先を「まだ決めていない」と答えたのだけれど、自民党を投票先に挙げたのは13.7%、民主党は7.7%。無党派層でも負けているとなると、民主党はじめ野党は、厳しい選挙戦を強いられるだろう。

安倍総理は、今回の解散を「アベノミクス解散」とし、野党がアベノミクスの失敗を指摘していることについて「批判ばかり繰り返している。私は今回の選挙戦を通じて国民の皆さんに伺いたい」と斬り返している。おそらく、その裏にはアベノミクス以上の政策を出すことは出来ないだろうと多寡を括っているのではないか。

安倍総理は21日に、国会で開かれた党の両院議員総会で、次のように挨拶している。
 皆さん、いよいよ戦いがスタートいたします。税制は議会制民主主義の基盤であります。その税制に重大な変更を行う以上、国民に信を問う、これは民主主義の王道であります。

 ≪中略≫

 総選挙はまさに政策を競い合う場であります。しかし、民主党は残念ながら政策を横に置いて数だけ増やそうとしている。これでは、まるで烏合の衆であります。かつての混乱を繰り返してはなりません。皆さんが一人でも多く当選することは私たちの成長戦略を、改革を前に進めていくことにつながります。皆さんが一人でも多く当選することは、景気を回復し国民生活を豊かにする道を進んでいくことにつながるんです。

 ≪後略≫
と、このように、安倍総理は、民主党を政策そっちのけの「烏合の衆」だと斬って捨てている。

案の定、民主党候補は、すべて自民党が悪い「ジミンガー街頭演説」をしているようだ。先日もあるツイッターが話題となった。それは「民主党候補の『見てください!このシャッター街を!全て自民党のせいです!』という街頭演説に対し『何言ってんだ!ジャスコのせいだ!』ってヤジが飛んだのは面白かった」という内容なのだけれど、一体いつになったらジミンガーから卒業するのか。

それでも、2009年の頃ならいざ知らず、流石に国民も痛い目をして学習したのだろう。「何言ってんだ!ジャスコのせいだ!」なんて野次が飛ぶまでになった。それだけ民主党時代が酷かったということだろう。

本来野党は、それを打ち破るだけの政策をばちっと整えて、国民に説明しなければならないのだけれど、既に衆院は解散され、再来週には公示。公約を練る時間はもう殆ど残されていない。

アベノミクスの信認を問う与党に、ジミンガーしかいわない野党。やはり野党は、アベノミクスを超えないまでも対抗できるだけの代案を出さないと相当厳しいと思われる。「アベの憎し」だけで選挙を戦えた時代はもう終わってる。

この記事へのコメント

  • おとまい

    おっしゃる通り、今回は投票率低いでしょうね。
    投票に行った人も、支持政党がなければ、消去法で自民に入れるしかない感じです。
    案外自民が大勝するんじゃないでしょうか。
    2014年11月22日 13:32
  • 俊太郎

    民主党の時代にはっきりわかったことは
    ①日本には二極対立構造である二大政党制は決して馴染まない
    ②多方面から衆議を集めてできるだけ穏便に全員が妥協できる点を探るのが政府にも国民にも日本人には合っている
    ③旧社会党が政権を取った時の経験も含め、結局自民党以外に政権運営できる政党はない

    所謂浮動層の投票率は低いんじゃないでしょうか
    一種の諦めですね、自民以外の選択をするともっと悪くなるでしょうから

    話変わって最近思いますに例えば地方創生・活性化を言うのであれば現代版幕藩体制にしちゃうのがいいかもしれません
    連邦制と似たようなものですが日本人には幕藩体制と言ったほうがたぶんわかりやすいはず(笑)
    中央集権は合わないのですよ
    2014年11月22日 20:33
  • 泣き虫ウンモ

    上記とは、逆ですね。
    中央集権に馴染んだと思いますし、これからも続けていくと思います。
    地方分権は、先祖帰りですね。
    では、各地方で安全保障をやれと言えば、無理ですね。
    上記の思考は、日本を破綻に追い込むでしょうね。
    先祖帰りということは、頭が古いか悪意を持つ方々の思考に加担する人々でしょうね。
    2014年11月22日 23:25
  • 俊太郎から泣き虫ウンモ殿へ

    「悪意を持つ人々に加担する輩」だの「因習固陋の輩」だの言われることに全く納得いきませんがここは他所様のブログですので敢えて反論は致しません。しかし少しは礼儀というかこのブログに於けるご自身の立場をわきまえていただきたいと思います。
    ブログ主様の記事に対する感想や反論ならともかくコメントした者への批判はコメント欄を荒らす原因になりかねません。最後の2行は全くもって余計な一言ですよ。
    2014年11月23日 00:31
  • mony

    ここは一つ穏便に…
    実際に今まで必ず投票には行っていたのですが、今回は面倒に感じますし。
    2014年11月23日 05:47
  • 泣き虫ウンモから俊太郎様へ

    確かに俊太郎さんの言うとおり、日本人は議論を好みません。
    が、ネットだからこそ見た目の偏見とか社会的な立場とかを抜きにして、弁証法的な議論ができると考えている者でございます。
    私が考える真の弁証法的議論とは、否定の否定ではなく発展の発展、つまり建設的な議論でございます。
    ただ、建設的な議論を成すにしては当方が稚拙だったことは、謝ります。
    2014年11月24日 21:06

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