焦るニューヨークタイムズ

 
今日はこの話題を簡単に…

 ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。

12月17日、NYタイムズは、草賀純男ニューヨーク総領事の「Japan's Wartime Record」と題した反論文を掲載した。

これは、12月3日にNYタイムズが「日本の歴史のごまかし(Whitewashing History in Japan)」と題した社説に対する反論文。

NYタイムズは、この社説の冒頭から「日本では右翼政治勢力が安倍政権に後押しされて、第2次大戦中に日本軍が何万人もの女性に売春奉仕を強制した恥辱の歴史の一章を否定する威嚇的な運動を実行している」と批判。慰安婦の強制連行は多くの学者が"歴史の事実"として立証したものだとした上で、「この強制連行を、戦争で敵だった側が捏造した大ウソだとして否定する政治的努力は勢いを増している。歴史修正主義者たちは河野談話での謝罪をも撤回させようと努めている」と述べた。

そして更に、「ナショナリスト的熱狂を煽ることを意図する安倍政権は、日本が女性たちを性的奴隷へと強制徴用したことについての1996年の国連人権報告の修正を求めたが、拒否された。…朝日新聞が1980年代と90年代に出した記事の一部を撤回したことに乗じて、日本の右翼が朝日新聞を攻撃し続けている。…」とし、「日本は朝鮮半島やその他の地域で何万もの女性を強制連行して性的奴隷にしたことを認めた経緯もある。それが歴史的な真実なのだ」と述べている。

日本の右翼勢力が朝日新聞を攻撃し、強制連行を塗り隠そう(Writewashing)としていると述べている。朝日が撤回した記事の重大さに触れることなく、右翼から攻撃されている、などと"被害者擁護"な記事を書く辺り、どこかの国の論調を彷彿させなくもないけれど、いよいよ、慰安婦問題の真実が明らかになりつつあることに焦りを感じているのだろうか。

これに対する草加総領事の反論は、「日本政府は報道の自由や、国民による開かれた建設的な議論を支持している。こうした価値観に対するいかなる脅しは断じて許さない。…安倍首相はこれまで何度も、歴史と真摯に向き合うと述べ、慰安婦として苦痛を味わった女性たちに深い反省の意を繰り返し表明している」と、言論への圧力を否定し、慰安婦に対して反省の意を示してきたと述べている。

筆者としては、「強制連行などなかったのだ」とハッキリ言わないこの反論に、もどかしいものを感じないではないけれど、相手が安倍政権を「歴史修正主義」だと決めつけて掛かっているだけに、下手に強制連行を否定する言葉を口にしようものなら、ほら見たことか、と大騒ぎすることは目に見えている。

従って、政府としては、民主的にオープンな議論を行い、その評価は学者の判断に委ねるという立場をとるしかないのかもしれない。実にもどかしい。

ただ、そのオープンな議論について、昨今変化が出てきている。これまで何度も取り上げているけれど、テキサス親父氏や、マイケル・ヨン氏の言論といった、アメリカ国内から慰安婦強制連行説に対して疑問の声があがるようになったこと。

特に、マイケル・ヨン氏による「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)米国議会あて最終報告」の調査結果は内外に衝撃を与えた。何せナチと日本の戦争犯罪を暴くために行った調査報告で、強制連行の証拠が何ひとつ見つからなかったことが公となった。

そして重要な証拠とされた「吉田証言」までもが、間違いだと撤回されたのだから、NYタイムズは学者が認めたから事実なんだなんていう暇があるのなら、ほんの少しのジャーナリスト精神を発揮して、その学者たちの立証が本当に正しかったのか検証してみたらどうか。

実際、マイケル・ヨン氏はフェイスブックで、NYタイムズが一次情報源に当たってないことを指摘した上で、アメリカ軍の慰安婦(洋行主)であった韓国の女性グループが、韓国政府を訴えた事例を取り上げ、アメリカのメディアが、即座に彼女らは「売春婦」だ、として報道したのにもかかわらず、同じメディアが、日本軍の慰安婦の場合は「セックス奴隷」と言い続けている、ダブルスタンダードぶりを批判している。

マイケル・ヨン氏は、真実の報道を行うことで名声を得たジャーナリスト。NYタイムズが自分が信じてきたストーリーが崩されるのに耐えかねて悲鳴を上げる気持ちは分からなくもないけれど、一次情報にあたり、検証と調査を積み上げて結果得た結論に対しては、それなりの証拠と論理がなくては太刀打ちできない。少なくとも"慰安婦の証言"だけでは、最早苦しい。

このままいくと、NYタイムズはマイケル・ヨン氏の名声を高める踏み台の役目を果たすことになるだろう。

この記事へのコメント

  • gmj

    日本の立場を説明するより、最初からマイケル氏の報告をそのまま引用~掲載したらどうなのかと思うのは自分だけではあるまい。とにかく日本政府関係者の反論はもどかしい。
    2014年12月20日 08:05

この記事へのトラックバック