ニューヨークタイムズの不当なレッテル貼り

 
今日はこの話題を簡単に…

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この程、アメリカ大手紙のニューヨーク・タイムズの報道は「不当なレッテル貼りの偏向」だとする報告が、米国のニュースメディア研究機関「メディア調査センター(MRC)」から発表された。

産経のワシントン駐在客員特派員である古森義久氏の記事によると、これは、ニューヨーク・タイムズ12月3日付の「日本の右翼が戦史を書き換え、新聞を攻撃する(Rewriting the War, Japanese Right Attacks a Newspaper)」というマーティン・ファクラー東京特派員の記事を主題としたもの。

「メディア調査センター(MRC)」によると、ニューヨーク・タイムズのレッテル貼りの偏向はグローバルに広がり、欧州もアジアも危険で不快な右翼どもに満ち満ちている、という。そして、更に「ファクラー記者は自分たちが悪者とみなす日本側の相手は『超国粋主義者』という偏向の呼称では不十分とみなし、『右翼』というレッテル言葉を記事中のすべての段落で使っていた」としている。

まぁ、どこまでを段落としているか分からないけれど、筆者が件の記事を確認した限り"right"という単語は、表題合わせて10回使われていた。

この「メディア調査センター(MRC)」は、1987年に設立された民間の保守系とされる独立調査機関。その活動目的の一つは「米国の伝統的な価値観を崩す主要メディアのリベラル的偏向を科学的な調査で証明し指摘する」ことで、「ニュースメディアと大衆文化における左翼バイアスを中和する」のが使命だと自ら述べている。

彼らは、「毎日のすべての主要な全国放送のテレビや印刷ニュース放送を監視する専門ニュースアナリストのチームを採用し、都度、"左翼バイアスを中和する"ためのレポートを公開している。

実際、「メディア調査センター(MRC)」のサイトをみると、街頭の記事には"BiasAlerts"というタグがついていて、もう、あからさまに敵視しているというか、リベラルに対抗する意思を明確にしている。これらのレポートのうち、いくつかの確認できたものをみる限り、ターゲットとなる記事、あるいは動画を掲載した上で、どういう報道に何分何秒費やしたとか、この表現にはこういう問題があるとか、一々チェックを掛けるという具合。

筆者の印象では、日本でいえば、BPOというより、ネットユーザーがアップされた動画に対して、事細かにツッコミを入れるというような感じ。無論、「メディア調査センター(MRC)」のそれは、リベラルバイアスを中和するという目的が明確な分、より精緻かつツッコミの方向が揃ってはいる。

「メディア調査センター(MRC)」のやり玉に挙がった記事を書いたマーティン・ファクラー氏は、ニューヨーク・タイムズの東京支局長を務める人物で、かつては、ブルームバーグの東京駐在員だった経験もあり、日本駐在歴は長い。彼は日本社会について、市民意識に欠けると指摘する。

去年の11月、ファクラー氏は、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)のインタビューに対し、次のように答えている。一部引用する。
―なぜ記者になろうと思ったのですか。

何かを調べて発見することが好きで、記者か大学の先生になろうと思っていた。外界から隔たれたキャンパスで過ごすより、現実の世界でリアルタイムに活動できるジャーナリストに魅力を感じた。ある問題に対してどう考え、どんな視点で構成するか。調べ始める段階では全体像が見えないこともある。まったく新しい何かを生み出すのは大変だが面白い。

―日本が直面する課題は。

民主主義国家ではあるが、市民社会という意識は極めて低い。社会の問題を議論し、自らを批判的に分析していない。大きな政治的対立がないのがその一因では。数十年前には共産主義や社会党が力を持っており、まったく違う視点が社会に併存していた。議論をして自らを分析していたはずだ。今、左翼は死に絶え、民主党は脱官僚など一部を実現しようとしたものの現実に国を動かすことはなかった。それでも鳩山政権、菅政権の頃にはもう少し自国と向き合い、語る空気があったように思う。自民党に戻り、ある種の一党支配の体制の下で、日本の現状についてのディベートは生まれていない。社会の仕組みや問題、どう変えていくか、自らを振り返って語ろうとしないことが問題だ。
ファクラー氏は日本に対して、「市民社会という意識は極めて低い。社会の問題を議論し、自らを批判的に分析していない。大きな政治的対立がないのがその一因では」と述べているけれど、筆者は逆に、今の世論こそが大きな政治的対立の最中にあると見る。

朝日を始めとするマスコミで主流を占めていた論調が、"サヨク"であったことが、誰の目にも明らかになり、それに対抗する形で、ネットの普及と共に"声なき声"が可視化され、それに産経など一部マスコミが同調して、世論に保守対サヨクの構図が出来上がってきたのが今現在。

それまでは、朝日"サヨク"論調がマスコミの殆どを支配していたため、それが"サヨク"であったなどと、国民の大部分は気づきもしなかった。それが漸くにして、彼らの正体に気づき、"保守市民"が声を上げはじめた。そうした段階にあると見る。

だから、ネットなどをみれば明らかだけれど、日本人の間でも、社会の問題は活発に議論されているし、市民社会の意識が低いとは思わない。ファクラー氏が日本のネットを見ているかどうか知らないけれど、何年も日本に住んでいる割にそこに気づかないのは多少残念ではある。

件の記事で、ファクラー氏は、日本の"右翼"が朝日の植村記者を攻撃してることのみ取り上げ、植村記者が"被害者"であるかのように書いているけれど、肝心要の"慰安婦の強制連行の嘘"について「大部分の歴史家の主流意見は帝国軍隊は侵略した征服地の女性を慰安施設として知られる軍営の売春施設で働かせるためにかり集めたということで一致している。」とするだけで、自ら検証する姿勢を見せていない。

"何かを調べて発見することが好き"なのであれあれば、いっそのこと、慰安婦問題について徹底的に調べてみて、その"嘘"を発見してみることをお勧めしたい。

この記事へのコメント

  • 白なまず

    欧米人の名も体を表すんでしょうか、、、マーティン=マルス=軍神=右翼、だから右翼ファックラー、あっ、ファクラーか、、、
    2014年12月30日 10:49
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 市民社会という意識は極めて低い

    市民社会と言うところからして米国の左翼リベラリスト.
    オバマ大統領の直面している問題の多くは「米国人」
    という物を消失し, 皆が市民となりつつあるところから
    来るのだと思う
    2014年12月30日 16:44

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