2015年はどんな年になるか

 
今日は、恒例の2015年予測のエントリーをば…。

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昨年末の総選挙で、自公が勝ったことで、安倍政権は国民の信認を得た形となりましたけれども、勿論、それで安心という訳がありません。昨年4月の消費増税で低迷した経済を回復させるという大きなミッションがあります。しかも、次の10%への増税は必ずやるということにしたのですから余計そうですね。

では、今年2015年はどんな年になるのか。

筆者は「各国のエゴが衝突する年」になると見ます。

ウクライナ問題を発端とした米露対立を始めとして、中東は相変わらずですし、東アジアも日中、日韓の歴史問題を巡っての対立があります。また、EUも財政再建を巡って足並みが乱れています。

更には、サウジアラビアが原油を増産して価格を下げ、アメリカのシェールオイル潰しを画策しているなどとサウジとアメリカの対立も指摘されるなど、色んな対立が更に激化していくのではないかと思います。

しかも、今年は単なる経済的な対立だけでなく、歴史観、或はイデオロギーを含めた対立も表面化すると思います。日韓の慰安婦問題を巡る対立、日中の南京事件を巡る対立は引き続きあるでしょうけれども、第二次大戦を巡る評価についても対立が表面化する可能性があります。

例えば、今年9月に中国は、対日戦勝70周年を大々的に祝う「世界反ファシズム戦争と中国人民抗日戦争勝利70周年」なるものをロシアと共同開催することで合意していますし、アメリカを始め更に他の国にも参加を促しています。

また、去年の6月にはノルマンディー上陸70周年記念式典がフランスで開かれました。

特に、今年は第二次世界大戦の終結から70年を迎えることから、大戦について振り返るキャンペーンが各国で活発化することが予想されます。

今年5月に、ロシアは対独戦争勝利70周年を祝う記念式典を行います。式典には各国の首脳を招待し、日本も招待されているのですけれども、筆者はその場でロシアが如何なる発言をするかについて注目しています。

というのも、ここ最近、ロシアは日本に接近する動きを見せているからです。

ロシア下院議長でロシア歴史協会の代表を務めるセルゲイ・ナルィシキン氏は、先日、広島長崎への原爆投下の悲劇を国際法の観点から見直す提案を行っています。

ナルィシキン氏は、原爆を日本の一般の都市に投下した事実は軍事的観点からも正当化できないとし、その理由を軍事主義国日本に対する勝利を確実なものにしたのは主に、関東軍を大破したソ連軍だったからだ。米国の行動は相手を脅かす目的で行われたものであり、その結果犠牲となったのは数十万人の一般市民だったとし、これは、人類に対する犯罪であり、時間の経過で色褪せることは無いと主張しています。

これについて、ロシア専門家で青山学院大学名誉教授である袴田茂樹氏は2つの意味があるとし、一つは、ウクライナ問題などをきっかけとして米露の政治的な緊張関係が再び強まったということ、二つには、ロシアが今東方シフト、またはアジア・シフトといわれている政策を展開し、その一環として日本との関係改善を重視するという側面、あるいは日本との経済政治関係を強化するという側面もある、と指摘しています。

ロシアは、9月に行われる中国との「世界反ファシズム戦争と中国人民抗日戦争勝利70周年」式典を共同開催すると、同時に対独戦勝記念式典を行い日本を招待しているのですね。そしてその上で、ナルィシキン氏のような主張を展開させている。

もしも、5月の対独戦争勝利70周年式典で、プーチン大統領が、反ファシズム戦争の勝利を決定づけたのはロシアだと主張しつつ、アメリカの原爆投下の罪を口にしたとしたら、アメリカを大きく牽制すると同時に日本に対するアプローチにもなります。

反ファシズム戦争の勝利を決定づけたのはロシアだと主張しつつ、日本に対する原爆投下を非難して、中国と日本の顔の両方を立てつつ、アメリカを牽制し、ロシアの主張をする。したたかですね。

また、日本国内をみても、朝日の慰安婦誤報事件を皮切りにはっきりと表面化した保守と反日の対立もより激化していくでしょう。

更には、テロ関係3法案の施行に伴う具体的な動きも予想されます。これは、昨年を国益に仇なす存在を明確にした年だとするならば、今年は彼らの存在を許さない「具体的な行動に移す年」と位置付けることも可能かもしれません。

このように「各国のエゴの衝突」または「既得権益との対決」が表面化するときに、大切になるものは、「地力と戦略」になるかと思います。

地力とは、たとえば、何某かの具体的行動を起こせるだけの経済力であったり、情報戦を戦い抜けるだけの知識なり発信力といった"上っ面でない底力"のことですけれども、ありとあらゆる方面から、また、時、所を選ばず仕掛けられる可能性を考えると、それに対して持ちこたえるだけの「地力」が必要になります。

また、同時にその「地力」を有効に活かし、最大の効果を発揮するための「戦略」も必要になるでしょう。

「地力」とてその戦力は無限ではありません。限られた戦力をどう使っていくのか。今現在、韓国とは慰安婦問題で対立していますけれども、それと並行して、中国が、日本をファシズムだ、南京大虐殺だと攻撃してきます。それにどう対応するか。総花的に対応するのか、それとも慰安婦問題にケリを付けることに注力するのか。政府と民間団体とで足並みを揃えるのか、それとも役割分担をするのか。果ては、対外工作、ロビー活動を行うか云々…。

今年は去年より更に、具体的な国益を確保することに注目が集まるのではないかと筆者は見ています。なぜなら、先程述べたとおり、日本の国益を害する存在が明らかになったからです。

各国のエゴが衝突し、益々混迷していく世界情勢の中で、国益を害する存在を遊ばせておく余裕は今の日本にはありません。

特定秘密法案やテロ関係3法案は、そのための力になるでしょうし、集団的自衛権もその範疇に入ってくるでしょう。それをどう実効あるものとしていくか。

国内の抵抗勢力は依然として根強いですし、日本を批判する隣国は以前にも増して批判の度を強めてくるでしょう。その上、第2次大戦の評価を見直す動きをしようものなら、更に多くの軋轢を生むことになることは間違いありません。

それゆえに、しっかりとした「戦略」を立てた上で取り組まないと、これまでの流れをぶち壊すことにも成りかねません。

その意味では、今年はより以上に"頭を使った"したたかさが求められる一年になるかと思います。

この記事へのコメント

  • まる

    今年もよろしくお願いします。

    占いーどんな人か良くわかりませんが、参考で。

    2015年は闘いと覚醒のとき
    http://www.moira-net.com/

    >幸い今年の8月12日より木星が乙女座に移行します。そのことによって人々の間に、真実を追い求め知ろうとする強い思いが芽生え、星に促されながら覚醒していきます。この乙女座の木星も、春分図の上昇宮である牡牛座もともに「保守」です。そしてこれは何が起ころうとも、いったんできた保守の流れは、2015年もまた消えずに続くというしるしです。
    2015年01月02日 04:49
  • opera

    明けましておめでとうございます。
     今年は本当に、多事多端な年になりそうですね。

    >…軍事主義国日本に対する勝利を確実なものにしたのは主に、関東軍を大破したソ連軍だったからだ。…

     それにしても、正月早々「ふざけるのもいい加減にしろ!」といいたくなりますね。
     スターリンはヤルタ会談での密約により対日参戦を決めましたが、すぐには参戦せず、広島に原爆が投下されたことを知ると8月8日に日本に宣戦布告し、9日午前零時に、ソ連の大軍が日ソ中立条約を一方的に破って満州と南樺太の国境を侵犯しました。
     関東軍は8月17日に天皇の命令により武装解除を始めていましたが、ソ連は日本のポツダム宣言受諾(8月14日)後も狂ったような猛攻撃を続け、日ソ中立条約の有効期間中に侵略するという「火事場泥棒行為」を行なったのです。
     そのため、この『卑怯な』ソ連の行為に対する日本人の怒りは凄まじく、ソ連崩壊まで好感度が1%を超えることが無かったことは忘れるべきではないでしょう(今の中韓に対する嫌悪感など比較になりません)。
     さらに、満州、樺太に侵略したソ連軍は、各地で殺戮、略奪、強姦の限りを尽くして民間人にも多大な被害を齎すとともに、シベリア抑留をはじめ数々の極悪非道の行為を繰り返したことも。
     セルゲイ・ナルィシキン氏の発言は、対日外交的には悪手でしかありません。
     北方領土問題解決の背後に、日本人のどのような想いがあるのかを、ロシアは勘違いするべきではないでしょう。
    2015年01月03日 08:24
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    米国オバマ政権の完全レームダック化により
    金融資本の抑えが効かなくなっていくので,
    共和党による大統領弾劾決議でも起きない限り,
    米露の対決はまだ続くだろう. ロシアは米国資本に
    再び降伏すれば取り返しがつかないことを知っているから
    とことん頑張る. そうすると何処かで何かが起きざるを得ない.
    米国共和党に奮闘してもらうしかなかろう.
    共和党であれば国の重要性を知っているだろうから
    ロシアとの妥協も可能ではないかと思う.

    米国の民主党政権が続く限り, 安倍首相も簡単にロシアに
    良い顔をする訳にもいかない. 何しろ米国の国際資本が恐い.
    安倍晋三を積極的に評価する人達の説明によれば,
    米国の国際資本の戦略を受け入れた振りをしているのだそうだから.

    安倍首相がロシアに良い顔ができない限りは
    安倍政権のグローバリズムもとどめを知らないだろう.
    であるなら, 日本の経済情勢は悪くなるばかり.
    米国が持ち直しつつあるとは言え,
    前のように世界の消費者になる筈もなく,
    原発問題を解決できない日本はずるずると国際収支を悪化させる.
    従って, 経済問題において安倍政権は重大な局面に向かうことになる.

    私は安倍政権は思ったより長く続かないと思う.
    有権者がはっきりと財布の中身が減った事に気がついた時が終りだろう.

    ことしもよろしく.
    2015年01月03日 14:32

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