世界の中心で輝くために必要なこと

 
昨日の続きです。

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2015年元旦、安倍総理は年頭所感を発表した。その全文は官邸のサイトで確認できるけれど、「改革断行の一年」と宣言した。その内容の筆頭に、アベノミクスの継続・進化を掲げたのは当然としても、その次に、今年が戦後70年の節目だとした上で「新たな国づくりへの力強いスタート」と述べたことは注目したい。

「新たな国づくり」ということは、これまでの日本を"古い日本"だと位置づけることを意味するから、極端なことをいえば、国体から作り直すことだって理屈の上からでは成立することになる。

勿論、陛下の在り方を見直すだなんて言わないけれど、憲法改正まで視野に入っているくらいは想定してしかるべき。

安倍総理は、戦後日本が、民主国家、平和国家として歩んできたことを踏まえながら、今後「どういう国を目指していくのか」を発信すると述べている。日本を、再び、世界の中心で輝く国としていく、と宣言している。

果たして、安倍総理が、どういう意味合いで日本を「世界の中心で輝く国」とすると述べたのかは分からないけれど、色々解釈が可能な表現ではある。ただ、その前段で、高度経済成長と東京オリンピックを取り上げたのを見ると、主に、経済的な意味での「世界の中心で輝く国」だというニュアンスだと感じなくはない。

だけど、そうはいっても世界、とりわけ特アがそう受け取ってくれる保証は更々ない。

この安倍総理の年頭所感について、朝鮮日報は「自信にあふれた年頭所感」と題して「アベノミクス」の進化と「世界の中心で輝く国」のフレーズを取り上げているし、中国メディア・新浪も、「2015年を日本の将来を見据えた『改革断行の一年』とし、引き続き経済を最優先させ、『日本を再び、世界の中心で輝く国としていく』との決意をも表明した」と伝えている。

この新浪の報道に対して、中国のネットユーザーからは、「日本は輝いたことがあるのか?まさか第二次世界大戦の時のことを言っているわけじゃないだろうな?」 とか、「日本を再び軍国主義の国とし、世界に覇を唱えて国家を興隆させ、おごり高ぶって再び滅びる。これが安倍晋三のジャパン・ドリームだ!」とか、「前回の世界大戦では世界の舞台で輝いていた。またそうしようということか?」 とったコメントが寄せられたそうだから、少なからず、日本の"軍国主義"の復活を警戒する受け止めをするむきもあると言える。

昨日のエントリーで、今年は「各国のエゴが衝突する年」と述べたけれど、ある程度以上、そうなる覚悟と準備が必要になると思うし、安倍総理が"戦後70年"という言葉を口にし、"世界に対して発信していく"、と述べたことをみても、今年、世界が節目を迎えるに当たって様々なキャンペーンを仕掛けてくることを想定していると受け取れなくもない。

また、安倍総理の年頭所感に関連して、新年にあたっての今上陛下の御感想にも注目したい。今上陛下の御言葉は次のとおり。
平成27年 天皇陛下のご感想(新年に当たり)

 昨年は大雪や大雨、さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ、家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
 また、東日本大震災からは4度目の冬になり、放射能汚染により、かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時、それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています。
 本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています。
 この1年が、我が国の人々、そして世界の人々にとり、幸せな年となることを心より祈ります。
陛下も御言葉の中で今年が「終戦から70年」の節目の年であると指摘され、「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なこと」だと述べられた。

満洲事変とは、1931年9月18日に中華民国奉天(現瀋陽)郊外の柳条湖で、関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した事件に端を発した日本と中華民国との間の武力紛争のことだけれど、そこに至る前に既にその原因となる対立があった。

1919年、中華民国の蒋介石派は国家継承における条約継承否定説を唱え、日清間の諸条約といった日本との過去の条約の無効を主張し、1928年には日清通商航海条約の破毀を一方的に宣言。1929年には「土地盗売厳禁条例」や「商租禁止令」などの追加法令を出し、日本人に対する土地・家屋の商租禁止とこれまで貸借していた土地・家屋の回収を強行、日本人居住者に対する立ち退きの強要や迫害が行われた。また、満鉄の並行線を建設し、安価な輸送単価を設定して、南満洲鉄道との経営競争を仕掛けたりもした。このような事業妨害によって、必然的に現地での日本人企業の経営が悪化していった。

無論、当時の日本政府は外務省を通じて事態打開のための交渉を行ったのだけれど、中国側に一方的に無視され、関東軍による交渉も相手にされなかった。やがて業を煮やした関東軍の幹部は、本国に諮ることなく、満洲の地域自決・民族自決にもとづく分離独立を計画、満州事変に繋がっていく。

このように、中国が、これまで結ばれていた条約を一方的に破棄して、日本企業を狙い撃ちしたイジメをやるといったことを、今ふたたび、やってこない保証はどこにもない。それはこれまでの中国の日本に対する態度をみれば容易に予想できる。人によっては、今現在の日中関係が満州事変前に似ていると見る人だっているのではないか。

その意味で、陛下が"満州事変"を口にしたことは、今後、対応を間違えれば、満州事変を繰り返すことになるかもしれないと懸念され、そうならないように注意せよと国民に呼びかけられたのではないかとさえ。

民主国家において、国の在り方を最終的に決めるのは国民自身。中国の挑発に乗ることなく、あくまでも"法の支配"を掲げ、難局を乗り切る冷静さと智慧が求められると思う。

この記事へのコメント

  • 白なまず

    天皇陛下がご存知の戦争へ至る詳細な過程を知らず、GHQやサヨクが捏造した歴史感では理解が異なると思います。そして、皇室関係者でないと参照できない資料や実際に会話をされて得られた非公開情報などは一般人では得られないでしょうが、丁度うまい具合に竹田恒泰チャンネルに良さそうな内容の無料動画があるのでご紹介します。有料分までは見てないのですが、有料動画では非公開情報が得られるかもしれません。ご参考までに。

    【無料】日本はなぜアメリカと戦ったのか?(1/5)|竹田恒泰チャンネル特番 ~終戦記念日の前に先の大戦を振り返ろう~
    http://www.nicovideo.jp/watch/1408937927

    【無料】日本はなぜアメリカと戦ったのか?(2/5) ~終戦記念日の前に先の大戦を振り返ろう~|竹田恒泰チャンネル特番
    http://www.nicovideo.jp/watch/1408938106
    2015年01月03日 15:57
  • 戦後政権日本国≒ヴィシー政権フランス国

    日本は今も占領下にあり、戦後処理は完了していません。

     台湾民政府をご存知ですか? 
    マスコミから完全に無視されてきましたが、今年、とうとう産経に台湾民政府旗が掲載されました。
    【皇室ウイークリー】(363)「来る年が明るい年となるよう…」陛下の81歳誕生日、国民の幸せ願うお言葉 皇居訪れた人は平成に入って3番目の多さ
    http://www.sankei.com/life/photos/141227/lif1412270007-p3.html


    台湾平民政府旗と日本国旗について比較と説明
    http://www.taiwan.gr/flags.html
    2015年01月03日 19:30
  • 戦後政権日本国≒ヴィシー政権フランス国

    私たちはサンフランシスコ講和条約で、大日本帝国領土の多くを放棄したと思い込んでいますが、事実は異なります。放棄したのは、領土であることによって派生する種々の権利であり、領土そのものではないのです。
     つまり、日本国は大日本帝国領のまま、ただし、統治機構は日本本土に限定。それが今の日本国の姿です。

     これに沿って、台湾は、アメリカが占領権をもち、中国に不法占領されている日本の領土であることを主張して米国を提訴。既に米国の正式認可の下、台湾民政府が設立され、中国亡命政府である現台北政府からの政権移行は今年中の予定です。マスコミは黙殺ですが。

     同様に、樺太、千島、南沙諸島、もしかして朝鮮や満州も、アメリカの占領権下にあり不法占領されている日本領土、ということになります。台湾は歴史は浅くとも完全な日本です。1945年4月1日付け詔書により、その位置を確かなものにしました。 国際法上、それは誰もが認めるところです。
    (ただし、日本が天皇を戴く立憲君主国であることを前提とする。天皇を廃した場合は共和国となり、国の主権者は国民となって、前主権者である天皇の領土に対する権利は主張できない。このために世界規模で「反日」が行われることになった。天皇が廃されれば、日本領土である台湾や樺太はアメリカやソ連、中国のものになると言う仕組み)


     台湾は台湾、それは北海道は北海道と言うに等しく、日本であることを否定するものではありません。

     国際法上、戦後処理は台湾や樺太が日本に正式に復帰するまで終了しない、つまり、日本国は文字通り米国の占領権下に置かれることになるのです。
    2015年01月03日 19:34
  • 戦後政権日本国≒ヴィシー政権フランス国

    日本帝国(天皇を戴く以上、一国でも帝国)の復活こそが、植民地帝国主義の終焉を意味することになります。

     日本が目指したのは、差別や搾取のない世界でした。いまや、国VS国ではなく、民衆VS国際金融の戦いです。

     「領土領海領空を守り抜き」「法の支配」の下、「日本を取り戻す」

     そのために

    「戦後政権(=レジーム)からの脱却」をはたし、「新しい国へ」

     安部政権が目指しているのは、間違いなく戦後処理の完全終了です。


    日台共栄促進会
    ttp://jtcpa.weebly.com/

    台湾民政府公式HP(中語ページには最新情報) 
    台湾は我が国の植民地ではなく日本固有の領土であった(詔書ほかソース豊富)ttp://usmgtcg.ning.com/forum/topics/6473745:Topic:180268



    日本は未だ占領下 グレンデール裁判 なでしこアクション
    ttp://nadesiko-action.org/?page_id=5813&cpage=12#comment-10870


    戦後政権日本国・・大日本帝国の目覚めを待つ臨時政府
    ttp://www.junnihon.com/?p=5928#comments


    以上
    2015年01月03日 19:34

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