箱根の異変

 
今日はこの話題を簡単に…。

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1月3日、第91回東京箱根間往復大学駅伝最終日が行われ、青山学院大が実に20回目の出場で初の総合優勝を果たした。

前日の往路で優勝した青山学院大は、この日の復路でも絶好調。7~9区の3区間で区間賞を獲得し、往路、復路ともに制する完全優勝。総合タイムでも2位の駒澤大学に10分以上の差をつける圧倒振り。

今回の箱根駅伝から、5区と6区の走路である函嶺洞門が老朽化の為通行禁止となりコースが変更され、距離が約40メートル延びた。それに伴って、これまでの5区と6区の区間記録と往路、復路、総合記録は参考記録扱いとなったのだけれど、今回青学が出したタイムは、第88回大会で東洋大がマークした従来の最高タイム10時間51分36秒より、2分以上速い。

とりわけ、5区を走った青学の神野大地選手は、かつて"山の神"と呼ばれた、東洋大の柏原竜二選手の区間記録を上回る超絶記録を叩きだしている。
5区歴代タイム

- 91 神野大地 青山学院 3 1:16:15
1 88 柏原竜二 東洋大  4 1:16:39
2 86 柏原竜二 東洋大  2 1:17:08
3 85 柏原竜二 東洋大  1 1:17:18
4 87 柏原竜二 東洋大  3 1:17:53
5 83 今井正人 順天堂大 4 1:18:05
6 84 駒野亮太 早稲田大 4 1:18:12
7 82 今井正人 順天堂大 3 1:18:30
- 91 キトニー 日本大  3 1:18:45
駅伝解説者で元陸上選手であった金哲彦氏は、神野選手の走りについて、「青学大の神野君の記録は『凄い』のひと言。東洋大時代の柏原君が初めて1時間17分台で走った時に驚いて、1時間16分39秒をマークした時には「これはもう破られない」とすら思ったが…。小柄で上半身は細いけど、脚が太い。太腿からふくらはぎまで、しっかり筋肉がついている。スタミナも凄い。フィニッシュしてから、あれほど元気だったことにも驚いた」と述べている。

大活躍の青学に対して、無念だったのが2位の駒沢大学。昨年11月の全日本大学駅伝では、全8区のうち7区で区間賞か区間2位を叩きだすという強さで圧勝し、下馬評では優勝候補の筆頭に挙げられていた。

ところが箱根では、5区で、2位の青学大に46秒差のトップでたすきを受け取った馬場翔大選手が失速する大波乱。10キロ過ぎに青学の神野選手に抜かれると、20キロ過ぎで転倒。その後も明大、東洋大に抜かれ、ゴール前の最後の直線では、倒れそうになりながらなんとかゴール。どうやら序盤にかいた多量の汗が山の冷気で体温を奪い、低体温症になっていたらしい。

当日の芦ノ湖周辺は雪が残り、気温は3度。低体温症とは、体の中心部の温度が35℃以下になることをいうのだけれど、駅伝を走っていながら、低体温症になるということは、それだけ山の冷気が凄かったということなのだろう。

尤も、今回の箱根は、前日から大雪で波乱が囁かれていた。。低体温症での棄権が続出するのではという声もあり、各校ともそれなりの対策を取っていたと思われるのに、それでもこうなってしまう。失速した駒沢の馬場選手は肩を出して走っていたけれど、長袖で走っていたら、もしかしたら結果は変わっていたかもしれない。

超絶の区間賞に低体温症。今年の箱根5区は"異変"の区だったのか。

箱根の異変といえば、昨年11月下旬頃から箱根山で、これまで噴気が上がったことのない北西側の斜面から大量の噴気があがっているとの報告が上がっている。

今のところ、気象庁の噴火予報では、箱根山は噴火警戒レベル1の平常となっているようだけれど、昨年の御嶽山、阿蘇山の噴火をみると、やはり気になってしまう。

昨日までのエントリーでは、言いそびれたけれど、昨年のエントリーをざっと振り返ってみると、一昨年のそれと比べて、大雪、台風、噴火といった自然災害系のエントリーが格段に増えていた。今年に入っても、京都が50年に一度の大雪に見舞われるなど、その流れは続いているように見えなくもない。その意味では、2015年は自然災害も警戒するに越したことはない。

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    > 5区と6区の走路である函嶺洞門が老朽化の為通行禁止

    これが一番まずい兆候だろう.
    多少の噴火や地震があってもインフラがしっかりしていれば
    復旧は簡単だが, 崩れてしまうとどうしようにもない.

    このような野外競技も安全性が確保されてのものだ.
    2015年01月04日 12:49

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