今日も極々簡単に…

この程、シリアへの渡航を計画していた新潟市の男性が外務省からパスポートの返納を命じられ、提出していたことが明らかになった。その男性はフリーカメラマンの杉本祐一氏。
杉本氏は、今月末にトルコ経由で現地入りし、ISISから逃れてきたクルド人難民や、自由シリア軍などを取材する計画で、トルコ南部に定宿を確保し、ここを拠点に日帰りで取材を重ねる予定だったとしている。
ところが、この計画を一部メディアが報道したことなどから、外務省や警察庁が動き出して取りやめを説得。ついに、2月7日、外務省職員らが杉本氏の自宅を訪問して旅券法の規定を説明し、直接返納を受けたという。
旅券法では、生命、身体、財産を保護するため、旅券返納を命じることができるとなっていて、守らない場合の罰則も定められている。
外務省によると、パスポートの返納は今回が初めてとなるのだけれど、外務省幹部曰く「ISISはさらに日本人を殺すと明言している。そのような状況下での例外的な措置」ということのようだ。
この返納について、菅官房長官は9日の記者会見で「ISILにより2人の日本人が殺害されたばかりで、日本人を対象とする殺害を継続する意向を表明している。生命に直ちに危険が及ぶ可能性が高いと判断した。報道の自由は最大限尊重されるべきだが、邦人の安全確保も政府の役割であり、…ギリギリの慎重な検討を行った」と述べている。
杉本氏は政府にパスポートの返納を迫られたことについて、「渡航、報道、取材の自由が断ち切られた。現地の状況を日本で紹介したかったが、機会を奪われた」と述べ返納は「苦渋の決断」だったと述べているけれど、政府とて、報道の自由と国民の命を護る責務との板挟みに苦しみ、「苦渋の決断」をしたとは想像しないのか。
パスポートを返却させたことについては、色んな意見があると思うけれど、筆者の見るところ、結局杉本氏は、政府や世間を納得させることが出来なかったということなのではないかと思う。
何故、今行かなければならないのか。食糧はどうするのか、安全確保はどうするのか等々、あんな危険地帯にいくのだから、それなりの準備と時間は絶対必要になる。まさか手ぶらでISISの支配地域に入る積りではあるまい。
例えば、従軍カメラマンとして米軍部隊についていくとか、誰がみても「これなら大丈夫だろう」と思わせしめるだけのものが提示できなかった。それが敗因だったのではないかと思う。
これについて、杉本氏は「ISILの支配地域には入らない。難民キャンプなどを取材する予定だった。…」とし、後藤さんとも仕事をしたことのある元兵士を、トルコから護衛として連れて行く予定だったと答えている。
だけど、ISISをむこうに回して、元兵士か誰だかを1人や2人護衛につけたくらいで、どうにかなるとは思えないし、戦場で支配地域には入らないなんて勝手が通る保証はどこにもない。ゲリラに襲われ、必死で逃げているうちに、気づいたらISISの支配地域に入って人質になっちゃいましたじゃ、洒落にならない。
杉本さんは過去にもシリアとイラクの紛争地帯での取材経験があり「いつも危険回避には十分気をつけており、身の危険を感じたら退避している」と漏らしているけれど、かの地で、身の危険を感じた時には、もうアウトなのではないか。後藤さんの例が記憶に新しい今だからこそ、その辺りは非常に厳しく見られていると考えるべき。
報道の自由だとはよくいうけれど、その自由と釣り合うだけの重い責任を貴方は取ることができるのか、そういうことを世間は見ている。
それだけの準備と説得力を持たなければ、世間は納得しない。おそらくそれでも、政府から渡航自粛の要請はされるだろう。今のISISは、個人がノコノコと近よれる場所じゃない。
この記事へのコメント
y16a
本気で行く気があるなら、黙って行けば良いだけのこと。トルコへ観光とかなら、誰も止めないし止められない。万が一とっつかまっちゃっても、他人に迷惑は掛けないという断固たる覚悟があるなら、自決すら厭わないのではないのか。
散々に偉そうなことを言って、いざことが起こると「アベガー」では無様なことこのうえない。だから、日本のサヨクは莫迦にされるのだ。