今日はこの話題を簡単に…
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この程、2月23日に期限を迎える100億ドルの日韓通貨スワップ協定について日本政府が延長しない方向で調整していることが明らかになった。延長せずスワップ終了となると、2001年から14年続いた日韓スワップ協定の歴史が漸く幕を下ろすことになる。
日韓通貨スワップについては、2013年6月のエントリー「日韓通貨スワップと韓国の損失」で取り上げたことがあるけれど、今回、話題になっているのは、チェンマイ・イニシアティブ(Chiang Mai Initiative:CMI)の枠内で取り交わされている最後の100億ドル。
何でも官邸関係者によると「日韓で意地の張り合いになり、延長されないことになった」ということらしいから、ここ最近の日韓関係の悪化が影を落としたことは間違いない。
尤も、今回、日韓通貨スワップが終了したとしても、韓国経済が一気にどうこうなるという訳じゃない。平時では。
現在、韓国は各国と、90.5兆ウォン(2/15現在の1ドル=1098ウォン換算で約823.55億ドル)の通貨スワップ協定を結んでいる。その内訳は、中国と64兆ウォン、オーストラリアと5兆ウォン、インドネシアと10兆7000億ウォン、アラブ首長国連邦と5兆8000億ウォン、マレーシアと5兆ウォン。
これらの通貨スワップは一昨年から去年に掛けて、矢継ぎ早やに結ばれたものなのだけれど、なぜ、これらの国と通貨スワップを締結したとかというと、恐らくは、次なる通貨危機の到来をを予測していて、それに備えて動きだと思われる。
これについて、経済評論家の三橋貴明氏は、オーストラリア、アラブ首長国連邦、マレーシア、インドネシアの4ヶ国が資源国であるとした上で、「韓国は次なる通貨危機時に、最低限の資源を一定の為替レートで輸入するための『保険』として、資源国と通貨スワップ協定を締結していっているわけだ。…韓国の場合は自国のGDP(国内総生産)に占める輸出入の割合が大きいため、為替レート暴落は国民経済的に致命傷になる。…現在の韓国ウォンの為替レートは上昇傾向だが、これは07年までのウォン高局面と酷似している。外国からの投資(および投機)が殺到し、外貨からウォンへの両替が増え、為替レートが上昇する。何らかのショックがあった時点から、外資が資金を引き揚げるキャピタル・フライトが発生し、ウォンが暴落する。これが、韓国の通貨危機の毎度のパターンだ。」と述べ、次なる通貨危機を恐れているからこその「通貨スワップ戦略」だと指摘している。筆者もそう思う。
だけど、「日韓通貨スワップと韓国の損失」でも述べたけれど、日本が韓国との通貨スワップを終了させるということは、日本は韓国を支えないというメッセージを世界に向けて発信することも意味してる。
勿論、だからといって、韓国経済が直ぐに傾くという訳ではないけれど、市場の信用はその分落ちることは避けられない。
この辺りについて、2013年7月に前回の日韓スワップ協定30億ドルが終了した時「余命3年時事日記」殿が次のように指摘している。
日韓スワップ協定30億ドルは金額としては小さい。しかし、協定が存在するということが、いざという時の支援の証であり大きな保険なのだ。緊急時、その金額は100億ドルにも500億ドルにもなるだろうし、なんといっても日本が後ろ盾ということが大きいのだ。逆に協定が延長されなかったということは、日本は韓国を見捨てたというメッセージになりかねない。普通はそう受け取るだろう。このあたり韓国は全くわかっていない。このように日本の後ろ盾を失うことで、韓国経済が食い物にされる危険を指摘している。
7月3日に日韓スワップ協定30億ドル分終了と報道されるや、4日には、韓国自ら不必要といっていた論調、意見が様変わり、日本の責任のオンパレード。その思考回路理解不能。これを待っていたかのように、5日夕から為替市場においてヘッジファンドが動き始めた。
…1日の取引金額は2012年11月時点で約70億ドルくらいのものであったから1回の取引高1億ドル程度であろう。その利幅、平均1%であるから1回当たり利益100万ドル、30回で3000万ドルがヘッジファンドに持って行かれた計算である。日本という後ろ盾がないと、歯止めがきかなくなる恐れがあるのだが、今となってはもう遅いか。
仮に、日韓スワップが延長されず終了した場合、前回と同じく、ヘッジファンドが仕掛けてくることは十分考えられる。無論、韓国政府とて、前回同様、為替介入でもなんでもやって、壮大な"ワロス曲線"を描いてみせるかもしれない。だけど、韓国の経済状況は当時と比べると今のほうがずっと悪い。それに、たとえ、ヘッジファンドの攻撃を鎬ぐことができたとしても、"即死"を回避しただけで、経済状況が回復するわけでもない。
韓国が日本を敵視するのは勝手だけど、その反動はスワップ終了という形となって跳ね返ってくる。韓国は自らの行為に対する責任を取らされる局面に入ったのではないかと思う。
この記事へのコメント
白なまず
ちび・むぎ・みみ・はな
南朝鮮とのスワップを解消することは慶賀の至りだが,
同国がデフォルトした時には日本の生産資材等の
輸出先が一つ減ることになる.
勿論, それでも良かろうが, それは国外に他にも
日本の生産資材を買いたいと言う国が沢山あればだ.
それは現時点ではどうだろうか.
南朝鮮のデフォルトは支那にも影響するだろうし,
引いては東南アジアにも影響するかも知れない.
(ここは良く分からない.)
その時, 日本の輸出も足踏みすることになろう.
さて国内はどうか.
ここで安倍政権の経済政策の不思議さが出てくる様に思う.
輸出に影響が出そうであれば国内消費を増やす必要があろうに,
国内投資は減少の一途.
安倍晋三は一周遅れのグローバリストである事が段々と
明らかになってきているように思う.
今のままであるなら次の選挙には自民党には入れないかも知れない.
幾ら外交で旨くやっても, 最終的には力比べなのである.
国内総生産減少で衰える力を何時までも質の向上で補えるわけもない.
結局は, 外交の成果も役に立たないことになろう.
幾ら親日国家を増やしても, 力の威嚇に立ち向かってくれる筈もない.
日本は戦争時の経験を忘れている.
sdi
ただし、日本が韓国のマクロ経済運営に関与しない、という意志表示と金融市場が取ればボディブローのように韓国のマクロ経済に対する影響が効いてくるでしょうね。
今、安倍政権になんだかんだと文句をつけたり貶めたりする方々は「じゃあ、どうするのか?」と反論されたときの答えを持っているとは思えないんですよね。今回の日韓スワップにしても、継続しないという意志表示をしたのは韓国側なわけで、ある意味「善意の押し売り」のような日本側からのスワップ継続の申し入れを「韓国がいやいや受け入れる」代償についても論じないと不公平です。日本は韓国に対して「IMF経由でなら大規模な支援も辞さないが、二国間協定については貴国の意志を尊重する」という筋を崩さずにいるのがいいんじゃないでしょうか?
路人甲
どういう思考回路なんだ。
さっさと宗主国様を頼りなよ。