朝日の慰安婦報道はプロパガンダだった

 
筆者、超激務の為、極極々簡単に…

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2月19日、「朝日新聞『慰安婦報道』に対する独立検証委員会」が報告書を纏め、朝日慰安婦報道について、「プロパガンダ(宣伝)」とし、日本の名誉を傷つけ続けていると結論づけた。

朝日は自身の報道について検証するといって、既存の検証委員会の他に2つの委員会を立ち上げているのだけど、それは次のとおり。
○慰安婦報道検証 第三者委員会:2014年10月3日発足。

これまでの朝日新聞の慰安婦報道をめぐる記事作成の背景や今回の記事取り消しにいたる経緯のほか、特集「慰安婦問題を考える」の妥当性、日韓関係はじめ国際社会への報道の影響などについて検証し、具体的な提言を盛り込んだ報告を纏める。

 委員長 中込秀樹 73 弁護士、元名古屋高裁長官
 委員  岡本行夫 68 外交評論家、元外務省・総理大臣補佐官
      北岡伸一 66 国際大学学長、政策研究大学院大学学長特別補佐・特別教授
      田原総一朗 80 ジャーナリスト
      波多野澄雄 67 筑波大学名誉教授、内閣府アジア歴史資料センター長
      林香里 51 東京大学大学院情報学環教授
      保阪正康 74 作家


○信頼回復と再生のための委員会:2014年10月15日発足。

慰安婦報道について検証する第三者委員会などの調査結果を踏まえ、今回の事態を招いた原因を分析。会社全体の意思決定と危機管理のあり方、企業体質や社員の意識についても提言する。

 社内委員 飯田真也(委員長) 上席執行役員・東京本社代表
        西村陽一(委員長代理) 取締役・編集担当
        持田周三 常務取締役・大阪本社代表
        福地献一 取締役・社長室長
 社外委員 江川紹子 ジャーナリスト
        国広正 弁護士
        志賀俊之 日産自動車副会長
        古市憲寿 社会学者


○報道と人権委員会(PRC) :2001年発足。

朝日新聞社と朝日新聞出版の記事に関する取材・報道で、名誉毀損(きそん)などの人権侵害、信用毀損、朝日新聞社行動基準などの記者倫理に触れる行為があったとして、寄せられた苦情のうち、解決が難しいケースについて審理する第三者機関。

 委員  長谷部恭男 早稲田大学教授 
      宮川光治  元最高裁判事・弁護士、
      今井義典  元NHK副会長・立命館大学客員教授
※2014.9現在
これら委員会について発足当初から、巷では"お手盛り検証委員会"になるのではないか、と噂されていたのだけれど、今回、朝日の報道を「プロパガンダ」とした、独立検証委員会はこれら朝日が設置した3委員会とは全く別のもの。

この独立検証委員会は、昨年12月に京都大の中西輝政名誉教授らが設立したもので、委員長を務める中西輝政氏を始めとして次のメンバーで構成されている。
   中西輝政 京都大学名誉教授(委員長)
   西岡 力 東京基督教大学教授(副委員長)
   荒木信子 韓国研究者
   島田洋一 福井県立大学教授
   高橋史朗 明星大学教授
   勝岡寛次 明星大学戦後教育史研究センター(事務局長)
もう、メンバーをみて分かるとおり、右系保守の人ばかり。

独立検証委員会設立報告の記者会見の席で中西輝政氏は「第三者委員会は、朝日新聞のお仲間的、お手盛り的な検証会に終わる可能性があることが論議され、再検証が必要だ」と朝日を徹底批判していた。だから、こと慰安婦報道については、"朝日の天敵委員会"といってもいいかもしれない。

この独立検証委員会は、歴史分野の専門家にも意見を求め、慰安婦報道が国際社会や教育界に与えた影響について今年1月末を目途に報告書をまとめるとしていたのだけど、それが今回の報告書。

報告書はこちら(サイト右バー上)で公開されているけれど、目次を拾ってみると次のとおり。
第1部 総論 「92年1月強制連行プロパガンダ」と朝日の責任
第2部 朝日の慰安婦報道を検証する
第1章 検証動機は自己弁護
第2章 92年1月11日・12日をピークとする「強制連行プロパガンダ」
第3章 朝日大阪本社の偏った歴史認識
第4章 吉田清治の虚偽証言報道
資料 吉田清治証言に関する朝日新聞取消記事(18 本)・未取消記事(1 本)一覧
第5章 「女子挺身隊の名で連行」誤報
資料 慰安婦と挺身隊を混同した朝日新聞記事一覧
第6章 裁判利害関係記者による元慰安婦経歴の誤報
第7章 運動と一体化した慰安婦報道
第3部 朝日新聞の慰安婦報道が対外的にもたらした影響
第1章 「92 年 1 月強制連行プロパガンダ」の米紙への影響
第2章 「92 年 1 月強制連行プロパガンダ」の韓国紙への影響
第3章 「92 年 1 月強制連行プロパガンダ」の国連への影響
第4章 「92 年 1 月強制連行プロパガンダ」の北米での実害
報告書は、まず、朝日の「第三者委員会」は、「朝日の慰安婦報道がおかしくなった背景への分析がなく、その上、国際社会に与えた影響を分析する部分では、委員会としての見解をまとめられず、各委員の異なる見方が併記されるなど、不十分なものといわざるを得なかった」と前置きした上で、「第三者委員会」のメンバーには、これまで朝日の慰安婦報道を批判してきた側の専門家を委員に入れず、ヒアリング対象にも選ばなかったことを指摘。本当に"第三者"委員会なのかと疑問を呈している。

そして、独立検証委員会は、朝日及び「第三者委員会」の検証の問題点と、朝日の「慰安婦報道」 が対外的にもたらした影響について検証するとしている。

報告書は、慰安婦報道についての朝日側の検証について、「朝日の検証特集も第三者委員会報告も、『92年1月強制連行プロパガンダ』が どれほどの悪影響を及ぼしてきたかについて、直視していない。第三者委員会は朝日の『議論のすりかえ』を厳しく批判したのだから、朝日こそ国際社会にプロパガンダが事実でなかったことを伝える義務があると追及すべきだが、まったくそれがなかった。それどころか第三者委員会報告は、プロパガンダに対して事実に基づく反論を行う民間の努力を、事態を悪化させた原因であるかのごとく主張し、朝日をかばった。この点こそが、第三者委員会報告の大きな欠点だ」と厳しく批判している。

このように、報告書は朝日がプロパガンダを行った理由と国際社会への悪影響について、アプローチしたものなのだけれど、そこでの結論を次に引用する。
独立検証委員会報告の結論 総論の最後に、本報告の結論をまとめておく。

1 朝日は慰安婦問題を80年代以降、報じ始め、91年に大阪本社を中心として大キャン ペーンを行った。日本の他のマスコミは朝日に先導される形で次第にキャンペーンに加 わった。

2 そこには、慰安婦狩り虚偽証言、女子挺身隊制度の誤報、元慰安婦経歴ねじ曲げ、資 料発見記事のイメージ操作など、多くの事実誤認がふくまれていた。裁判の利害関係者 に関係する記事を書かせるという、マスコミ倫理上の問題もあった。

3 事実誤認多発の理由は、朝日が言うような研究の不足のためだけではない。朝日が戦前の日本軍に対して、非常に偏った見方を持っていたことが大きく作用したことは否定 できない。この偏った見方は、大阪本社が91年に行った連載企画で拡散し、92年 1 月 以降は東京本社もそれに同調した。

4 その結果、1992年1月12日前後に「日本軍が女子挺身隊の名で朝鮮人女性を慰安婦 にするために強制連行した」という「92年1月強制連行プロパガンダ」が完成した。 韓国紙、米国紙はそのプロパガンダに乗って、92年1月から慰安婦強制連行報道を精力 的に行った。韓国紙は同年1月14日に「12歳の小学生まで慰安婦にした」という誤報 をして、韓国内でプロパガンダを定着させた。

5 国内では1992年以降、朝日批判が開始され、96年頃から産経、読売も朝日批判に加 わり、大論争となった。その結果、プロパガンダは事実ではないことが証明された。と ころが、朝日は 97 年 3 月に本質は強制連行ではないという「広義の強制性」論を展開 し、自社が92年プロパガンダを広めた責任を回避した。

6 朝日が 2014年に至るまで、事実誤認記事の取り消し・訂正をしなかったことと、外務省が事実に踏み込んで反論をしなかったことなどにより、韓国、米国をはじめとする 国際社会では、いまだに「92年1月強制連行プロパガンダ」が事実であるかのごとく 拡散している。米国では各地に慰安婦碑が設置され、歴史教科書にもプロパガンダがそのまま記述されている。韓国紙は最近まで、吉田清治証言を強制連行の証拠として挙げている。

7 朝日は 2014 年8月の検証特集でも、「92年1月強制連行プロパガンダ」を内外に広 めた責任を認めなかった。また、第三者委員会もプロパガンダが今も世界に広がり、日本の名誉を傷つけているにもかかわらず、朝日の責任を回避する議論に終始した。朝日と第三者委員会委員は、慰安婦問題が国際的に女性の人権問題としてとらえられていると強調したが、米国主要紙ではそのような見方は一切なく、慰安婦制度を「日本に特有のシステム」(uniquely Japanese system)として扱う記事が大部分だった。

8 ただし、第三者委員会は 97年の広義の強制性論議は「議論のすりかえ」だ、と核心に触れる批判をした。私たち朝日を批判する専門家の意見と一致する批判だ。しかし、 朝日はその批判を「重く受け止める」というのみで、受け入れていない。

9 私たち独立検証委員会は、朝日に対して「92年1月強制連行プロパガンダ」と97年の「議論のすりかえ」がどの様なプロセスで作られていったのか、記者、デスク、担当 部長、社長らの責任を、実名を挙げて明らかにすることを求める。また、いまだに国際 社会に蔓延しているプロパガンダを消し去るため、朝日が応分の負担をすることを求める。

10 日本政府に対しても、国際社会に拡散している「92年1月強制連行プロパガンダ」 に対して、事実に踏み込んだ丁寧な反論を、組織的かつ継続的に行うことを求める。そのために、政府内に専門部署を置くとともに、民間専門家の意見を集約するための有識者会議を設置することを求める。

このように報告書は、日本政府に対し、プロパガンダを打ち消すための、専門部署および有識者会議を設置するよう求めている。
果たして、政府がそうするのかどうかは分からないけれど、報告書を読む限り、現状では、まだまだ国際社会に広まった朝日のプロパガンダを打消すには全然足りないという印象を筆者は持っている。

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