与那国の人達は自衛隊誘致を選択した

 
今日はこの話題です。

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2月22日、沖縄県・与那国島で、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票が行われ、即日開票の結果、賛成632票。反対の445票で、賛成多数という結果となった。

最終投票率も85.74%と非常に高く、賛成勝利の結果に、陸自誘致派の外間守吉町長は記者団に「非常に安堵した。行政運営がスムーズにできる」と述べた。

今回の住民投票は、中学生41人と永住外国人5人を含む1284人に投票資格が与えられ、安全保障問題を扱う住民投票として注目を集めたのだけれど、この住民投票は野党系議員が提出した住民投票条例案がその元になっている。

与那国町議会は、定員6名のうち、与党系議員3名、野党系議員3名と互いに同数なのだけれど、議長に与党系の糸数健一氏が就いているため、議会採決では、野党3名、与党2名とその過半数を野党が占めている。議長選出の際には、互いに相手陣営から議長をださせようと一悶着あったようだけれど、結局、"くじ引き"で、糸数氏の議長が決まったという経緯がある。

この野党議員3名(田里千代基議員、与那覇英作議員、崎元俊男議員)が陸自誘致の是非を問う住民投票条例案を提出し、昨年11月17日の臨時議会で、賛成3、反対2で可決していた。

この時提出された住民投票条例案では、住民投票の対象は中学1年以上で、施行日から60日以内に町長が実施する。町長はその結果について「国や関係機関と協議し、町民の意思が正しく反映されるよう努めなければならない(第14条)」と定めていたのだけれど、誘致派の外間町長は「条例の内容に瑕疵がないか精査したい。場合によっては再議に付する」と述べ、住民投票実施に否定的な見解を示していた。

結局、外間町長は住民投票条例を再議とし、11月28日に行われた臨時議会で議論されたのだけれど、賛成反対で激しくやり合ったのち、与党議員2名(前西原武三氏、大宜見浩利氏)が退席。その後の採決により、この住民投票条例は再可決した。

その後も、与那国町と与党は、永住外国人および中学生以上への投票資格を与えることの撤回を求めたのだけれど、野党は応じなかった。

今年1月15日に行われた臨時町議会で、外間守吉町長は「学校現場から反対の声もある中、野党が修正に一切応じないので致仕方ない」とこれを了承。住民投票が実施されることとなった。

賛成派、反対派はそれぞれ戸別訪問や説明会を開くなど運動を繰り広げ、選挙戦は加熱。こちらに、双方の主張を取材した八重山毎日の記事があるけれど、賛成派は自衛隊員と家族の移住による人口増加や経済効果をアピールし、反対派は有事に駐屯地が攻撃目標にされる危険性や、監視レーダーの電磁波による健康被害の恐れなどを訴えていた。

実際の現地がどうなのかは分からないけれど、与那国町議会の与野党議員が同数であることや、三期目となる外間町長も、2013年の町長選では対立候補に47票差と、前々回の町長選での103票差から差を詰めていたことから、反対派がここにきて勢いを増していたのではないかと思われる。

実は、自衛隊誘致賛否の住民投票条例は、今回だけではなく、2012年にも議会に提出されており、賛成2、反対3で否決されている。だけど、この時、外間町長は、誘致推進の立場を示した上で「町民対立に終止符を打つ」として条例案可決を求めていた。それが、今回の住民投票条例で反対に回った。

つまり、外間町長には、今回住民投票をすれば誘致反対が勝ってしまうかもしれないという恐れがあったのではないかと思う。

実際、反対派を後押しする"左巻き"の琉球新報は住民投票実施について、「町長は投票結果を尊重し、町民が示した意思に基づいて国に働き掛けなければならないのは当然だ」とか「住民投票結果に法的拘束力はないが、民主主義国家ならば示された民意を尊重しなければならない」などと、住民投票では反対派が勝つと決めてかかったかのような社説を掲載していた。

先の八重山毎日の取材基地でも、賛成派グループは「自衛隊に賛成する会」と名乗っていたのに対して、反対派グループは「住民投票を成功させるための実行委員会」と、"住民投票の成功=誘致反対"と言わんばかりの名をつけていた。

つまり、それだけ反対派が勢いに乗っていたということ。

それが、蓋をあけてみれば、6:4での賛成派の勝利。この結果を受けて、琉球新報は、「まだ議会は野党が多数派だ」と号外で悔しさを隠していないけれど、今回の誘致賛成派勝利は、与那国にとっても日本にとっても実に大きい。

与那国には、陸自の沿岸監視部隊約150人と沿岸監視レーダーの配備が計画されている。これが実現すれば、自衛官150人とその家族が与那国の住人となる。おそらくその殆ど全員が住民票を移すことになるだろうから、人口1500人の与那国町に、150~300人の"保守系"の人口が増えると予想される。誘致反対派はこれを相当に嫌がっている。

人口の1割から2割に当たる保守票がいきなり増える。これは、今後の町長選を大きく左右することは間違いない。自衛隊の誘致は、与那国島や日本の護りを固めるのみならず、"左巻き"を一掃する力となるだろう。

この記事へのコメント

  • almanos

    サヨクは「左巻き」とイコールですからねぇ。彼らは所詮「騒々しい少数派」でしか無かったとバレたという意味も大きいでしょう。「サヨク=左巻き」でリベラルに非ず」という所ですか。
    2015年02月23日 06:01
  • 白なまず

    きな臭くなってきたかもしれません。旧約聖書を預言とし解釈する説の中でハルマゲドンの始まりはエジプトがイスラエルの地を占領し、その後ロシアが南下してエジプトを追い出し、、、とあります。

    【エジプト大統領:「アラブ合同軍創設を」ISに対抗】
    http://mainichi.jp/select/news/20150224k0000m030024000c.html
    【カイロ秋山信一】エジプトのシシ大統領は22日放送のテレビ演説で、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の台頭などを念頭に「アラブ合同軍を創設する必要性が日に日に高まっている」と述べた。合同軍の具体的な役割や構成は不明だが、AP通信によると、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などと水面下で協議を進めているという。3月にエジプトで予定されるアラブ首脳会議の議題に上る可能性もある。

     シシ氏はISなどイスラム過激派の勢力拡大を「アラブ諸国が直面する大きな挑戦」と位置付け、アラブ合同軍の創設を提唱。「必要なら、アラブの兄弟国と協力して、他国の防衛にも助力する」と海外派兵の可能性にも言及した。
    2015年02月23日 20:38

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