小池晃議員の全面降伏論
著者激務の為、極極々簡単に…
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2月3日、ISISによる人質事件について、安倍総理の責任を追及する野党の声が収まらない。
民主党の羽田参院幹事長は記者会見で「生命と財産を守るのが政府の一番の責務だから一定の責任がある」と述べ、維新の党の松野幹事長も会見で「政治は結果責任だ。行政のトップとして2邦人を救出できなかった」と責任を追及した。
確かに政治は結果責任だから、政府与党が2名を救出できなかった責は問われても、仕方がない。だけど、実際問題として、主権の及ばない他国かつ紛争地帯で、何ができたのかを考えると、アメリカのように特殊部隊を投入することも憲法で許されず、ヨルダンのように交換できる人質も持っていない日本が打てる手なんて殆どないのが現実。
それに、人質解放に向けて政府が何もしなかった訳じゃない。身代金を払うことは絶対しないという方針は堅持しつつも、水面下では、ヨルダン政府と協力して人質交換という手段を探っていた。
ヨルダン元首相のターヘル・アルマスリ氏は、政府内から得た情報として、「もし拘束されているヨルダン軍のパイロットの生存が確認できたなら、リシャウィ死刑囚など複数の人物の釈放と引き換えに解放で合意することも可能だった。…相手は日本人だけの解放にこだわり、パイロットの生存の証拠も見せなかったため、われわれは謀略だと受け止めた。日本人もヨルダン人も殺害されかねないと考えた」と述べている。
人質交換というカードを使おうとしたヨルダンにして、ISIS相手の交換交渉が暗礁に乗り上げているのが現実。だから、たとえ身代金を払って取り返す方法を選んだところで、ISISを相手に上手くいく保証はどこにもない。
野党が政府の結果責任を追及するのも結構だけれど、であれば、自分達野党が政権についていたのなら取り返すことが出来たのか。
2月3日、参院予算委員会で、共産党の小池晃議員が、先の安倍総理の中東歴訪中に表明した2億ドルの支援を表明した演説を取り上げ「演説には『非軍事の人道支援』との表現がない。2人に身の危険が及ぶとの認識がなかったのか」と演説がISISを刺激したと質問したのに対し、安倍総理が「小池晃さんの質問はまるでISILを批判をしてはならないような印象を受ける、それはまさにテロリストに屈すること」と答える一幕があったけれど、この"相手を刺激する"というロジックは、ある意味全てを相手に委ねるということであり、「生かすも殺すも貴方様の望むがままに」といっているのと変わらない。
仮に、小池議員がいうように、安倍総理が演説で「非軍事の人道支援」という表現を使ったとしても、「人道支援だろうが何だろうが支援は敵対行為と見做す」と北方の将軍様のようなことをISISが一言いえば、"非軍事の人道支援"とてISISを刺激したことになる。
だから、この「小池ロジック」は、所詮、ユスリタカリの材料を相手に与えることにしかならない。
相手の手に落ちた、人質を取り返すためには、力づくで取り返すか、相手に解放しようという気にさせるかのどちらかしかない。まぁ、突発事故や災害か何かで人質が自力で脱出するケースもない訳ではないけれど、そんなのは特別な場合であって、計算に入れられる類の方法じゃない。
力づくで取り返す方法は、もう特殊部隊や地上軍投入による奪還作戦ということになるけれど、今の日本では、憲法改正が必要になるから、すぐにできるわけじゃない。
社民党の又市幹事長は、邦人救出は警察権で対応すべき問題であって、自衛隊を出しますなんて戦争と犯罪を混合してしまったような話ではいかんなどと、言っているようだけれど、それは、あくまでも警察レベルで対応できる"平和な相手"にだけ通じる話。ISISのような武装集団相手に、ただの警察では的になるだけ。
となると、残るは、相手に解放しようという気にさせるしかなくなるのだけれど、先にも述べたとおり、その気にさせる"トリガー"を相手に全部持たせることはしてはいけない。先の「小池ロジック」で述べたとおり、相手に全部のボールを持たせることは、ユスリタカリを助長させるだけ。
だから、相手をその気にさせる"トリガー"は、こちらも持つべきで、互いに、"トリガー"に指をかけつつ、ギリギリの駆け引きをするのが人質交換交渉。
その意味では、核兵器を配備して互いに睨みあう「核抑止力」に似たところもあるのだけれど、そういうものがなければ、交渉に使えるカードにはならない。
もうそろそろ、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して安全と生存を保持することなどできない現実を成文化して認めるべきではないかと思う。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
三度に渡る渡航停止要請をけって出かけたようだ.
その理由が, あるTV局の高額な出演料提供の
話しに乗ったためだという.
ある程度定評のある人の書いていることなので
かなり確かなのだろうが, 本当であるなら
政府は本当に良くやった事になるし,
当のTV局は相当にまずいことになろう.
合わせて「イスラーム国の衝撃」を読めば良い.