今日はこの話題を極々簡単に…

3月8日、中国の王毅外相が記者会見で、今年、北京で行う軍事パレードに安倍総理を招待するか問われ「関係するすべての国の指導者を招待し、誠意さえあれば誰であれ歓迎する」と述べ「加害者がその責任を忘れなければ、被害者は受けた傷を癒やすことができるだろう。70年前、戦争に負けた日本が、70年後に再び良識を失うべきではない。 歴史の重荷を背負い続けるのか、過去を断ち切るのか、最終的には日本が選択することだ」と述べた。
日本のメディアの報道では、中国は、今年日本が出す「安倍談話」に注目していて「村山談話」などを踏襲するよう、日本を強く牽制したのではないかと伝えているけれど、香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは識者のコメントとして、今回のパレードは、「中国の増大する国際的影響力と軍事力を誇示するとともに、習近平の政治権力を強化するためである」とし、「習近平が党、政府および軍を完全に掌握していることを海外に誇示し、全国的な反腐敗キャンペーンが成功していることを強調するものとなる」と伝えている。
この記事の見出しは「習近平の最初の大軍事パレードは、日本と腐敗役人に対する抑止のため」だそうのなのだけれど、その見出しとは裏腹に、日本は最後にちょろっと出るくらいで、殆ど出てこないのだそうだ。
このサウス・チャイナ・モーニング・ポストの記事が正しいとすると、今回の中国の軍事パレードは、「反ファシズム戦争勝利・抗日戦争勝利70年」と銘打って、各国の首脳を招待する割には、相当部分が「国内」向けのパレードだといえる。
つまり、もっとぶっちゃけていえば、習近平の"皇帝即位式"の色合いを帯びるのではないかということ。
事実、ここ1~2年、習近平は腐敗撲滅の名の下、政敵を追い落とし、自身の政権基盤を固め、全ての権力を手にいれようとしている。その意味では、中華皇帝への道をひた走っているといえなくもない。
だとするならば、このパレードにやってくる各国首脳は多ければ多いほどよく、それは習近平皇帝を讃え、その権威を認めさせるものとして、引き立て役にされてしまう危険すらある。
そういう観点でみれば、日本に対しては表向きは、特に招待するでなく、来たいのであれば、受け入れないでもないくらいに軽くあしらう風でいて、本心では来てほしいと思っているのではないか。
内々で"皇帝即位式"と位置付けているパレードに、仇敵として国内に喧伝している日本国総理がでてくれば、習皇帝に膝を屈したとほくそ笑んでもおかしくない。
「反ファシズム戦争勝利・抗日戦争勝利70年」とブチ上げて、対外的には、日本を悪の帝国だと宣伝しつつ、国内向けには自分が皇帝になると宣言する。そこにはしたたかな戦略が隠されているのかもしれない。
この記事へのコメント
almanos
ポール
世界中にわらわら押しかけて行って現地の文化も民族もまったく斟酌することなく傍若無人に振る舞い、果ては乗っ取りを企てる。そういう意味ではアングロサクソンとも似てますが。
そんな世界の状況の中でいかに日本が独立を維持して行くか。
難題です。