尖閣の蘇鉄が語るもの


今日も極々簡単に…

 ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。

3月5日、自民党は、外交・経済連携本部・国際情報検討委員会合同会議を開き、尖閣諸島に関する行動と今後の展開についての議論を行った。

その中で、尖閣諸島を日本領土として表記した中国の地図を取り上げ、尖閣の領有権を主張する中国が当時、日本の領有を認識していた事実を裏付ける資料だとして、そのコピーを外務省に渡したそうだ。近く外務省がホームページなどで公表する予定だという。

合同会議では、尖閣だけでなく、「慰安婦問題」をめぐる教科書の記述についての講義や、情報戦略に関する今後の検討などについても議題となっていたから、くだんの尖閣の地図もその情報戦略の一環として、使っていこうという意図があるものと思われる。

会議の中で渡されたという地図は、中国国家測量局が1969年に発行した地図で日本領"尖閣群島"と明記されている。

中国国家測量局は日本の国土地理院に当たる部署だから、確かに中国が尖閣を日本領とみていた何よりの証拠だといえるのだけれど、この種の地図はこれだけじゃない。北京市地図出版社発行「世界地図集」1960年版の日本図でも、尖閣は日本領となっているし、1953年1月8日付の人民日報は「琉球諸島は台湾の東北と九州の西南に位置する諸島で、それには尖閣諸島、沖縄諸島…などが含まれる」と報じている。

それが尖閣周辺に海底資源があるとなった途端に、自分のものだと言い出す。こちらのブログでは、1969年を境に中国が尖閣を自国領土だと言い張るための、地図を改竄していることを指摘している。



まぁ、情報戦だといえばそれまでだけれど、かの国は勝つためなら、なんでもかんでもやってくる。歴史的事実なんて簡単に捻じ曲げる。改竄した証拠をばら撒いて、正当化していく。嘘でも何でも既成事実化してしまえば勝ち。そんなやり方。

今回、中国が1969年に出した地図で、尖閣を日本領としていたと日本側が公表しようとしていることについて、中国・環球時報は「日本側のいう地図が具体的にどの地図のことを指しているのかは分からないが、専門家は『釣魚島が中国領であるという基本的な事実は、歴史的・法的に十分な証拠があり、1枚の地図だけでそれを否定することはできない』と述べている」と伝えている。

1枚の地図だけで否定できない、なんて言い草からして、「数」にものを言わせていわせればいいと言わんばかり。どうも、あちらは「数」でゴリ押しすれば、何でも押し切れるという考えが強いように感じられる。

昨年末も、中国国家海洋局が尖閣領有を主張するサイトを開設し、今月4日には日本語版と英語版を公開しているけれど、これもその「数」のうちの一つだといえなくもない。

こんな国を相手に、うかうかしていたら、簡単に足を掬われる。先程の中国国家海洋局のサイトについて、日本政府は厳重に抗議し削除を要請したようだけれど、これに対して、外交部の華春瑩報道官は「筋の通らない要求で、受け入れられるものではない。…島が中国固有の領土であることは歴史的な根拠がある」といけしゃあしゃあと述べている。

そもそも、抗議して、「はいそうですか」と引き下がる相手なら、こんなに苦労していない。抗議だけじゃなくて、もっと日本領土であるということを日本も証拠付で世界にどんどん発信していくべきだろうと思う。

まぁ、物量には質で対抗するという考えもあることはあるけれど、皆が皆、その質を吟味・検証してくれる保証なんてない。第三国同士の争いなんて、大概はチラ見で済ませてしまうもの。利害の絡まないことに首を突っ込んでくれるほど、お人よしはそんなに多くない。

今年1月に、米誌ナショナル・インタレストが「ごめんね、中国。 日本の尖閣諸島に対する主張の方が理にかなっている」という記事を掲載し、尖閣諸島の領有権をめぐる争いでは、歴史的事実や法の原則からみても、日本の方が有利だと述べているけれど、こういう存在を頑張って増やしていかなくちゃいけない。

そしてそれだけじゃなくて、国内にも沢山眠っているであろう、尖閣に纏わるエピソードもどんどん発信して、日本から撃つ「弾数」を増やしていったほうがいい。

昭和天皇にこんな逸話がある。
沖縄の返還前、尖閣諸島周辺に群がる中国や台湾の漁船を危惧された昭和天皇が、当時総務長官だった山中貞則氏に尋ねられた。

昭和天皇「山中、尖閣諸島には蘇鉄は生えているのか」

山中貞則「申し訳ありません、存じません」

昭和天皇「沖縄に蘇鉄はあるが、台湾にはない」

後に、尖閣へ上陸した先発隊が見たものは、そこら中に生い茂る蘇鉄だった…。

画像

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    大東亜戦争の時に昭和天皇がおられたことが
    不幸中の大きな幸いであったと思う.
    昭和天皇ほど日本の全てに目を向けておられた方は
    居られなかったのではないか.
    2015年03月11日 12:22

この記事へのトラックバック

中国は、尖閣領有宣言をしていた
Excerpt: 尖閣は無主の地ではなかった。
Weblog: 青山亭雑記
Tracked: 2015-09-19 12:55