MIMO-MUレーダシステム

 
今日は昨日の続きのレーダーネタを極々簡単に…

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3月12日、北朝鮮がハムギョン南道のソンドク付近から日本海に向けてミサイル7発を発射した。

北朝鮮は今月2日にも、米韓合同軍事演習が始まったのに合わせて、の短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射していることから、今回のミサイル発射も合同軍事演習への反発ではないかと見られている。

まぁ、北朝鮮のミサイル発射に慣れてしまったのか、日本ではあまりニュースにもならなくなってしまっているけれど、本当こんな時こそ危ない。

かつて、「北朝鮮のミサイル発射について」のエントリーなどで述べてきたけれど、筆者は、北朝鮮の金正恩は、相手の裏をかくタイプだと見ている。

だから、またいつものアレか、と油断した頃にズドン、とやってくる可能性はいつも、心の片隅に留めておいていいと思う。

これらミサイル発射の早期探知に務めるのもまたレーダーの役目。そんな中、FNNは、防衛省が新たに研究中の高性能レーダーを放送で取り上げた。それが、千葉県旭市の防衛省技本飯岡支所で開発が行われている「マイモレーダー」。



このマイモレーダーについては、かつて「F35とアンチステルス技術」や「ステルス探知レーダー『MIMO』」で取り上げたことがあるけれど、マイモ(MIMO)とは「Multi Input Multi Output」または「Multiple Input Multiple Output」の略で、その名のとおり、レーダーの送信側、受信側それぞれ複数のアンテナを用いて、電波の入力と出力の分岐を複数(マルチ)にして伝送する技術。

小型のアンテナでも沢山並べてやれば、大口径アンテナに匹敵する性能が出せるし、アンテナが小さくなると設置場所に困ることもない。こうした利点から、MIMOは無線通信の分野において1990年代の後半頃から注目され出した。

先程、MIMOは送受信ともに複数アンテナを使う技術だと述べたけれど、片方を単一アンテナにしたり、もっと増やしたりするなど、いくつかのバリエーションがある。
SIMO(Single Input Multi Output):送信側が単一のアンテナ、受信側が複数のアンテナ
MISO(Multi Input Single Output):送信側が複数のアンテナ、受信側が単一のアンテナ
MIMO(Multi Input Multi Output):送受信ともに複数アンテナ
MIMO-MU(Multi Input Multi Output-Multi User):送受信ともに複数アンテナで1対Nの通信を行う
MIMOは複数のアンテナを同時に使う通信方式だけれど、受信側と送信側の距離を明ければ、バイスタティックレーダーや、マルチスタティックレーダー的に使用することも可能だと思われる。レーダー波を明後日の方向にそらすことで、探知されにくくするステルス機でも、そらした側に受信側のアンテナがあれば探知できてしまう。

与那国島に配備されるレーダーがMIMOになるかどうか分からないけれど、もしも宮古島や久米島
のレーダーとMIMOシステムを組むことができれば、相手ステルス機をキャッチできる可能性も高くなる筈。小型のアレイアンテナをMIMOシステムにしたレーダー網、その実現が待ち望まれる。

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    レーダーで MU(multi-user) とは?
    2015年03月14日 12:34
  • 白なまず

    調べた訳ではないので確実ではありませんが、マルチユーザは情報共有する為にレーダーサイトに直接アクセスできる様な仕組みではないでしょうか。自衛隊と日本政府、米軍、米国政府、、、同盟国でレアルタイムで情報共有する事を前提に仕様が決められているのでないかと。
    2015年03月14日 13:17

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