二股韓国また来て三角

 
昨日の続きを極々簡単に…

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今、ソウルを舞台として激しい米中の綱引きが行われています。

アメリカはTHHADの韓国配備を迫り、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を韓国に促しています。

3月16日、中国の劉建超外務次官補とアメリカのラッセル米国務次官補が共に韓国に乗り込み、韓国の李京秀外務次官補と協議しています。

中国はTHAAD配備を止めると共にAIIBへの参加を要求し、逆にアメリカは、THAAD配備を要求すると同時に、AIIBへの参加を見送るよう迫っています。

AIIBについては別の機会に譲るとして、米中はそれぞれ全く正反対の要求を韓国にしています。

これは要するに、経済と安保のどちらを選択するのか、ひいては米中どちらの陣営につくのか、という踏絵を迫っているということですね。

もう既に色んなところで指摘されていますけれども、韓国は安全保障でアメリカに縋る一方、経済では中国に頼る"二股外交"を繰り広げています。

なぜそうなるのかというと、以前にも、韓国の生存戦略は、その時の最強国家に"事大"することにあると述べたことがありますけれども、この戦略には、最強国家がどれか分からないときには、その場その場で"最強"と思える国に近づいていく、「コウモリ外交」をするという特徴があります。

この「コウモリ外交」はいい方に出ているうちは、まだいいのですけれども、悪い方向に出ると途端に信用を無くすというリスクがあります。米中双方の高官が同時にソウルに乗り込むなんて、漫画かドラマのような展開ですけれども、今の韓国はそうした状況にあるわけですね。

これについて、ジャーナリストの室谷克実氏は「李明博政権の末期から続く、コウモリ外交がいよいよ瀬戸際に立たされている。…韓国が望むシナリオは、THAAD配備を在韓米軍に主導させ、それを追認する形にして明確な意思表明をしないことだ。中国には『米軍が勝手にやった』というポーズを取りつつ、米韓同盟を堅持する腹づもりだ。一部には『駐韓米国大使襲撃事件で米国に譲歩せざるを得なくなる』との見方もあるが、事件後、国内で親米ムードが盛り上がったため、逆に米韓同盟の強固さを示すことに成功した。朴政権は、これまで以上に『コウモリ外交』を加速させて乗り切るつもりだろうが、いつまでも、そんなご都合主義がまかり通るはずがない。想定するシナリオが破綻したときは、いよいよ、朴政権も追い詰められるだろう」と述べています。要するに、人のせいにして、責任逃れをしようということですね。

3月18日、韓国の中央日報がこの問題について、「専門家招請緊急イシュー診断討論会」なるものを開催したようですけれども、そこでは、「THAADのレーダーでは、中国の大陸間弾道ミサイルは探知できない」だとか「在韓米軍が軍事的必要により米国の予算でTHAADを配置するならばわれわれが反対したり興奮する必要はない」だとか、「北朝鮮が4度目の核実験などの挑発をした場合に韓米が自然にTHAAD協議を開始すれば良い」などという意見が出たと伝えられています。

特に後ろの2つの意見は「アメリカが勝手にやったことだ論」そのままで、室谷氏の指摘どおりですね。

ついでにいうならば、2014年12月に日韓で結ばれた「軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA:General Security of Military Information Agreement)」を巡っては、日米韓の「中国包囲網」につながると懸念した中国が、韓国に圧力をかけたのですけれども、韓国は「情報の交換は北朝鮮の核・ミサイルに限り、かつ米国経由とする」とし、更に覚書に格下げして、「中国包囲網ではない」と言い逃れしました。

これなども、先の討論会での「THAADのレーダーでは、中国の大陸間弾道ミサイルは探知できない」という発言に通じるものがあります。

日経編集委員の鈴置高史氏は、先日のリッパート米大使襲撃事件について、木村幹・神戸大学大学院教授にインタビューしているのですけれども、木村教授はその前の3月1日にソウルで行われた「3・1節」デモを取り上げ、本来「反日記念日」である筈のこの日に、反米が顔を覗かせていたことに注目すべきだと述べています。

なんでも、そのデモ隊の列の最後の方に、習近平のお面をかぶった人が「中国から貿易黒字を稼いでいるのに、どうしてTHAADを配備するのか」と書かれたプラカードを持っていたそうです。

木村教授は、こうした「反日の皮をかぶった反米」が突然登場し、その中で米大使襲撃事件が発生したことを見落とすべきではないと指摘し、鈴置氏が、1980年代に日本で叫ばれたスローガン「日米『韓』3角軍事同盟反対」を思い出すと応えていましたけれども、実際、韓国では「リッパード大使襲撃は北朝鮮のせいだ」という説も流れています。

ですから、北朝鮮の工作も入っていると考えると、韓国を舞台として、米中北の三つの勢力が猛烈な外交戦をやっているといえるかもしれません。けれども、それは、ある意味、韓国の「二股外交」が呼び寄せているということも忘れてはいけないと思います。

現状を見る限り、"二股韓国"が"さよなら韓国"にならない保証はないと思いますね。

この記事へのコメント

  • ポール

    二股外交は伝統芸ですね。
    日清戦争、日露戦争の頃もそう。
    2015年03月20日 11:21
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    日清戦争がどのように起きたか良く分かる.

    しかし, 例の"真っ赤な(嘘の)新聞"の広告が
    ブログ記事の下に出てきたのだが, 「全く気分が悪い」
    しかも, 消去ボタンがない.
    2015年03月20日 13:03

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