国際基準に挟まれるAIIB

 
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AIIBで動きが出てきたようです。3月22日、ウォールストリート・ジャーナルは、アジアインフラ投資銀行に対してアメリカが世界銀行やアジア開発銀行との共同出資事業を提案したと報じました。

参加ではなく、共同出資事業ですから、まぁ、お目付け役乃至は監視役として食い込んでおこうという魂胆なのでしょうね。

アメリカのシーツ財務次官は「世銀やADB(アジア開発銀行)との共同出資事業は、歴史的に有効性が証明された高い基準を確保することに役立つ」と話していますから、国際標準という"高い基準"をAIIBに持ち込もうとしていることは明らかですね。

アメリカはAIIBについて、中国が拒否権を握り、資金を恣意的に運用したり、中国企業の海外進出を後押しするために、相手国に融資するのではないかと懸念を表明しています。果ては、中国海軍の艦船を受け入れるための軍港建設に使われるのではないかとも言っています。

日本も、23日に宮下一郎財務副大臣が、AIIBへの参加について"条件"が整っていない、として慎重な姿勢を崩していません。

その条件とは「加盟国を代表する理事会が個別案件の審査、承認を行うこと」と「債務の持続可能性や環境、社会に対する影響への配慮」の2つ。もう、これを見るだけで、中国が自分勝手に融資をするのではないかと懸念していることが分かります。

実際、3月22日に北京で行われた経済フォーラムでも、アジア開発銀行の中尾武彦総裁が、投資案件には環境保護への配慮が必要だというと、中国の楼継偉財政相が、「官僚主義で、最良とはいえない」と反論したそうですから、既に、欧米基準の融資などする気がないことが分かりますね。

その意味では、共同出資であれば、融資資金の一部を出資するわけですから、融資のための審査や資金の流れ、および回収にまで口を出せることになります。

昨日のエントリーでは、イギリスなど欧州諸国がAIIBに参加してルール作りに関わることで、中国の自分勝手な融資をさせない可能性について触れましたけれども、アメリカがAIIBとの共同出資事業に参加すれば、内からはイギリスら欧州がルール作りに関与し、外からはアメリカが共同事業という形で融資から回収までをトレースできることになります。

今の金融秩序を構築し、それを握っているのは、世界シェアから見てもアメリカと、EU、イギリスになります。これらの国々が狙ったようにAIIBにジョインする。これは要するに、内と外から今の"国際基準"で中国を挟み込んでプレッシャーを掛けるということですね。ですから、見ようによっては、今回の動きは、米英および欧州で示し合わせた出来レースだといえなくもありません。

もしかしたら、先日、来日したドイツのメルケル首相もその辺りを日本政府に伝えたかもしれません。

だとすると、日本はどうすべきか。

まぁ、それには、積極関与と様子見の2つの選択肢がありますけれども、ルール作りに参加して、国益に沿うように持っていくといった"積極関与"は、既にイギリスや欧州が入りましたから、それ程旨みはない。それよりはルールが確定して形が見えるまで様子見しておくのが良い気がしますね。

AIIBは今年一杯掛けてルール作りをしますけれども、おそらく元のハードカレンシー化を狙っている中国は欧米ルールに飲まれることを良しとはしないでしょう。ルール化の協議は決して易しいものではなく、場合によっては、協議が決裂して、欧州・アメリカが土壇場でAIIBから離脱することだってあり得ます。

まぁ、最初から参加しないよりは、「最初は入っていたけれども、愛想を尽かして辞めた」という形のほうが中国に与えるダメージは大きいでしょうね。

けれども、中進国や開発途上国などは、小うるさい国際基準の機関からの融資よりも、審査がゆるゆるの中国からの融資を好む傾向があることも事実です。ですから、そうした国々へのフォローを含めて、日本がその時まで力を温存しておくことは、そう悪い話ではないと思いますね。

万が一、AIIBが国際基準の機関となり、使えるとなったら、その時ジョインすればいいと思うし、アメリカが共同出資事業という形で道を付けておいてくれるならば、それを使うという手も考えられるかと思います。

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