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3月26日、韓国の安豪栄駐米大使は、アメリカ政府関係者の間で広まっていると噂されてる「韓国過労症」について、「確かに、カート・キャンベル前米国務次官補が、先日のシンポジウムで疲労感と表現した。ただし、これは『歴史問題に対する日本の疲労感』であって、米国政府に疲労感があるとは語っていない。…取り越し苦労がありもしない疲労感をもたらす可能性もある。…米国では日韓の歴史問題に関して、政府から議会、学界からメディアに至るまで、韓国と共通の認識を持っている。日韓の歴史問題に関する立場上で、韓国はもっと自信を持つべきだ。…韓国が過敏になる必要はない」と述べたそうです。
「韓国過労症」なるものは、韓国が歴史問題に関して謝罪を受け入れず、日本に謝罪を要求し続けるため、アメリカ政府関係者が疲労や嫌気を感じることだとされていますけれども、安大使はそんなものはないと否定しました。
けれども、3月15日付の朝鮮日報は、アメリカのシンクタンクの関係者が「ワシントンに来る韓国の人々は、そろって歴史問題で日本を非難し、米国を説き伏せようとするかのような、全く同じ話ばかり繰り返してきた。今では、韓国に対する疲労感が高まっている」と伝えたと紹介しています。ですから、安大使が、キャンベル前米国務次官補の「疲労感」発言は日本のものであってアメリカが感じているわけではないと反論しても、それ以外からも「疲労感」発言が出ていることについて否定できなければ、少々説得力に欠けますね。まぁ、実際には、それなりに「韓国過労症」の声があると見たほうがよいと思いますね。
では、アメリカにこのような「韓国過労症」があるとすると、次には、韓国に対して「いつまでも同じ話ばかりせずに、前に向かって行動しろ」という声が上がってくるであろうことは容易に推測できます。その意味では、先日のシャーマン次官発言とて、そういう文脈でみることだってできるわけです。
ところが、韓国はシャーマン発言を受け入れないどころか、安倍総理が来月29日にアメリカ連邦議会の上下両院合同会議で演説することについて、慰安婦問題を含め謝罪の言葉をいれろ、と猛烈なロビー活動をしていると伝えられています。これでは、少しも前に向かっているようには見えないですし、アメリカとて「韓国過労症」つのるばかりですね。
では、安倍総理の連邦議会演説の内容はどうなるのか、ということですけれども、少なくとも歴史問題、慰安婦問題については、ほぼ固まったと見ています。
3月26日、アメリカ国務省のラスキ報道部長は、安倍総理の連邦議会での演説に関して韓国政府や一部の団体から謝罪の内容を入れるべきだとの声が上がっていることについて「コメントは特にない。われわれは首相に自分で語ってもらう」と安倍総理に任せる旨の発言をしています。けれども、同時に「首相は、最近では2月12日の施政方針演説に歴史問題に関する前向きなメッセージを盛り込んでおり、われわれはこうしたコメントを歓迎している」と述べていますから、実際は、この線で日米両政府が話をつけているとみていいと思いますね。
因みに、その2月12日の施政方針演説での歴史問題に関する部分は次の部分だと思われます。
(戦後七十年の「積極的平和主義」)この時の施政方針演説で、安倍総理は歴史問題について、先の大戦の深い反省と共に、日本が戦後、世界の平和と繁栄に貢献したこと、そして、21世紀は女性への人権侵害が無い世紀にする、と未来志向の部分も含めた内容としています。
本年は、戦後七十年の節目の年にあたります。
我が国は、先の大戦の深い反省と共に、ひたすらに自由で民主的な国を創り上げ、世界の平和と繁栄に貢献してまいりました。その誇りを胸に、私たちは、これまで以上に世界の平和と安定に貢献する国とならなければなりません。次なる八十年、九十年、そして百年に向けて、その強い意志を世界に向けて発信してまいります。
幾多の災害から得た教訓や経験を世界と共有する。三月、仙台で国連防災世界会議を開きます。「島国ならでは」の課題に共に立ち向かう。五月、いわきで太平洋・島サミットを開催します。二十一世紀こそ、女性への人権侵害が無い世紀とする。女性が輝く世界に向けて、昨年に引き続き、秋口には、世界中から活躍している女性の皆さんに、日本にお集まりいただきたいと考えています。
本年はまた、被爆七十年の節目でもあります。唯一の戦争被爆国として、日本が、世界の核軍縮、不拡散をリードしてまいります。
国連創設から七十年にあたる本年、日本は、安全保障理事会・非常任理事国に立候補いたします。そして、国連を二十一世紀にふさわしい姿へと改革する。その大きな役割を果たす決意であります。
本年こそ、「積極的平和主義」の旗を一層高く掲げ、日本が世界から信頼される国となる。戦後七十年にふさわしい一年としていきたい。そう考えております。
アメリカがこの演説を歓迎したということは、安倍総理のアメリカ議会での演説も、おそらくは、この線での内容になると思われます。
更に、慰安婦問題についてですけれども、3月27日、安倍総理がワシントン・ポストのインタビューに対して、「人身売買の犠牲に遭い、筆舌に尽くし難い苦しみを体験された」と答えたと報じられています。
くだんの記事は、こちらだと思われますけれども、該当部分を次に引用します。
Mr. Prime Minister, let me ask you a question about history: Every country thinks about its history; every country wants to feel comfortable with its history. You sometimes are called, by critics and friends alike, as someone who’s a “revisionist” — who wants to say that some of the things that Japan has been accused of doing in its past, as dark as it was, some of those things aren’t true. So I want to ask you: Is it accurate to say that you are a revisionist–that you would like to revise the picture of Japan so that it is, in your view, more accurate?このように安倍総理は、「村山談話」、「小泉談話」を支持し、「河野談話」についても見直しはしていないと答えています。
A: My opinion is that politicians should be humble in the face of history. And whenever history is a matter of debate, it should be left in the hands of historians and experts. First of all, I would like to state very clearly that the Abe cabinet upholds the position on the recognition of history of the previous administrations, in its entirety, including the Murayama Statement [apologizing in 1995 for the damage and suffering caused by Japan to its Asian neighbors] and the Koizumi Statement [in 2005, stating that Japan must never again take the path to war]. I have made this position very clearly, on many occasions, and we still uphold this position. Also we have made it very clear that the Abe cabinet is not reviewing the Kono Statement [in 1993, in which the Government of Japan extended its sincere apologies and remorse to all those who suffered as comfort women].
On the question of comfort women, when my thought goes to these people, who have been victimized by human trafficking and gone through immeasurable pain and suffering beyond description, my heart aches. And on this point, my thought has not changed at all from previous prime ministers. Hitherto in history, many wars have been waged. In this context, women’s human rights were violated. My hope is that the 21st century will be the first century where there will be no violation of human rights, and to that end, Japan would like to do our outmost.
※こちらのブログでは、該当部分についての和訳を掲載しています。
けれども、安倍総理は、このインタビューで、慰安婦は人身売買である、とすることで、強制連行ではないという含みを持たせましたから、見方によれば、これまでより半歩くらいはマシになったといえるかもしれません。
なぜなら、売買である以上、売り買いした主体は誰なのかという議論が次に起こるからです。"強制"は、軍や警察などの強制力を行使する存在でなければ、その主体にはなり得ませんけれども、売買であれば、民間の業者でもその主体になることができます。
つまり、責任の所在が国だけではなくなるのですね。当時の慰安婦も実際は業者が集め、給与も支払われていたことが明らかになっていますけれども、これが公式見解となると、これまで韓国が慰安婦について主張していた「日本が悪い論」が崩れることになります。
流石に、韓国はこのことに感づいたのか、安倍総理の発言には人身売買の主体に言及していない、責任逃れだ、と批判しています。そうとう焦っていますね。
さて、問題は、この発言をアメリカが許容するのかどうかなのですけれども、実は、この慰安婦=人身売買というロジックは既にアメリカから出ているんですね。
3月3日、アメリカ国務省は、例のシャーマン発言に韓国が反発していることを受け、慰安婦問題に絞った補足の見解を表明し、慰安婦を「性的な目的の女性の売買」とし、"人身売買"だとの見解を発表しています。
ですから、これと、今回の安倍総理の「慰安婦は人身売買である」発言を照らし合わせると、日米両政府間で慰安婦=人身売買というロジックで折り合いがついたと見ていいでしょうね。
まぁ、最終的には、今度の連邦議会での安倍総理演説を待たないといけないですけれども、とりあえず少しは前進したとみていいように思います。
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