昨日の続きの極極々簡単な感想エントリーです。

AIIB創設メンバー締切を間近に控え、各国が続々と参加申請しています。
3月28日、ロシアが参加を表明。29日には、中国財務省はオーストラリアとデンマークが参加を申請しました。これで、参加を表明した国は45ヶ国にまで膨れ上がりました。
これについて、菅官房長官は「AIIBは公正なガバナンスを確立することができるのか。債務の持続可能性を無視した貸し付けを行うことで、他の債権者にも損害を与えることにならないのかという懸念がある」と至極尤もな指摘をして、日本の参加には慎重な考えを述べています。
この辺り各国がどれくらいリスク計算をしているのか。気になるところではありますね。土壇場になって参加を表明したオーストラリアは「過去数か月の間に、AIIBの設計や運営、透明性について良い進展があった」と説明しているようです。
まぁ、どんな良い進展があったのか知りませんけれど、今のところ、AIIBの融資条件は相当甘くなるだろうというのが大勢の味方のようですね。口の悪い人などは世界規模の闇金だと言うくらいです。
ただ、闇金だろうがサラ金だろうが、インフラ開発資金を喉から手が出るほど欲しがっている国も多いことは事実ですし、報道では、途上国はAIIBの設立を歓迎しているようです。
まぁ、こちらのブログではAIIBには破綻国家ばかり参加しているなどと揶揄していますけれども、貸したはいいが、そのまま貸し倒れになるリスクもそれなりにあるということですね。
この辺りについてアメリカは気にしていて、30日に訪中したルー財務長官は李克強首相らと会談し、AIIBについて「高い融資基準を確保するため、既存の国際金融機関と協力して活動すべきだ」と既存の国際金融機関と連携するよう求めたようですけれども、中国側はアメリカの反対で頓挫している国際通貨基金(IMF)改革を進めるよう要求し、互いに牽制し合っています。
まぁ、中国は、財政相が、ADBなど既存の金融機関に向かって「西側諸国のルールが最善だとは限らない」というくらいですから、アメリカの要求を飲む気は更々ないでしょう。過半数前後を握る議決権を行使しまくって、好き放題融資する可能性は高い。
無論、その分だけ、貸し倒れになるリスクもあるのですけれども、貸し倒れたら、貸し倒れたで、融資相手国の担保を差し押さえるという口実で、軍を派遣することだって考えられるのですね。
現在、中国は、アフリカ諸国に対して資源外交を展開していますけれども、例えば、2007年にコンゴ共和国に対して、インフラ開発向けに中国輸出銀行が50億ドル融資し、2008年1月に38億ドルの鉱山投資プロジェクトを手中に収めています。これによって中国は向こう15年に渡り、最大1000万トンの銅と42万トンのコバルトを獲得する権利を得ています。
もしも、AIIBの融資条件が中国の"俺様ルール"になったとしたら、これと同じことを、今度はAIIBの皮を被ってやることだって出来るわけです。
まぁ、今回はイギリスが一枚食い込んできましたから、そうそう簡単に俺様ルールには出来ないのかもしれませんけれども、融資条件に、資源系の担保を要求するのかどうか。そういったことにも注意しておきたいと思います。
この記事へのコメント
opera
・中国のアジアインフラ投資銀行への大いなる疑問
http://melma.com/backnumber_45206_6186293/
(おまけ)
・日本アンゴラへ円借款で進出へ
http://melma.com/backnumber_45206_6185452/
日本も色々とやっているようです。