今日はこの話題ですけれども、極極々簡単に…

4月17日、安倍総理は、官邸で沖縄県の翁長知事と初めて会談しました。
その席で安倍総理は「普天間基地の一日も早い危険性の除去は、われわれも沖縄も思いは同じであろうと考えている。一歩でも二歩でも進めていかなければならないというなかでは、辺野古への移転が唯一の解決策だ。これからも丁寧な説明をさせていただきながら、理解を得るべく努力を進めていきたい。…嘉手納基地以南の返還もスタートしており、こうしたアメリカ軍施設の沖縄への返還を順調に進めながら、沖縄の発展に生かしていきたい。沖縄の未来をつくっていくうえでも、国としても一緒に歩みを進めていきたい」と述べ、沖縄県側の理解を求めました。
これに対し、翁長知事は「政府は、普天間基地の県外移設という公約をかなぐり捨てた仲井真前知事が、埋め立てを承認したことを錦の御旗として辺野古移設を進めているが、去年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙で、辺野古への新基地反対に圧倒的な民意が示された。…沖縄はみずから基地を提供したということは一度もない。みずから土地を奪っておきながら、政府は、『老朽化したから。世界一危険だから。沖縄が負担しろ。いやなら代替案を出せ』と言う。こんな理不尽なことはない」と述べ、沖縄県が反対していることをアメリカ側に伝えるよう求めました。
まぁ、はっきりいって平行線だったということなのですけれども、会談後、安倍総理は谷垣幹事長とも会談し、「これからいろいろなことを行っていくときに、沖縄側と連絡をしなければならないことは起きてくる」と、今後も沖縄県側と対話を続けていく考えを示したようです。
これについて谷垣幹事長は、会談後、記者団に対し、「会談自体は、一歩前進と言っていいのかもしれないが、中身は菅官房長官が会談したときと変化がない。政府は政府としていろいろ考えると思うが、党としては沖縄県連と連携しながらやらなければいけない」と述べているのですけれども、谷垣幹事長は、元々安倍総理と翁長知事との会談にあまり積極的ではありませんでした。
先月24日、当時、翁長知事と官邸との間での会談が実現していないことに関し、「まだ翁長さんは本気で政府に会おうと思っていないと思う。全く自分の主張だけをぶつけるというなら、会う意味がない」と釘を刺しているんですね。まぁ、当然のことだと思います。国と地方との違いはありますけれども、行政の長同士が会談するからには、その行き先は兎も角として、何らかの進展がないと会談する意味は薄い。文句をいうだけなら、首長で無くとも、活動家でも出来ますからね。最後には結論を出して実行できないと、行政の責務を果たしたことにはなりません。
安倍総理は翁長知事との会談で、普天間の辺野古移設について「一歩でも二歩でも進めていかなければならない。唯一の解決策だ」と述べたのに対して、翁長知事は「『嫌なら代替案を出せ』という。こんな理不尽なことはない」と反発していますけれども、"行政の長の責務"という観点からみれば、どちらが責務を自覚し、遂行しよとしているか明らかですね。
「自分の主張だけをぶつけるというなら、会う意味がない」とした谷垣幹事長のコメントが、谷垣氏の個人的な意見なのか、党幹事長としての意見なのかは分かりませんけれども、もし、個人的見解ではなく、党幹事長としてのコメントだとすると、党内に、翁長知事に対して、そうした意見が少なからずある、ということを意味します。
仮にそうだとするならば、安倍総理がわざわざ谷垣幹事長に会って、沖縄県側と対話を続けていく考えを伝えたことは、対話路線でいくから、それで党内を纏めてくれ、とお願いしたと解釈することも可能です。筆者には、随分と沖縄に気を使っているように見えますね。
そもそもでいえば、国防という国政に関わる案件で、地方の首長が口を挟むことは、その時点で越権行為の疑いがあります。にも関わらず、対話方針を打ち出し、且つ、党内もそれで抑えるよう動いたとすると、安倍総理は出来る限り、沖縄の民意を汲み取ろうとしていることになります。もしかしたら、相当我慢しているのかもしれませんね。
もしこれが、どこかの「五星紅旗」をはためかせる国の主席だったとしたら、南シナ海のスプラトリー諸島の埋め立て宜しく、問答無用で辺野古移設を進めていることは間違いないですね。民意もへったくれもなく、そうしている筈です。
ですから、安倍総理が翁長知事と会談し、対話路線の方針を取っていること自身、総理が民主主義を尊重していることの現れであると思いますし、行政の長という立場での会談で、対案の提示を求めることは、理不尽でも何でもない当然のことだと思いますね。
反対のための反対なら、ただの活動家で十分間に合います。翁長知事は知事職にある以上、"活動家"では許されないことをもっと自覚するべきだと思います。
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