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4月1日、民主党の岡田代表は、日本がAIIBの参加を見送ったことについて「先進7カ国の結束が乱れたのは大きな失態だ。あれだけ首脳外交をしていてなぜ統一歩調を取ろうとしなかったのか」と、政府の対応を批判しました。
けれども、先進7ヶ国の内、アメリカもAIIBに参加しないといっていますから、日本だけがG7の結束を乱した責を問われるのは筋が違う。そもそも欧州各国がAIIBに参加を表明したのも、元はといえばイギリスが最初に手を挙げたからです。
実際、フィナンシャルタイムズは、イギリスのAIIB参加について「英国の決断に対して米国は、英国が商業的利益を追い求めるあまり中国にこびへつらっていると、いつになく厳しい反応を示した」と批判していますし、当初アメリカは、AIIBに参加しないよう各国に働きかけていました。
つまり、統一歩調を取ろうと動いていたのはむしろアメリカの方で、イギリスがそれを破ったということです。ですから、G7の結束を乱したのはイギリスだというべきですね。
ただ、こうしたG7の結束の乱れは、中国の工作の結果だという見方が広がっています。今回のAIIBの初代総裁には元アジア開発銀行副総裁で、元中国財務次官である金立群氏が就任すると言われています。
参加交渉に携わった北京の外交官らは「ミスター金がいなければ、AIIBはここまでこられなかった」と口を揃えて述べています。何でも金立群氏は「バーバリアンハンドラー」とも呼ばれているそうですから、相当な工作上手と見ていいかもしれません。
この金立群氏は3月22日に北京で開催された「中国発展ハイレベルフォーラム 2015」でAIIBについて発言しています。次にその概要を引用します。
アジアインフラ投資銀行は、明白な時代の特徴を帯びたマルチ開発金融機関である。中国がアジアインフラ投資銀行設立を提起した目的は、アジア地域インフラの資金調達需要という巨大な客観的需要をできるだけ満足させるためであり、中国がより多くの責任を負担することを通じて、アジア地域の協力と多くのウインを促進するものである。と、金立群氏は国際基準の貸出を守り、政治的な貸出はしないと述べています。
アジア開発銀行の試算によれば、現在から2020年までの期間に、アジア地域における毎年のインフラ投資需要が7300億ドルに達し、この資金需要を満足する方法はない。
少し前、イギリスがアジアインフラ投資銀行への申請を宣言し、アジアインフラ投資銀行創設意向メンバー国で最初の西側の大国となった。その後、ドイツ・フランス・イタリア・ルクセンブルグ・スイス等の国家も申請を提出し、現在関係手続を履行している。今月末が創設国になることを申請する期限であるが、最終的にアジアインフラ投資銀行創設意向メンバー国は35ヵ国を超える。西側が関心を払っているアジアインフラ投資銀行の今後の運営基準と保障政策等の問題について、アジアインフラ投資銀行の核心理念は、「精鋭・廉潔・グリーン」である。
アジアインフラ投資銀行は高度に簡素化された機関であり、専従者は世界から招聘され、機関が大量の職員で混みあう状態を断固として途絶する。腐敗に対しては絶対容認しない。グリーン経済・低炭素経済の発展を促進し、人類・自然の調和のとれた共存を実現する。
アジアインフラ投資銀行は、インフラ投資に従事する中で、生態環境の保護・改善を十分重視し、立ち退き住民の利益を重視する。アジアインフラ投資銀行は、全てのメンバー国が協力し共に創り上げる新しいタイプのマルチ金融機関であり、各メンバー国の利益を広範に代表し、現行のマルチ発展機関の良好な方法・経験を十分参考とし、かつこの基礎の上である程度刷新を行う。
将来のアジアインフラ投資銀行の貸出は、アジアの発展途上国に向けられ、その投資先はかなり広範であり、インフラ・その他生産関連投資に向けられる。エネルギー・電力さらに道路・鉄道・港湾等にまで及ぶ。商業主義の原則に基づいて運営される機関として、厳格な国際基準による管理を実行し、政治的な貸出あるいは優遇貸出等は行わない。
国際機関として、我々はアジア地域の各発展途上国の発展・利益を重視する。我々は北米・欧州その他地域の金融機関・投資家が一緒に協力し、アジア地域の発展という豊かな収穫を共に享受することを歓迎する。海は多くの川を集めて容量はなお大きい。アジアインフラ投資銀行は、永遠に公開・透明・包容的な国際機関である。
この中国発展ハイレベルフォーラムには、アジア開発銀行の中尾武彦総裁も出席していて、中国の楼継偉財政相と一緒の講演で「アジア開発銀行は、中国がどうしてアジアインフラ投資銀行を発起・設立しようとしているか完全に理解している。アジア地域は大量のインフラ投資を非常に必要としているからだ。アジアインフラ投資銀行設立後、最も良いパフォーマンスが遵守され、保護措置の採用により環境への影響を減少することが確保されさえすれば、アジア地域のインフラ投資需要を好く満足させることができる。将来両銀行は、協力を通じてアジアの発展のためにより多く貢献できる。同時に、アジア開発銀行も改革を推進し、融資能力を更に高めることを希望する」と、国際基準を守るよう述べています。
これに対して、楼継偉財政相は「アジアインフラ投資銀行は現行のマルチ機関の好い経験・方法を参考とするが、官僚主義と特別煩瑣な方法をある。既存の制度すべてが最善とは限らない。アジアインフラ投資銀行は発展途上国主導のマルチ開発機関であり、将来発展途上国の訴え・求めをより多く考慮することになる」と反論しています。
これらを見る限り、AIIBの融資に対する考えが必ずしも一致しているとは限らないフシがあり、現時点ではなんとも言えませんね。
先日、北朝鮮がAIIBに参加を表明して断られたと報じられていますけれども、北朝鮮は今年2月に特使を派遣して金立群氏に参加を打診したところ、北朝鮮の金融・経済体制が国際機構に参加できる水準に達していないという理由で拒否されたようです。
まぁ、この拒否については、北朝鮮がタカってくるだけだろうというのは元より、西側諸国に対して、AIIBが「精鋭・廉潔・グリーン」であるとアピールするための出汁に使われた気がしないでもありません。
バーバリアンハンドラーと呼ばれる金立群氏の発言と行動には注目していいかもしれませんね。
この記事へのコメント
白なまず
【維基百科 金立群 googile翻訳】 http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=zh-CN&u=http://zh.wikipedia.org/wiki/%25E9%2587%2591%25E7%25AB%258B%25E7%25BE%25A4&prev=search
【維基百科 鎮海区(寧波) googile翻訳】http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=zh-CN&u=http://zh.wikipedia.org/wiki/%25E9%2587%2591%25E7%25AB%258B%25E7%25BE%25A4&prev=search
【wiki 春秋時代】http://ja.wikipedia.org/wiki/春秋時代
ちび・むぎ・みみ・はな
正確にいえば, あれほどの人間が競争をしているから
非常に優秀な人間が出てくるのだが
国の力というのは平均的国民のレベルで決まるのだから
優秀な人間は自ずと国の身の丈に合わないことを
言わざるを得ないということだ.
数人のスーパーマンで世の中が回ると
考えるのはおかしいのだが, 実際に動いてしまうから恐い.
勿論, 正しくは動かない.