ネルソン・レポートが指摘する韓国のダブルスタンダード
今日も極々極簡単に…
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慰安婦問題で、大分流れが変わってきましたね。
先日、「ベトナムの韓国軍慰安婦」のエントリーで、TBSワシントン支局長の山口敬之氏が2013年9月から、米国立公文書記録管理局のベトナム戦争に関する資料を調査した結果、ベトナム戦争当時、サイゴンに韓国軍の慰安所が存在したことを取りあげましたけれども、アメリカ政府当局者やアジア専門家たちの間で話題になっているようです。
3月26日の国務省記者会見で、記者から「米国立公文書館の文書がベトナム駐留の韓国軍が売春宿を運営していたことを証したという日本からの報道を知っているか」という質問が出たことを皮切りに、「この事例は人身売買だが、調査する意図はないか」とか「この問題で韓国政府と協議するか」などという関連質問も出たそうです。
これに対して、ラトケ報道官は「知っている」と答えたのですけれども、どうやら、この件は、ネルソン・レポートで取り上げられたことで、広まったようですね。
ネルソン・レポートについては、昨年「靖国参拝とネルソン・レポート」のエントリーで取り上げたことがありますけれども、これは、ワシントンの政策コミュニティが関心を持つアジアに関する政治、経済・貿易、外交問題について、毎晩配信される会員制のレポートで、その筋の人はみんな目を通しているといわれるくらい、有名なものです。
そのネルソン・レポートが3月26日に、TBSワシントン支局長の山口敬之氏の「韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」という日本の記事をほぼ全文掲載した上で、この報道が事実ならば「韓国側の偽善や二重基準が証される。…この報道で日韓の歴史戦争はより醜くなる」と評したようです。
ただ、"この報道が事実ならば"とエクスキューズを付け、"この報道で日韓の歴史戦争はより醜くなる"
だなんて、随分と他人事のような口振りに見えなくもありません。自国の国立公文書記録に書かれているのですから、ちょっと調べれば裏なんて直ぐに取れる話ですね。果たして、ネルソン・レポートがこの問題について更に踏み込むのか、それとも、スルーして終わらせるのか。そしてアメリカのメディアがどう扱うのか。これからの動きに注目ですね。
また、ベトナム戦争については、ここにきて、ベトナムが韓国を非難する動きが報じられています。
4月5日、ベトナム戦争時の韓国軍駐留地域で発生した民間人虐殺事件の生存者であるウンウイェン・タン・ラン氏とウンウイェン・ティ・タン氏の2人が訪韓し、旧日本軍の慰安婦と面会したそうです。
彼等は、それぞれ1966年のタイヴィン虐殺と1968年のフォンニャット虐殺の生き残りなのですけれども、この虐殺は当時の韓国軍によって行われたことが明らかになっています。それは、若い娘ををレイプしてから殺すといった残忍極まりないもので、妊婦や子供は井戸に落とし、助けを求める声を無視して手榴弾を投げ込んだこともあったといいます。酷いものです。
この報道について、韓国のネットユーザーは、「ベトナムと国交正常化する時に政府レベルですでに謝罪した」という意見がある一方、「本当にあったことだから、認めて国家レベルで謝罪し賠償しなければならない。日本みたいに時間をかけてはならない」と謝罪すべきだとの意見もあり真っ二つのようです。
まぁ、日本人からしてみたら、民間人を虐殺する悪逆非道と、給与を支払い好待遇だった、旧日本軍慰安婦とどう転んだら、一緒くたになるのか分かりませんけれども、まぁ、酷いことをしたという自覚はあるようです。
ただ、彼の国にはそれさえも認めない人もいます。当時のベトナム戦争に従事した人達です。もちろん全員がそうだとはいいませんけれども、「大韓民国ベトナム戦参戦者会」や「大韓民国枯れ葉剤戦友会」などのベトナム戦参戦軍人団体が猛烈に反発しました。
今回来韓した、ウンウイェン・タン・ラン氏とウンウイェン・ティ・タン氏は、4月7日から5月7日まで、韓国仏教歴史文化記念館で開催されるベトナム戦を扱ったイ・ジェガプ写真展のレセプションに招待されていたですけれども、このベトナム戦参戦軍人団体がレセプションを開くなと圧力を掛けました。
4月2日、ベトナム戦参戦者会は主催者に行事手続きの取り消しを求める公文書を送ったのですけれども、ベトナム戦参戦者会事務総長のシン・ホチョル氏は「捏造された行事なので開催してはならない。座視しない」と主張し、会員達に「左傾化した反国家的な一部勢力が民間人虐殺被害者の証言という、根拠も証拠もない演劇を行おうとしている。命を縮める覚悟で彼らの陰謀を粉砕する」と告知したそうです。何やら北朝鮮の口上にそっくりです。
この抗議によって、レセプションは翌日に延期され、レセプションそのものもソウル市内にあるレストランでの晩餐となりました。
それでも、彼等は納得せず、同時刻に「枯葉剤戦友会」の会員1000名が、会場近くで集会を開き「祖国のベトナム参戦枯葉剤患者の苦痛に背を向けたまま、南ベトナム解放民族戦線を民間人犠牲者によって人目をくらまし、参戦者の犠牲と名誉を失墜させた。…虐殺を目撃したという男性は15歳という歳で父・兄らと共に参戦した敵軍だ。…これを良民として虐殺被害者遺族であるかのように入国させた真実を明らかにしなければならない」と写真展中断を要求しました。
まぁ、彼等にとっては、自らの名誉が汚されるのでしょうから、嫌がって反発するのでしょうけれども、虐殺で家族や友人を失った、ウンウイェン・タン・ラン氏とウンウイェン・ティ・タン氏の苦しみ・悲しみはその非ではないでしょう。
その当人が、晩餐会で「今日、ベトナム人として、韓国人に会いに来た。韓国人がベトナムにいた時、どんなことがあったのか正直な気持ちを打ち明けたい。…私はこの場に平和のためにやってきた。過去の制度の中で起きた過ちを直視し、認めるのなら、参戦軍人らを十分に理解し、許すことができる。…民間人の虐殺被害者遺族を慰労する責任は韓国政府にある。単純に物質的なサポートではなく、精神的苦痛を解決するためのサポートをしてほしい」と述べています。
彼等は「過去の過ちを直視し認めるのなら許す」とまで言っているのですね。これをどう受け止めるのか。韓国はともすれば、日本を非難し、何度謝罪しても許さないと公言します。確か「加害者は100回謝罪しても当然ではないか」と言い放った政府高官もいたように思いますけれども、このウンウイェン・タン・ラン氏とウンウイェン・ティ・タン氏の御二方とはあまりにも精神的態度が違うと言わざるを得ません。
ネルソンレポートが指摘した「韓国側の偽善や二重基準」が世界中に晒される日は、結構近いのではないかと思います。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
立派でない人間も立派な仕事をすると
言うことなのか, それとも, (あの偉そうな)記者が
実はそれなりに立派な人間であったのか.