いつまでも発車しないAIIBバス
今日もハードな一日でした。さらりさらりと簡単に…。
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マスコミが連日乗り遅れるな、と煽りまくっている"AIIBバス"ですけれども、一向に発車しないですね。
4月8日、中国全国人民代表大会(全人代)の代表団が来日して民主の岡田代表と会談。AIIBについて「周辺国からいい反応が得られた。このような発展の好機を逃すことはないと思う」と参加をお願いしにきてます。
代表団は自民党の谷垣幹事長や公明党の山口代表と会談するほか、衆参両院議長を表敬するそうですけれども、なんとも分かり易い来日です。
その前日の4月7日、岸田外務大臣は、「もし(AIIBに)参加を表明するということになれば、我が国として推計で1000億円単位の出資が求められることになる」と述べ、AIIB参加は慎重な姿勢を強調しています。
政府は先月、AIIB発足時の参加各国の出資総額を100億ドル=1兆2000億円として、日本の出資金を算出すると1000億円から2000億円に上ると試算。更に、この財源には税金が使われる可能性が高く、参加表明後に離脱すると対中関係の悪化も懸念されるとした内容を安倍総理に提出しています。
政府は、この報告に基づき、AIIBへの参加表明を見送っているのですけれども、1000億円から2000億円といえば、参加各国の出資総額1兆2000億円のうち、1~2割にも迫る額です。確かADBへの出資額比は、15%程度だったと思いますけれども、比率でみれば、ほぼ同等の額を出すわけです。それでいて、ADBなみの発言力を得られるかというと全然そうじゃない。
政府は、AIIBについて、運営が不透明な現状では「相応の負担といえない」としていますけれども、当然ですね。少なくとも、現時点では、日本がAIIBに参加することで、どんなメリットがあるのか、良く分からない状態ですね。
AIIBの設立協定交渉には、50以上の国や地域が参加するとされ、世界から孤立するだのなんだのマスコミが煽っていますけれども、実際は、当の中国が人を寄越して参加してくださいと頭を下げているんですね。AIIBから"孤立"すると随分と人気者になるようです。
まぁ、冗談はさておいて、先日の産経とFNNが、AIIBに日本が参加すべきかについて合同世論調査をしているのですけれども、反対が反対が53.5%と賛成の20.1%を大きく上回っています。全然、マスコミに踊らされていない。興味深い結果ですね。
日本は既に実績のあるADBで主導権を握る立場にあります。であるならば、訳のわからないAIIBに振り回されるよりは、「これまでADBはアジアのインフラ開発に消極的であったかもしれない。AIIBが求められる需要がある以上、我々もインフラ開発に力をいれていきたい」とかナントカ言って、ADBを改革するほうが早い気がします。
つまり、AIIBを"ダシ"して、ADB自身を変えてしまう。その方が余程日本の国益に叶うのではないかということです。
日本郵便だって、クロネコヤマトが登場してシェアを伸ばしてきたら、対抗して"ゆうパック"を出したりしたのですから、開発銀行同士で、競争したっていいと思いますね。
この記事へのコメント
白なまず
opera
①3月31日まで申し出ないとメンバーになれないというのを誰が決めたのか。
本来、いかなる国際機関を設立する場合であっても、こうした問題は設立に参加した国々の協議によって決められる。
②本部はどこか、総裁は誰か、出資比率(国際的な金融機関では決定的に重要)はどうするのか。その協議・決定方式が全く見えない(外務省等の官僚からしつこく質問されてもほとんど答えられないらしく、質問に逆切れしたような発言もありましたねw)。
仮に、決定したのは中国共産党、本部は北京、総裁は金立群というのであれば、AIIBは国際金融機関でも何でもなく、中共の設立する対外ファンドまたは銀行もどきでしかないことになり、こんなものに日本が参加する意味は全くありません。まぁ、先日、アメリカの財務長官が皮肉ったように、国際的に通用するガバナンスを確立できるかどうか、お手並み拝見で充分でしょう。
ところで、以下のブログで、イギリスは「AIIBに参加する」とは言っていない。「参加する方向でいる(plans to join)」と言っただけという指摘がありました。AIIBは、実際はまだ「参加条件や参加締結するための文書を作る前の架空の組織」に過ぎず、この程度のことしか公式には言えるはずがないということのようです。となると、「バスに乗り遅れるな!」と盛んに言われますが、現実には乗るべきバスはまだ無いということになります。ならば、必死に煽っているマスゴミや野党は、中共に金を貰ったのでなければ、只の愚か者と言えそうですね。
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