自制しない中国こそが戦乱を巻き起こす

 
昨日火山噴火をエントリーしたら、今日は地震です。地球内部で大変なことが起こっているかもしれませんね。今日は中国の人工島関連のエントリーを極簡単に…。

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5月28日、ウォールストリート・ジャーナルは、アメリカ政府当局者の話として、中国が南シナ海で造成している人工島の一つで、移動式の火砲2台が確認されたと報じました。

これは、アメリカ軍の偵察機により1ヶ月に確認されたのですけれども、直近の偵察では見当たらず、移動されたか、意図的に隠されたとしています。

なぜ1ヶ月も前に分かっていたことをこのタイミングで報道するかというと、中国が自身を正当化することに対する牽制とみていいでしょうね。

5月26日、中国は人工島に灯台を建設すると述べ、軍事利用しないと言っていたのですけれども、「それは嘘だ」ということで出してきたというわけです。26日の中国の発表に対して28日のWSJでの報道ですから、ほぼ即時の反論ですね。この分だと、これ以外にもアメリカはいろいろとネタを掴んでいて、中国が正当化する度に速攻でそうしたネタを公開・反論し、彼等の欺瞞を指摘していくかもしれませんね。

中国の人工島埋め立てについては、アメリカおよびASEAN、日本ははっきりと反対の立場を表明していますけれども、特にアメリカの動きが目立ちます。

5月27日、カーター国防長官はハワイで開かれた太平洋軍司令官の交代式での演説で、中国の人工島埋め立てについて「全ての当事者による埋め立ての即時、永続的な停止を望む」とし、また、中国が米軍による警戒・監視活動の強化に抗議していることについて「米国は国際法が許すところならどこでも飛行や航行、作戦行動をする」と監視を続ける考えを表明しました。

また、カーター長官は、フィリピンのガズミン国防相と会談し、紛争の平和的解決を求め、埋め立てや、係争地のさらなる軍事化をやめるべきだとの認識で一致。アメリカによるフィリピン防衛の義務を履行する決意は揺るぎないものだと述べ、30日には、日本の中谷防衛大臣と会談し、中国が強行する埋め立てに反対する方針で一致、連携して対応することを確認しています。

そして、極め付けは何といっても、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議での講演で「中国による南シナ海の岩礁埋め立ては国際的なルールと規範を逸している。…埋め立ての即時停止を求める。…岩礁を飛行場に変えたからといってその国が領有権を持つわけではない。…米国は国際法が認める範囲で飛行・航行を続ける」と名指しで批判したことですね。

外交会議で特定の国を名指しで批判するのは、相当強い批判になります。名指しせずに匂わす程度で留めておけば、後で「貴国のことを指したわけではない」と言い訳できますけれども、それが出来なくなるということですから、その意味は、反発あるいは敵対も覚悟の発言といえますね。

案の定、中国はこのカーター長官の発言に猛反発しています。

この会議に参加した中国代表団のトップである孫建国副総参謀長は、「ひとこと言っておく。全て正当だ」と自らの行為の正当性を主張し、南シナ海での埋め立て工事に問題はないと反論。

同じく、会議に出席した中国軍事科学院の趙小卓・人民解放軍上級大佐は「批判は事実無根で、建設的ではない。…航行の自由が影響を受けたことはなく、南シナ海では全く問題になっていない。…中国が強く自制してきたことから、地域は過去数十年にわたり平和で安定していた。…中国の活動は正当かつ妥当で、理にかなっている」とし、アメリカ軍の監視活動などを「軍事的威嚇」と噛みついています。

けれども、「中国が自制したから南シナ海が平和で安定した」というのなら、その逆、つまり「自制しなかったら、戦乱と不安定な地域になる」ということになります。

先日、フィリピンのアキノ大統領が「中国は小国いじめをすべきではない」と述べたことに対して、中国は、「中国は小国いじめはしない。だが、小国側も理由なく騒ぎ立てるべきではないと思う」と述べていますから、周辺国を"小国"だと見做しているのは、ほぼ間違いないと思われます。

まぁ、日本も"小日本"と揶揄するくらいですから、こうした思考も彼等にとっては極普通なのかもしれません。

ともあれ、今後、南シナ海での米中対立が先鋭化してくるかと思いますけれども、アメリカは国内世論も含め着々と準備を始めています。もちろん戦争なぞ起こらないで済むのならそれに越したことはありませんけれども、火の粉が降りかかるのに振り払うこともできないのであれば、服に燃え移って丸焦げになります。

自称"平和団体”とやらが「9条を守れ」と叫んだところで、周辺事態は悪化するばかりで何の歯止めにもなっていません。彼らは中国にこそ「戦争放棄」を訴えるべきですね。戦争の危険を招いているのは明らかにあっち側であるからです。

そもそも、中国が埋め立てた人工島に火砲が設置されているのなら、周辺を通る船は撃沈されるリスクを負うことになります。それに対する備えは当然必要ですね。

それを考えると、安保法制の成立にそれほどの時間的余裕はないと見るべきだと思いますね。

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    記事を読もうとしたら右側に「ピースボート見学会」の宣伝が....
    彼らテロリストに何処から金が出ているのかね.

    支那の軍事攻勢. 米国の切札はやはり米債券の無効化だろうか.
    そうすると, 米国としては軍事同盟を結んでいる国に
    支那がちょっかい出してくれるのを待つのだろう.
    相手が仕掛けるのを待って十倍返しは米国の伝統だが,
    核を持った相手だから, 同盟国攻撃への報復処置として
    米債券の段階的無効化と支那保有米ドルの公表などを通じて
    内部混乱を誘うのだろうか. 金から責めるのが一番効果的な国だし.
    米国には支那を作り直したいという欲があっても不思議はない.

    もっとも頼りになる同盟国は日本であるから,
    これからは関係強化を更に進めていくことになろう.
    逆に一番危ないコマは南朝鮮.
    既に東アジアの同盟国は日本と豪衆だと宣言した裏には
    南朝鮮が支那側で動くストーリーも含めているのだろう.
    日本としても南朝鮮に頼る場面は絶対に排除すべきだろう.
    支那の手先として日本の一部を占領することも考え得る国だ.
    2015年05月31日 12:41

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