明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録と邪魔する韓国
今日は、諸般の事情により、極々超簡単に…
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何やら世界遺産登録を巡って、また韓国が騒いでいますね。
このほど、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関「イコモス」が、「明治日本の産業革命遺産」を、世界遺産に登録するよう勧告を行いました。
世界遺産とは、歴史的に価値のある「遺跡」や「建造物」、「自然」などを国際的に守り、次世代に伝えていくことを目的として、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づいて世界遺産リストに登録された物件のことです。
対象となるのは、移動が不可能な不動産やそれに準ずるもので、顕著な普遍的価値をもつ建築物や遺跡といった「文化遺産」、顕著な普遍的価値をもつ地形や生物多様性、景観美などを備える地域などの「自然遺産」、そして、文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えた「複合遺産」の大きく3つに分けられます。
要は"残すべき価値がある"と見做された形あるもの、ということなのですけれども、この文化遺産リストには、2014年7月現在、1007件が登録されていて、日本からは14の文化遺産と4つの自然遺産が登録されています。
人類の文化遺産の重要性を認識し、保存・継承していくという動きは、19世紀から世界の多くの国で続けられてきたのですけれども、遺産の保存するための国際組織が構想されるようになったのは、比較的歴史が浅く、第2次世界大戦後になってからでした。
イコモスとは、国際記念物遺跡会議(ICOMOS/International Council on Monuments and Sites)のことで、文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)で、1965年に設立されました。
そして、1972年、ユネスコ総会での世界遺産条約採択後、イコモスはユネスコの諮問機関として、世界遺産登録の審査、モニタリングの活動を行い、文化遺産保護の原理、方法論、科学技術の応用の研究などを続けています。
今回、イコモスが登録勧告を行った「明治日本の産業革命遺産」とは、製鉄や造船、石炭産業といった重工業分野の産業革命の歴史を今に伝えるもので、九州と山口県を中心に、8県11市の23の資産から構成されています。
世界遺産登録において、その推薦方式の一つに「一つ一つでは顕著な普遍的価値の要件を満たさない遺産を、同じ歴史ー文化群のまとまりとして関連づけ、全体で顕著な普遍的価値を有するもの」として推薦する「シリアル・ノミネーション」という方式があるのですけれども、今回の「明治日本の産業革命遺産」は、このシリアル・ノミネーションによる世界遺産登録を目指しています。
これらの中には、「軍艦島」として知られる長崎県の端島炭坑や、福岡県の三池炭鉱のほか、現在も稼働している長崎県の三菱長崎造船所の電動クレーン、福岡県の八幡製鉄所などに加え、「近代化の思想的な原点となった遺産」として、山口県の松下村塾が含まれています。
世界遺産に登録されるためには、顕著な普遍的価値の証明と適切な保存管理がなされていることが必要で、数多くの手続きを必要とします。
「明治日本の産業革命遺産」は、平成21年にユネスコの世界遺産暫定一覧表に追加記載されたことを受け、世界遺産登録に向けての活動を本格化させ、平成26年9月から10月にかけて、イコモスによる現地調査が行われました。
今回の勧告はこの現地調査の結果を踏まえた上でのもので、イコモスは、資産の名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更したうえで、世界遺産へ「記載」するよう勧告しています。
イコノスの記載勧告を受けた遺産は、「ユネスコ世界遺産委員会」による審議を得て、世界遺産登録が決定されますから、今回の「明治日本の産業革命遺産」は最終段階に入ったといえます。要するに、6年以上の月日を費やし、段階を踏んで進めてきた登録運動が、最後の大詰めを迎えたということですね。
こちらに世界遺産の登録評価基準に該当するとした理由が記載されていますけれども、名称通り「明治日本の産業革命遺産」という切り口での登録となっています。一応、イコモスはこの名称を「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更するよう勧告したのですけれども、"明治日本の産業革命遺産"という大枠はそのまま認めていますから、申請の内容には大きな瑕疵はない、とみていいかと思います。
これに対して韓国は、端島炭鉱や長崎造船所など7施設で、韓国・朝鮮人が強制労働をさせられたとし、世界遺産に相応しくないと主張して、猛烈は登録阻止へのロビー活動を開始しました。
既に、韓国は、世界遺産委員会の21の委員国のうち、日本などを除く17カ国の国会関係者に書簡を送ったと発表していますけれども、おそらく書簡だけで済まないでしょうね。あの手この手で承認しないよう働き掛けてくるものと思われます。
けれども、そもそも「明治日本の産業革命遺産」として、イコノスのお墨付きを得たものを「昭和の出来事」でもって相応しくないとするロビー活動には、かなり無理があります。
菅官房長官が「政治的主張を持ち込むべきではない。…十分説明し、理解を求めていきたい」と述べ、岸田外相が「対象は1850年代から1910年だ。徴用工問題は年代が異なる。…専門的見地から審議されることを期待したい」とコメントしたのは当然だと言えますね。
まぁ、彼の国は、一旦、旭日旗を目の敵にしたら最後、旭日旗に似た"模様"があれば、公園だろうが、ステンドグラスだろうが、攻撃し撤去しろというところですから、世界遺産とて、かすりさえしていれば、時代とか理由とか全く関係ないのでしょう。
この分では、おそらく、イギリスの麦畑に"旭日模様のミステリーサークル"が出現しても、「全部刈り取ってしまえ」というに違いありません。ちょっと異常ですね。
ともあれ、これら背景を踏まえると、韓国の猛烈なロビー活動を受けているであろう世界遺産委員会がどんな判断を下すのか逆に興味がありますね。
純粋に学術的見地から判断するのか、それとも韓国のロビー工作に負けるのか。まぁ、最終結果がどうなるかは分かりませんけれども、万が一、韓国の工作に屈することがあったとしたら、それは、ユネスコが自ら「世界遺産の価値を貶めた」と、世界に宣言することになるのではないかと思いますね。
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