今日もMERS関連のエントリーです。

6月20日、韓国MERSの新たな感染者が19日には確認されなかったことが明らかになりました。
韓国保健福祉部の中央MERS管理対策本部によると、新規感染者は6月6日に22人が確認されたのをピークに徐々に減少し、17日は3人、18日は1人となっていました。
その最大の原因は、これまで最も多くの患者が出ていたサムスンソウル病院で感染者が減ったことにあります。
6月19日時点での病院別感染者数は、サムスンソウル病院が82人、平沢聖母病院が36人、大田大清病院が13人、大田コンヤン病院が11人、京畿道華城市の翰林大学東灘誠心病院が6人などで、サムスンソウル病院の患者は実に全体の半分を占めています。
けれども、それ以上に問題だと思われるのが、その感染者の殆ど全てが院内感染だったということなのですね。
同じく19日に。中央MERS管理対策本部は、「疫学調査がまだ終わっていないため、一部の患者は後で分類が変わる可能性もある」との注釈付ながら、全MERS感染者のうち、中東で感染して入国した最初の患者と、感染経路が把握されていない平沢の警察官を除いて、すべて患者を「院内感染者」に分類したと発表しています。
今回、新たな感染者が出なかったことで、一部にはMERS収束の兆しとの期待の声があり、対策本部自身も「現在の患者発生推移から見れば、MERSの流行は沈静傾向に転じたと判断できる」と述べているようですけれども、これまでの患者の殆どが院内感染だったとすると、この時期に病院のスタッフを含めた感染者と接触した人は全て感染疑いとなる筈で、100人や200人のレベルで収まるとはちょっと考えられないですね。
実際、サムスンソウル病院では、5月27日から29日に入院した男性から感染が広がったとされているのですけれども、どうやら、この男性が当時、病院の中を歩き回っていたことが分かったそうです。また、サムスンソウル病院で院内感染した複数の人が、自身に感染危険があると知らずに別の病院でも治療を受けていることも明らかになっています。
保健福祉省は、5月下旬以降の計12日間にサムスンソウル病院を訪問した人に対し、当局への届け出や体調確認をするよう求め、その数は5万人に上るとしています。
当局は、これまで発症した感染者の近くにいて感染した可能性のある人の割り出しをしてきたのですけれども、その作業が追い付かず、遂にギブアップして、本人の「自主申告」に委ねることになったわけです。
けれども、「自主申告」では、当然、申告しない人が出てくることが想定されます。つまり漏れがでる可能性があるということですね。普通、病院には症状が出てからでないと中々行かないものですし、隔離対象となって自宅隔離を命じられても、勝手に外に出歩いてゴルフをしたりするような人もいるくらいですから、「自主申告」で100%感染疑いの人を拾い上げることができるかというと、相当難しいと思いますね。
要するに、韓国MERSは当局のコントロール下から離れてしまったということです。これは同時に、パンデミックにしないためには、韓国以外の国々がMERSの感染拡大を食い止めるしかなくなったということを意味します。
ただ、これを救いといっていいのか分からないですけれども、冒頭で述べたように、新規感染者が減っているということから、このまま収束する可能性もなくはありません。
一方その逆に、MERSが潜在的に韓国中に蔓延、あるいは土着する可能性もあると思うんですね。
中東などでのこれまでの症例から、MERSは、多くの患者で通常の肺炎が見られず、症状が少ないまま突然肺炎になりやすいとされています。
サウジアラビアのメニシュ保健副大臣は、多くのMERSが見逃されているとしていますけれども、要するに、MERSは、症状だけからでは、非常に捕まえにくいのですね。
実際、MERSの検査には、PCR或はLAMP法が使われています。胸に聴診器を当てて、「はい、MERSです」というわけにはいかないということです。
そんな性質のMERSに対して、当局は感染疑い者の追跡を諦めました。ですから、もう韓国MERSは、本人が申告してなおかつ、PCRやLAMP検査する以外キャッチされることはありません。
つまり、上述のケース以外に、韓国国内のどこにMERSコロナウイルスがいるのか、誰にも分からなくなったということです。
現在、MERSコロナウイルスは、遺伝子解析からヤマコウモリが起源とされているのですけれども、そこから人に感染する経路、中間宿主、感染方法は分かっていません。
となると、逆に、人に感染したMERSウイルスがまた、何かの動物に感染して、それらがMERSコロナウイルスのキャリアとして保持されてしまうかもしれない。
韓国にラクダはいなくても、コウモリくらいはいるでしょうから、コウモリがMERSウイルスのキャリアとして、韓国国内に定着しないとも限らないのですね。
もしそうなると、たとえ今回の韓国MERSが収束したとしても、いつ、また復活するかもしれない。その意味では、MERSが韓国の風土病として土着するかもしれないと少し懸念しています。
この記事へのコメント
暇工作
この認識が日本国内で広がれば、日本人の韓国人に対する偏見や嫌悪感が、MERSの拡散速度以上に広がって行くでしょう。
情報をある意思を持って操作しているマスコミは、結果的に自繩自縛の道まっしぐらです。
白なまず
まよねーず
>>韓国にラクダはいなくても、コウモリくらいはいるでしょうから
人口と同じくらい、二本足のコウモリがいるんだよね。確か。
おじさん
口蹄疫や豚コレラの汚染地域でもありますし何かどんよりと澱が溜まるような場所なんでしょうかね。
土着しないでほしいものですが何もかも混沌の淵に沈めちゃうようなお国柄ですからわけわからんうちに土着化するかもしれません。