中国バブルの走狗AIIB
今日はこの話題を極々々簡単に…
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6月25日、中国外務省の陸慷報道官は記者会見で、今月29日にAIIBの協定締結式と、創設メンバー国の財務相による会合を行うことを明らかにし、また、習近平国家主席が、式に出席する創設メンバー国の代表団長と会見すると発表しました。
AIIBについては、これまで何度もエントリーしてきましたけれども、設立資本金1000億ドルのうち、中国が29.8%を出資し、25%を超える議決権を確保。それにより中国だけで重要案件を否決できる事実上の拒否権を持つことになりました。
更には、本部を北京市内に置くほか、初代総裁は設立準備事務局長の金立群・元中国財政次官が有力視されるなど、国際金融機関とは名ばかりの中国色が極めて強い組織となっています。
よくもまぁ創設メンバー国はこんな内容で了解したものだとは思いますけれども、ここにきて、参加のメリットをあおっていた欧州勢も、ドイツが理事ポストを敬遠し、イギリスも出資額を渋って10番目とするなど、距離を置くような動きを見せています。
また、出資額では中国、インドに続いて、3番目となるロシアも、20日、プーチン大統領が「透明性が重要だ」と釘を刺しています。
一方、中国は中国で、この期に及んでなお、日米のAIIB参加を熱望したりしているのですね。6月23日、中国の楼継偉財政相は、米中戦略・経済対話の会合後、記者団に対し「われわれは二国がAIIBに参加するためのドアを開けている。現段階で二国はAIIBに参加する意欲あるいは意図を表明していない」とコメントしています。
もっとも、楼財政相によると、米中対話でAIIBは協議されなかったようで、アメリカからはシカトされたようです。
まぁ、日米両国は元々AIIBには参加しないと表明していましたけれども、その他AIIB参加を表明した国々もAIIBの概要が明らかになるにつれ、様子見というか、深入りすることを警戒するような感じが出てきているように見えなくもありません。
それに、肝心の中国自身の経済成長も怪しくなってきています。
ここのところ、中国株が暴落がしていますけれども、上海総合指数は6月19日に6.4%下落。先週1週間の下落率は13%を超え、リーマン級の暴落となりました。
まぁ、これは、昨年秋から急騰を続け、年初来2倍にもなっていた水準に対する高値警戒感によるものという見方が主流のようですけれども、要するに、それほどの膨大な"短期資金"が中国株式市場に出入りしているということですね。
実際、中国株のバブルは、経済成長減速や不動産市況の悪化を受けて、個人投資家のマネーが株式市場になだれ込んで発生したと言われています。であれば、こうした状況は、ある意味、予想されたことであるとも言えます。
6月3日も、アメリカ運用大手ジャナス・キャピタル・グループの著名投資家で「債券王」との異名を持つビル・グロス氏が「今後、空前絶後の空売りの好機が訪れる市場」と書き込んだことが話題となっているようですけれども、やはり、それだけ今の中国株は高値水準にあると見られているというわけです。
無論、これに対して、中国当局が何もしないわけはありません。
中国当局は株高を演出して海外の投資マネーを呼び込み、不振の不動産もテコ入れしようという思惑があると見られ、「製造業や消費の不振が続くなかで、中国当局は株高とAIIBによるインフラ投資で経済成長を維持する狙いだ。株高の過熱感は冷ましたいが、株高トレンドを維持するための施策を打ち出してくるのではないか」とみる証券ストラテジストもいます。
先頃、中国政府は、保険会社の資金をインフラ建設にあてる6兆円規模のファンド設立と、銀行の融資規制緩和を打ち出しました。
設立されるのは「中国保険投資基金」という保険会社の資金を集めた3000億人民元(約6兆円)規模のファンドで、中国国内の都市化プロジェクトや交通インフラ、水利事業などに投資するとしています。また、「一帯一路」関連の海外プロジェクトの資金としても利用される見通しもあるようです。
そして、銀行の貸出残高比率についても、現在、預金残高の75%を超えてはならないとしている規制を撤廃するとしています。
これについて、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「中国は大規模な財政支出をする余裕を失っているが、新技術の開発もないため、旧来型の道路や鉄道整備に活路を求めざるを得ない。不採算投資で不良債権がさらに拡大する恐れもあり、結局は株価対策ぐらいにしかならないのではないか」とコメントしていますけれども、やはり市場は、株価の引き上げ策ではないかと見ているようです。
このように、今の中国株市場は、株価を維持したい中国当局と、空売りして利益を取りたい海外機関投資家の思惑が入り乱れているのですけれども、今後、中国株式市場を舞台に"マネーゲーム"が過熱していく可能性があると思いますね。つまり、短期資金が激しく出入りする"ジェットコースター"的な相場になるかもしれないということです。
こうした実に足下が不安定な状態で、日米への入口のドアを開け放したまま、"AIIBバス"は発車するのですけれども、中国国内の株価対策としては、インフラ投資しかネタがないとなれば、中国はAIIBを自らのしもべとして、所構わず融資してくるかもしれません。
ただ、ADBと違って、海外インフラ開発に対する融資経験もなければ、人材もいないAIIBが、ちゃんと融資資金を回収し、かつ利益を得る事ができるのか。現時点ではなんともいえませんね。
やはり、日本はAIIBに参加せず、しばらく様子をみるべきだと思いますね。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
支那の経済はバブルだと言われている.
バブルは潰れてからバブルと分かるのだが,
バブルは必ずハード・ランディングする.
その時はAIIBの出資金が戻らない可能性がある.
影響を受けたくなければ深入りは禁物.
発車しないAIIBより, ISISの方が大変なようだ.
当初は何が何やら分からなかったが
胴元が分かってみれば, 全ての混乱の
短期的な原因はオバマ大統領となるのか.
暇工作
26日期限の理財商品の記事が出ない。報道規制の記事。
いよいよ、崩壊が始まったようだ。