裏側にもきちんと配慮する日本

 
昨日の続きを極々簡単に…

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この程、ニューヨーク市保健当局は、刺し身や寿司などのように火を通さないか、短時間あぶる程度で生魚を提供する料理について、冷凍保存した魚を使用することを義務づける条例を制定しました。

これは、生魚についた寄生虫で食中毒が発生したことなどを受けての処置で、魚は一旦、-35℃で15時間以上冷凍させることを義務付けるという条例です。

無論、他国の条例ですから、どうこう言えた義理ではないですけれども、日本人の感覚からすると、わざわざ不味くするなんて勿体ないなとは思います。

ただ、元々、生魚を食べる習慣のなかった国に、それを持ち込んでいったわけですから、全面禁止にならないだけまだよかったというべきなのかもしれません。けれども、逆にいえば、全面禁止にはできないほど、寿司を始めとする和食文化が世界に広がっている証拠だといえるのかもしれませんね。

今回の条例について、ニューヨーク市は、冷凍することで寄生虫を殺せるのだ、ということのようですけれども、その条例にはいくつかの例外品目があります。貝類と養殖ものです。

なんでもニューヨークの人達は生ガキを好み、毎年カキの収穫量が最も多い10月になると「オイスター・フェスティバル」が開催され、約20万人が訪れるほどの人気行事となっているそうです。

まぁ、生ガキこそ、"鮮度命"で食中毒に注意を払わないといけないと思うのですけれども、貝類は冷凍の対象外ということは、仮に、食中毒対策で冷凍するとなったら市民が許さないくらい、生ガキを食べるのが浸透しているか、流通から調理まできちんと管理されていて、食中毒の発生件数が極めて少ないかのどちからだと思います。

ただ、そうはいっても、あちこちで生ガキで食中毒を起こしたなんてことがあちこちで起こったら、流石に規制しないわけにはいかないでしょうから、おそらく生ガキに関しては、流通から調理まで衛生管理がきちんとしていて、食中毒の発生件数そのものが少ないのではないかと思います。

となると、逆に刺し身や寿司が駄目となる理由は、流通、仕入れ、調理のどこかで、食中毒の要因がまぎれ混んでいるということになります。

日本だと、寿司屋で出された寿司で食中毒になったなんてことは、殆ど聞いたことがありません。そもそも、流通、仕入れ、調理のどこかで、食中毒の要因が入り込むこと自体大問題になるでしょうね。

もう既に多くの人はご存知でしょうけれども、ニューヨークやその他海外での寿司屋に代表される和食店の多くは、日本人ではなく外国人が経営しています。一説には「米国の和食店の9割は韓国人が経営している」なんて噂もあるくらいです。

もしも、日本人が経営する寿司屋で食虫毒が発生せず、韓国人が経営する寿司屋で食中毒がでるのだとすると、両者の経営方針や考え方に問題があるということになります。

何かの番組で見た記憶があるのですけれども、ある中国人オーナーの和食店が経営が振るわなかった為、立て直そうとして、日本人の板前を始めて雇ったところ、その板前さんは、まず最初に板場の床を高級な絨毯敷きにするように要求したのだそうです。その理由は、自分達が調理する床が絨毯だと、調理中の食材を落としたりすることがなくなり、また丁寧に調理するようになるからだというのですね。

板場の床を絨毯敷きにしたところで、それはお客さんからは全く見えません。店内のインテリアとしては全く貢献していないのですね。けれども、そこにあえてお金をかけて、絨毯敷きにする。

こうした配慮というか智慧というか、これはある意味、昨日のエントリーでも取り上げた、「裏の部分」なのだと思うんですね。つまり、一見華やかに見える「表の料理」は、実はお客さんからはみえない「裏の工夫」によって支えられている、ということです。

寿司屋に限らず、和食の店は刺身などの生ものを多く扱います。それでいて、それを日本の食文化として当たり前のように定着させることができたのは、華やかな表だけではなくて、それを支える裏の部分にもしっかり手を掛けているからだと思うんですね。それもまた、日本が持つ「宝」なのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 暇工作

    どうでもいいと思ったのですが、
    > もしも、日本人が経営する寿司屋で食虫毒が発生せず、韓国人が経営する寿司 屋で食中毒がでるのだとする
    日本人の寿司屋→食中毒
    韓国人の寿司屋→食虫毒
    こちらの方がなんかしっくりくるような...
    あちらのキムチには虫がワクそうで...
    2015年07月25日 01:29
  • 白なまず

    日本には自慢の技術CAS(CELLS ALIVE SYSTEM)等の冷凍技術が有るんですけどね、、、これなら寄生虫の話題より半年前に取れた魚介類を鮮度を保ち食されるので、別の意味でのアピールが可能になるんですが。残念ながら寄生虫を殺す意味では使えそうにはないですが、寄生虫も生き残ってしまうので、、、でも、寿司などの調理手順の中には寄生虫を排除する処理が入っていると思います(お酢もその一つですよね)ので、問題ないはずですが、、、

    【CAS 提供会社HP】
    http://www.abi-net.co.jp/cas/

    「限りなく生に近く」状態で組織を生かして、みずみずしい細胞を再生。食品・医療分野を一変する革新技術です。
    2015年07月25日 07:21
  • 日比野

    白なまずさん。おはようございます。
    >日本には自慢の技術CAS(CELLS ALIVE SYSTEM)等の冷凍技術が有るんですけどね

    私もそれを思い出しました。CASについて過去にエントリーした記憶があったので、チェックしましたら、2008年にエントリーしてました。
    http://blog.livedoor.jp/kotobukibune_bot/archives/15967478.html

    もう7年も前のことですから、一般家庭にも随分普及しているでしょうね(一般名は「瞬冷凍」だったかと)
    ただ寿司はそんな技術がない昔からあったわけですから、酢のような処理など、和食には、細かい智慧が堆積していると思いますね。
    2015年07月25日 09:24
  • almanos

    日本だと「食品衛生管理者」制度の影響とかもあるんではと思いますね。割と簡単に取れますがペナルティは結構きついですし。まあ、寿司は中韓人からみて「火を通さないから楽」とか言うのがあるんではと思います。中華料理は火を通すことと温かさに拘ります。属国である韓国のも然り。
     元々、新鮮な魚を新鮮なうちに出せる沿岸で今の寿司はできたもの。本来は熟れ寿司なんかですし。
     そのうち、アメリカや欧州からの要請で「JCS」とか日本品質の調理をする店の認定機関つくれとかなったりして。で、偽だともの凄い罰金かかるとか。
    2015年07月25日 10:59
  • >そもそも、流通、仕入れ、調理のどこかで、食中毒の要因が入り込むこと自体大問題になるでしょうね。

    とのことですが、日比野さんの観測は少々甘いような気がします。
    平成23年に民主党政権が韓国からの輸入食品の検疫を免除してしまいましたが、それ以降、例えばヒラメによる食中毒(クドアが原因)が驚くほど頻発しています。
    殊に昨年10月に銀座で起きた食中毒事件(これもクドア)では、築地卸売市場の仲卸業者が"国内産養殖"として料理店に卸したヒラメが実は韓国産養殖ヒラメだった産地偽装が発覚しましたが、料理店には営業停止命令が下され、仲卸業者にはお咎めなしという衡平性を著しく欠く結果になってしまっています(ただし処分は適法。法令の整備自体が不備)。
    これらは大問題になって然るべきものなのですが、昨年からようやく韓国のヒラメ養殖場28箇所を、輸入するたびに検査する「検査命令対象」に指定したくらいで、事態が「終息」に向かうとはとても言えない状況です(ちなみに日本への輸出登録をしている韓国のヒラメ養殖場は400箇所以上)。
    例によって「特定アジアに不利な事象は報道しない自由発動」により膾炙が妨害されているのかもしれませんが。
    2015年07月25日 12:25
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    自然を大事にするから日本には食材の扱いに文化がある.
    朝鮮人には生肉を床に叩きつけて柔らかくする文化があるから,
    新鮮な魚でも同様なことをやりかねない.

    しかし, 支那人に雇われた日本人料理人の話,
    絨毯では作業中にホコリがでるから衛生的ではない筈だ.
    どうもオーナーが気に食わなかったからではないか.
    日本人なら板張りにしただろう.
    2015年07月25日 12:34

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