中国の本当のGDP成長率は公式発表の半分以下だった
今日はこの話題を極々簡単に…
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中国のGDPの伸び率が公表値の半分またはそれ以下であるかもしれないという試算が一部で話題になっていますね。
これは、イギリスの独立系調査会社ファゾム・コンサルティングhttp://fathom-consulting.com/が発表したもので、この会社は従来の公式GDP値の予想を止め、今年から実際の成長率を公表するようにしたのですけれども、中国のそれを試算するために、中国の電力消費、鉄道貨物量、そして銀行融資の3つのデータを基にしたそうです。
その結果、中国政府の公表しているGDP成長率が7%であるのに対して、ファゾム・コンサルティングは3.2%と試算結果を発表しました。
ファゾム・コンサルティングのエリック・ブリトン氏は「中国の公式統計はファンタジーだと考えており、真実に近いということもない」とコメントし、今年の中国成長率は2.8%%、2016年はわずか1.0%にとどまると予想しているようです。
確かに、ファゾム・コンサルティングが公表しているグラフをみると、特に[GDP]と[China Momentum Indicator]との乖離が激しく、モメンタムの方は急降下しています。
2014年頃までは、公式発表のGDPと実際のモメンタムがそれなりに同じ水準であったことを考えると、2014年以降の急激な乖離は実経済が相当悪いことを示唆しています。
中国は「保八」と呼ばれる8%の経済成長率を絶対死守するという政策を、つい先頃まで続けていました。これについて、評論家の石平氏は、「保八政策」は、天安門事件によって失われた共産党政府の正統性を取り戻すために、市場経済への転換を行ったのが始まりで、いつしかその「成長率8%」が体制維持の生命線となってしまったと述べています。
また、外資からの借り入れ金利が8%程度であることや、共産党の官僚が官営事業収入の8%を自分の利権とする仕組みがあり、8%を割るとそれが維持できなくなるという理由から保八政策は、そう簡単に止められないのだという指摘もあったようです。
ところが、2012年3月、当時の温家宝首相が全人代において、「経済発展方式の転換を加速化させ、経済成長の質と効率を実質的に高める方向に誘導しなければならない」として、2012年の経済成長率目標を7.5%にすると宣言、事実上「保八政策」を廃棄しました。
その狙いは、インフレの抑制、環境負荷の軽減、貿易依存度の引き下げにあるとも言われているのですけれども、現在、李克強首相はGDP成長率の妥当な下限は7.5%であり、7%を割り込んではならないと表明しているそうです。どうやら7%が絶対防衛ラインとなっているとみていいのかもしれません。
そこへ来て、今回のファゾム・コンサルティングの発表ですからね。中国は、公式統計に批判的な人は中国が利用するGDP計算方法を完全に理解していない。統計は正確だ、と反論しているようですけれども、上海の株式市場に対する中国当局の一連の対応で、数字を出すためならなんでもあり、ということがバレてしまいましたから、いくら口で、統計は正確だといっても、それで信用される程甘くはないと思いますね。
まぁ、中国の統計が出鱈目だということは、大なり小なりみんな薄々知っていて、口にしなかっただけだと思いますけれども、とうとうそれが公に言われるようになってきたということです。
嘘の上に築かれた楼閣は脆い。今はまだ、いちコンサルティング会社の発表にしか過ぎませんけれども、もしも、その他複数の機関からその裏付けとなる情報が出てくるのなら、相当危ない。ちょっと目が離せませんね。
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almanos