今日も軽い話題の感想エントリーです…

一昨日のエントリーで、芸能人の安保法案に関する発言が目立つといいましたけれども、概ね、反対の意見が多いようです。
もちろん、それでも賛成を表明する芸能人はいます。中でも今、話題なのは、ダウンタウンの松本人志氏だと思います。
彼は、8月9日のフジテレビ系の番組「ワイドナショー」で、渋谷での高校生5000人が参加した安保反対デモについて、「ちょっとニュースに誘導されている感じはある」と指摘した上で、「安倍さんがやろうとしていることに対して『反対だ!』っていう意見って、意見じゃないじゃないですか。対案が出てこないんで。じゃあどうすると。前も言いましたけど、このままでいいわけがないんですよ。このままでいいと思っているとしたら、完全に平和ボケですよね」と述べ、対案を出さない民主党についても「いやあ、それはちょっとズルいと思うなぁ」ともコメントしています。
筆者にしてみれば、実に真っ当な意見だと思いますけれども、無論、そうは思わない人もいます。まぁ、反対意見についてつぶさに見た訳ではありませんけれども、例えば、こちらのブログでは、松本人志氏のくだんのコメントに対して「今のままでいい」ということそのものが対案であって、対案がないわけではない、と反論しています。
無論、この人の意見が反対派の全てとは思いませんけれども、百歩譲って、「今のままでいい」というのが対案だったとしても、結局はその「今のまま」であるための条件が何であって、それをどうすれば今後も続けられるのか、ということを押さえておかないと余り意味ある議論にはならないように思いますね。
仮に"今のまま"というのを戦後70年に渡る日本の平和だとするならば、まずその平和は何によって成立していたのか、という認識から議論しなければなりません。まぁ、"9条信者"な方々なら、憲法9条によって平和が保たれたのだ、なんてことをいうかもしれませんけれども、現実には日米安保、よりはっきりいえば、在日米軍の存在が日本の平和を維持する最大の力であったことについて、殆ど議論の余地はないように思われます。
抑止力があってこそ平和が成り立つのが現実です。自分に向かってミサイルが飛んできているときに、憲法9条を何万回唱えたところで、ミサイルが逆戻りしてくれるわけはありませんからね。
ただ、仮に9条によって平和になっていることがあるとすれば、それは相手が「日本は9条を持つ平和国家だから攻撃しないでおこう」と思ってくれる時だけであって、「丸腰だから侵略し放題だ、ちょろいもんだ」と思うような国には9条など"鼻紙"にもならないということです。
では、そのこれまで日本の平和を支えてきた在日米軍がこれからも「今のまま」でいてくれるのか、ということですけれども、昨今そうもいかなくなってきたことは、もうはっきりしていますね。アメリカは、自身の莫大な軍事費を支えきれなくなって、再編あるいは縮小しようとしていますし、現にオバマ大統領は「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言しています。
つまり、これまで日本の平和を支えてきた根幹の部分が変わろうとしているというわけです。ですから、この状況下で「今のまま」でいいとして何もしないでいるとどうなるかというと、昨今の中国の動きをみれば明らかなとおり、日本の安全が危険に晒されることになります。
ですから、逆説的かもしれませんけれども、「今のまま」でいるのであれば、逆に「今のまま」ではいられなくなるということですね。
安保法制は、集団的自衛権を認めることで、周辺国と連携・協力して安全保障を確保しようとするものです。つまり、安保法制は「今のまま」でいるための法案だということです。
その意味では、「今のままでいい」、「戦争なんかしたくない」とデモする高校生や大学生こそ、安保法案に賛成しなければいけないと思いますね。
けれども、彼らは法案に反対している。
これは、ニュースに流されているのでなければ、現状に対する認識そのものに違いがある可能性があるといことです。
ですから、もし、学生達が「自分達はニュースに誘導されてなんかいない」と思うのであれば、戦後の日本の平和が何によって成立していて、それが今のままで成立できるのか、そして、成立させるためには何をしなければならないのかを主張するべきですね。そして、それはおそらく対案がない「今のままでいい」というものではない筈だと思いますね。
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