緊張高まる半島と金正恩の策謀

 
今日は極々簡単な感想エントリーです。

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急速に半島の緊張が高まっています。

8月20日、韓国軍は北朝鮮軍が韓国軍が設置した拡声器に向かって射撃をしたことを明らかにしました。

これに先立つ8月4日に韓国京畿道の非武装地帯(DMZ)、韓国軍の20代の下士官2人が地雷を踏み爆発、足を切断するなどの大怪我を負う事故が起きたのですけれども、韓国は地雷の残骸から北朝鮮軍の対人地雷と断定。報復として軍事境界線付近での拡声器による心理戦「対北朝鮮拡声器放送」を再開していました。

対する北朝鮮は、その韓国側の主張について「軍事境界線の南側400メートル地点にある傀儡憲兵の監視所前に、自己防衛のため3発の地雷を埋めたなど、話にならない。…軍事上の目的のためであれば、より強大な火力手段を使ったはずで、3発の地雷など使うはずがない。…」として、証拠映像の提示を要求。

さらに、「それ(映像)がなければ、二度と北への挑発を口にしてはならない。…荒唐無稽な北の挑発で騒げば騒ぐほど、朴槿恵一味に与えられるのは謀略と捏造の常習犯という汚名のみ」だと反発。両者の主張は真っ向から対立しています。

北朝鮮軍は韓国が設置した拡声器による「対北朝鮮拡声器放送」に強く反発していて、拡声器を狙った訓練を強化していると韓国メディアは報じています。

そして、同日午後3時25分頃、北朝鮮軍が、ロケット砲と推定される砲弾一発を京畿道漣川郡中面に向けて発射したことを感知装置で捕らえたとし、韓国軍が、ロケット砲が発射された地域に、155㎜砲弾数十発余りで対応射撃したようです。

得てして、こうしたどちらが先に手をだしたか分からない状況から、互いに相手を批難し、戦争の火種になっていくことは、ままあることです。しかも、今回は、地雷-銃撃-ロケット弾-155mm砲弾と、段々とその反撃の火器が大きくなっているところが少し気になりますね。

更には、21日に、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」や短距離ミサイル「スカッド」の発射に向けた動きを見せていることを韓国政府関係者が明らかにしています。

北朝鮮は、22日夕方までに宣伝放送の中止と拡声器の撤去に応じなければ軍事行動に出るとし、北朝鮮の朝鮮中央通信は21日夜に「前線大連合部隊が軍事行動の準備を完了した。…拠点と手段は、われわれの主体砲や放射砲の照準に入っている。…前線地域のすべての部門が準戦時体制に転換した」と発言しています。

まぁこれが、ただの"チャーハン"の出来具合のお知らせであれば、備えさえしていれば、そう大事になることはないと思いますけれども、ちょっと性急に事を進めている気がしなくもないのですね。これまで、北朝鮮のミサイルの発射は、それはもうしつこいくらいに何度も"チャーハン"の出来をお知らせした挙句、皆が飽きて忘れたころに発射するか、または何も言わずに、いきなりズドンと打つかのどちらかでしたからね。

勿論、ミサイルを発射台に乗せてから、いつものペースで"チャーハン"のお知らせをしてくることも考えられます。けれども、この急な緊張の高め方には何か裏があるのではないかとちょっと勘繰りたくなりますね。

過去のエントリーで何度か述べたことがありますけれども、金正恩は人の裏をかいてくるタイプなのではないかと筆者は見ています。

ゆえに、今回の動きも、派手にミサイルを撃つと見せかけて、全く別のところをドカンとやる。つまり、陽動を仕掛けているかもしれないとも思うんですね。

例えば、ミサイルをこれ見よがしに発射台に乗せてから、いちいち"チャーハン"の出来具合をお知らせして世間の目を引いておいて、ソウルかどこかで、北の工作員による爆弾テロをやるとか。これもミサイルを囮に使って裏をかいたケースの一つだといえると思います。

ただ、爆弾テロで多数の人的被害が出た場合は、韓国も在韓米軍と一緒に反撃に出てくる可能性もありますから、それなりのリスクはある。ですから、金正恩が本当に戦争をやる気でない限り、やはり、脅し的につかってくるのではないかと思いますね。

例えば、韓国国内の空港の滑走路や、変電所を破壊するといった、人的被害が殆ど発生しないインフラを破壊する形の爆弾テロを、同時多発で起こしたとしたら、これは韓国国内に少なからず影響を与えると思われます。やはり生活基盤が破壊されるわけですから、韓国国民の動揺は避けられない。しかも人的被害もなく、証拠もない、となると韓国軍も動きにくい。

更にいえば、"チャーハン"を作っている間に、38度線に沿ってずらりとロケット砲などの配備を済ませておけば、「韓国軍が少しでもおかしなマネをしたら、たちまちソウルを火の海にするぞ」と脅すこともできる。爆弾テロの後だけに、流石に韓国政府はこれを"チャーハン"で済ますことは難しいと思われます。結果、朴政権は窮地に追い込まれることになります。

しかも、この爆弾テロによる脅しは、北朝鮮による中国に対する牽制にも使ってくる可能性があります。

アメリカ政府系のラジオ・フリー・アジアによると、最近、金正恩が幹部達を集めた席で「中国の奴らに昔と今は違うということを見せつけてやる」と爆弾発言をしたと伝えていますけれども、要するに、先日の天津大爆発の記憶が生々しい上に、9月3日の抗日パレードを控えたこの時期に、北朝鮮が、自由に爆弾テロを起こせるところを見せつけたらどうなるか、ということですね。

まぁ、考え過ぎかとは思いますけれども、用心するに越したことはないと思いますね。

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この記事へのコメント

  • 野蛮人

    正恩よりクネのほうが不安要素ですね。

    前の砲撃事件の様に正恩はある程度の打算と目処と韓国側の実態を把握した上で行動しますが、
    クネは感情的・世論に流されやすい・頑迷ときてますから。しかもクネは韓国内では北に対して
    強硬とのイメージを持たれそれが支持率の有力要因ですが、実際はヘタレ・無知で、統一と言ったと
    思うと断固たる処置を言い出すなど右往左往の挙句何もせず、軍・官僚にヒステリックに実行を
    叫ぶときてます。暴発するとしたら正恩よりクネでしょう。

    あと親北派が政官財軍学の各界に深く浸透してる韓国では、どうせリスクを被るならテロより
    クネが海外旅行してる内に親北派のクーデターの道を選ぶかもしれませんね。
    2015年08月22日 13:00

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