今日はこの話題です。

8月22日、中国山東省淄博市桓台県の潤興化学工業科技が運営する化学工場で爆発がありました。
工場の周辺1キロ以内に住宅地があり、爆発の衝撃で多くの窓ガラスが割れ、火災は現場に駆けつけた消防隊200人により5時間後に鎮火したのだそうですけれども、この爆発で、少なくとも1人が死亡、9人が負傷したと伝えられています。
消防によると、爆発の原因はアクリロニトリルに引火したのではないかとみられていることから、警察は現場に通じる道路を封鎖し、工場から半径1キロ内の住民を避難させたそうです。
アクリロニトリルは引火点0 ℃と引火性が極めて強い無色透明で特有の刺激臭のある液体で、多量に吸入すると即死する程の猛毒であり、空気中にわずか20ppm以上含まれるだけで危険とされています。
アクリロニトリルは主にアクリル繊維やABS樹脂、AS樹脂の原料に使われているのですけれども、2011年の世界総生産量はおよそ600万トン、うち120万トン程度が中国で生産されています。
今回爆発した工場がどれくらいのアクリロニトリルを貯蔵していたかは分かりませんけれども、何といっても猛毒ですからね。地元の消防署は23日になって、「空気中から有毒物質を検出できなかった」と発表したようですけれども、常温では液体ですからね。何時間もたってから空気中にないといわれても、土中に染み込んでいるかもしれないことを考えると、付近住民の安全や環境汚染が心配されます。
筆者は「動乱期に突入する中国」のエントリーで、習近平が、腐敗撲滅運動にかこつけて、今まで以上に反対派を粛清していくことと、天津大爆発をみて、反習近平グループが、其の手の"爆発"や"混乱"をあちこちで仕掛けてくる可能性があると指摘しましたけれども、果たして、今度の山東省の爆発はテロではないかという噂が流れているようです。
まぁ、ここのところ爆発が続いていますし、申し合わせたように、特区で起きています。淄博市に、日本人32人が在留届を出しているほか、日系企業56社が進出しているそうです。
流石にここまで続くとテロだと疑われたとしても仕方ないと思いますね。
しかも、ここに来て、江沢民元主席が拘束されたなんて噂が流れ、一部で騒ぎになっています。まぁ、その真偽の程は明らかではありませんけれども、習近平が一連の爆発の罪を擦り付ける形で、反習近平勢力を一掃しようと逆に強権を振るった可能性も否定できません。
ただ、そうであったとしても、そんな行動にでなければいけない時点で、習近平政権が揺さぶりをかけられていることは間違いないとおもいますね。
一方、日本は日本で大事な時期を迎えています。8月24日、菅官房長官は記者会見で、安倍総理が9月3日に北京で開かれる抗日戦争勝利70周年記念式典に出席しないと明言、3日の前後に訪中する予定もないと述べました。
たしかマスコミは軒並み、安倍総理が訪中する、訪中すると報じていたように記憶していますけれども、何か説明はあるのでしょうか。まぁ、今の半島情勢や中国の状況を素直にみれば、とても日本を離れられるような状況ではないと思われます。日本国内も、安保法制は当然として、ここの所ざわついていますしね。
従って、安倍総理の外交スケジュールがどうなっているか知りませんけれども、もう暫くは情勢を見極めるためにも、国内に留まっていたほうがよいと思いますね。
逆に、派手に抗日式典をやる積りだって、習近平は一転苦しくなりました。各国首脳が顔を揃え、習近平の"皇帝即位式"を行うところが、そうは問屋が下ろさなかったわけですからね。
ただ、追いつめられた習近平は、体制維持のために、どこかで得点を取っておきたいと考えるかもしれません。果たしてそれが、外交なのか内政なのか、具体的には思いつかないのですけれども、何某かの用心はしておくに越したことはないと思いますね。
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白なまず
almanos