今日はこの話題を極々簡単に…

8月27日、護衛艦(24DDH)の命名・進水式が、神奈川県のジャパンマリンユナイテッド磯子工場で、開催されました。これは、今年3月に就役した22DDH「いずも」につづく、いずも型護衛艦の2番艦ですね。注目を集めた艦名は「かが」となりました。
「かが」といえば、旧帝国海軍正規空母「加賀」を連想しますけれども、海自の艦船の命名は、「海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令」に従って行われます。
それによると護衛艦は「天象・気象、山岳、河川、地方の名」を与えることが定められており、今回の「かが」は、かつての「加賀国」が由来です。これまでの、全通甲板を持つヘリコプター搭載護衛艦も「ひゅうが」、「いせ」、「いずも」と昔の国の名から採られていますから、24DDHもそれに準じたということですね。
旧帝国海軍では、戦艦の名前は旧国名と山岳名(旧巡洋戦艦が多い)に因んでつけられていました。旧帝国海軍正規空母「加賀」も元は戦艦として建造され、途中で改装して空母となったので、旧国名を持っているわけです。海自の命名もこの伝統を受け継いでいます。ここは譲れません。
「かが」はいずも型の2番艦ですけれども、いずも型護衛艦については、過去に「軽空母『22DDH』」、「第三艦隊旗艦『いずも』進水します!」、「護衛艦『いずも』進水す」などでとりあげたことがありますから、繰り返しませんけれども、対潜哨戒を始めとして、日本の国防に大きく貢献することは間違いないですね。
「いずも」のときもそうだったように記憶していますけれども、こういうのに敏感なのが中国です。
「かが」進水のニュースは中国のネット上で話題となったようで、続々とコメントが書き込まれたようです。ざっと次のとおりです。
「日本は空母を造るのがこんなにも速いのか」と、このように随分と警戒していますね。彼らは日本の艦船建造スピードに驚いているようですけれども、16DDH「ひゅうが」、18DDH「いせ」、22DDH「いずも」、24DDH「かが」と、予算をつけて計画どおりに建造しているだけですね。ここは譲れません。
「これはヨーロッパの中でもトップクラスに入るだろ」
「作りが精巧のようだ。中国はいつになったらこういうものが作れるのだろう」
「ヘリ空母にしてはずいぶん大きくないか」
「本当のことを言えば、日本の重工業と教育が羨ましい」
「これは完全に米国艦隊へのサポートのためのものだろ」
「これで遼寧号を取り囲んでボコボコにするつもりじゃないだろうな」
「中国は対潜能力がこんなにも弱いのに、なぜヘリ空母を造らないんだ?」
「日本の造船技術は確かに一流だ。これは認めざるを得ないが、制空権がなければ何の意味もない」
「F―35Bを搭載するための準備だというのはばかでも分かる」
「(F―35Bを)搭載する予定がないのではなくて搭載できないんだろ」
「こんなの鉄の棺桶じゃないか」
「日本人が軍艦作るスピードと能力って凄まじい! イージス艦もそうりゅう型潜水艦も、そしてこの"準空母"も、中国にとって厄介だ!」
また、F35-Bの載せるかどうかについても、運用をどうするかというだけのことで、最初からそれが想定されるのであれば、そのように設計している筈です。「第三艦隊旗艦『いずも』進水します!」 のエントリーで触れていますけれども、おそらくF35-Bも載せようと思えば載せられすると筆者は見ています。
ただ、本当にそうするかどうかは別の話ですし、本当にその気があるのなら、艦載機パイロットを選抜して、発艦および着艦訓練等々を始めている筈です。"一航戦"は、一朝一夕に出来上がるものではないのですね。ただ、将来そんな日がくるのなら、運用と搭載可能機数からみて、「いずも」と「かが」で"一航戦"を編成するのではないかと思いますね。
「かが」は、今後、艤装作業を経て、2017年3月に就役する予定だそうですけれども、今のところ、海自はF35-Bを「かが」に搭載する積りはないとしています。そもそも「かが」を含め、「いずも」にしても「ひゅうが」にしても、艦種記号は"DDH"で「ヘリコプター護衛艦」ですからね。
ですから運用の面から考えると、仮に、「いずも」なり「かが」なりが、F35-Bを載せられる能力を持っていたとしても、それは将来のオプション的なものであって、現時点では、そのような運用は想定していないということです。
24DDH「かが」は空母ではなく、公式にはへりを搭載した「護衛艦」です。少なくとも表向きはそういう艦として建造されました。中国や韓国が空母だ何だと叫ぼうが何をしようが、ここは譲れません。
…オスプレイ? 知らない子ですね。
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tty
士魂のかけら