今日はこの話題を極々簡単に…

安保法制反対を唱える抗議デモがまだちらほら続いているようですけれども、ここ最近、その種のデモに参加したら、就職活動に不利になるとの噂がネットを中心に囁かれていますね。
まぁ、大元の出所がどこかは分かりませんけれども、有名処では、福岡県行橋市の小坪慎也市議のサイトの記事かと思います。次の一連の記事がそのようです。
#SEALDs の皆さんへ①就職できなくて #ふるえるまぁ、非常に常識的な内容だと思います。現実を普通に語っている。
続 #SEALDs の皆さんへ②法案反対派の「大人たち」が就職に影響があると認めていて #ふるえる
続々 #SEALDs の皆さんへ③サヨク指揮官級に告ぐ、正々堂々と行こう。
【動画】続々々 #SEALDs の皆さんへ④過激派とは距離をとれ
最終章 #SEALDs の皆さんへ⑤若い議員から、若者たちへの手紙
また、こちらでもホリエモン氏が「安保反対デモに行ってる事カミングアウトしたら私は採用しませんよ。仕事出来ないと思うから」とツイートしてますね。
これに対して、ジャーナリストの津田大介氏が「トータルで見れば就活に悪影響なんて出ませんよ。世の中にどれだけ会社あると思ってるんですか? 」と反論していますけれども、そもそもトータルでといっている時点で"局所的"には、悪影響がでるといっているも同じですね。
まぁ、津田氏が「世の中にどれだけ会社があると思ってるんですか」というところをみると、数を重ねることがトータルだ、という風にも受け取れなくもありませんけれども、一体、どれだけ受けたらトータルになるのか数字で示している訳ではありません。
100社受けたらトータルなのか、それとも1000社でトータルなのか。まぁ、就職活動で100社受ける人はいるかもしれませんけれども、1000社のオーダーとなるとそうはいませんよね。
それに、第一希望のただ一社しか考えていない人にとっては、それがトータルですからね。そこが不採用だったら、トータルでも駄目だったということになります。
また、そうではなくて、質的な面でトータルと言っているのであれば、どういった、就職先なのかも例示しなと判断しようがありません。仮に、業界業種一切構わず就職活動するというのがトータルなのであれば、それはそれで、就活とっては有利ではないですね。大学で専門教育を受けて卒業した人が全く関係ない職種の会社を受けるのは、専攻職種の企業を受けるのと比べればハンデがあるのは否定できませんからね。
これについて、朝日新聞はこちらの記事で「三菱樹脂事件」を引き合いに出して、憲法で保障される思想、信条の自由を考慮せず、企業が思想で採用を拒む自由は、時代を追って狭くなっているとし、デモが就職に不利になるのは時代遅れだという主張をしています。
けれども、この記事では、大事な点に触れていません。それは、彼らの行動の背景に何があるのか、という点です。
「三菱樹脂事件」は、学生の思想を理由に企業が採用を拒否したことが争われた事件で、最高裁は1973年に「特定の思想信条を有する者を雇うことを拒んでも、当然に違法とはできない」との判決を下しています。こちらのブログにその詳しい解説がありますけれども、この最高裁判決は、「憲法は基本的に個人の人権や自由を守るために国家権力を縛るためのものである。したがって、憲法は企業の新卒採用という私人間の紛争には適用されない」として、「国対個人ではない私的関係において、個人の自由・平等に対して侵害の恐れがある場合には、別に立法して解決すべし」としたのですね。
要するに、最高裁は、この問題は憲法が扱う問題ではないとした訳です。ですから、朝日新聞が「三菱樹脂事件」を引き合いに出して、憲法で保障される思想、信条の自由云々という論を展開するのは、当のその判決で最高裁が否定した論を蒸し返したに過ぎず、論点反らしにしかなっていません。残念ながら反論にはなってないですね。
仮に、思想信条によって不採用にするというのが問題なのだとしても、実際企業が問題視するのは、どちらかといえば、思想信条そのものより、如何なる行動をしているかの方です。
先に取り上げた行橋市の小坪市議のブログ記事でも、小坪市議は「私が論じつづけている点は『過激派・公安監視対象の団体』などと関連を疑われた場合のリスクについて、です。『政治活動』(デモ等の参加)による悪影響は、実は主として述べておりません」と言っていますけれども、そういうことですね。
実際、企業が如何なる人物を欲するかを考えたとき、どんなに優秀な人物であったとしても、過激派と繋がっているような人物の採用は避けるのが普通です。なぜなら、会社の信用が傷つくリスクを負うからです。当たり前のことですね。
そのために、企業は採用前に希望者を徹底的に調査しますし、ひっかかった人物はその場で外すのが普通です。
ですから、朝日新聞がデモに参加しても就職に不利にならないと主張するのであれば、朝日新聞自ら、そのような人物でも問題視せず採用しているという実績と証拠を見せればいいと思うんですね。
まぁ、朝日は自分のことをを"リベラル"だと自負しているのかもしれませんけれども、リベラル(liberal)の語源であるラテン語のliberは「社会的・政治的に制約されていない」、或は「負債を負っていない」という意味です。平たく言えば、「しがらみがない=自由主義」ということです。要するに、よく言われるところの「リベラル=左翼」ではないのですね。
ですかから、特定の思想・主義に縛られて、その種の記事しか書かないだとか、どこかの団体から資金援助を受けたりして、そこの悪口が書けないというような組織は、もう「しがらみだらけ」であって、既にリベラルではありません。
では、翻って、SEALDsはどうかというと、一部ネットで「志位るず」と揶揄されているように、共産党との関係が指摘されていますし、実際、共産党の街宣車も借りていたようです。これではとても、しがらみのない"リベラル"とは言えませんね。
そもそも共産党は公安の監視対象です。それと関係があるとされるSEALDsに関わるということは、それだけで就職に不利になるリスクは高い。
確かに、若いうちはリベラルでなければ情熱が不足しているのかもしれません。けれども、それは破壊主義を意味するものではないことを知らなければ、やはり後で"ふるえる"ことになると思いますね。
If you are not a liberal at 20, you have no heart.
If you are not a conservative at 40, you have no brain.Winston Churchill
この記事へのコメント
almanos
中共との資金関係もあるみたいですし、いきなり「テロ団体指定」されて関係者となったら最悪「国外追放」もありえますからねぇ。バイト・パートですら「そんなヤバイの雇える訳無いだろ」となるでしょうね。
おじさん
逮捕された方は結局大学を除籍になってその後関西方面の労組の活動家となって現在はどこかのユニオンで委員長やってるはずですが今も昔もバリバリの「反米帝、反日帝」を叫ぶ活動家です。公には写真での顔出しをしてないようなので(身内の機関紙には載せてる模様)今も公安の監視対象なんでしょう、ご苦労なことです。
三里塚に行った方は親から勘当されたそうですが噂では10年ほど前までは各地の飯場を転々としていたとのこと、要は住所不定に日雇い労働者だったわけですが最近は全く消息を聞かなくなりましたね。
かく言う私も彼らと同じ学生寮に住んでいたり彼等とともに学内サークルの運営組織の執行部員だったりした関係で就職活動の時期に身辺を公安やら興信所職員が嗅ぎまわっていたということも有りました。
若い人に言いたいのは共産党を甘く見るなということです。歴史上彼らが暴力を伴う破壊行為をしなかった例はありません。
現代社会において最も忌み嫌われるのは秩序やルールを暴力で変更したり覆そうとすることですからね。
ゆめゆめ近づこうなどと思わないことです。
ポール
朝日のほうでも思想信条が合うのだからウェルカムでしょう。
ですが、じゃあ誰でもいいのかというとそうは行かない。当然選抜されます。
「てにをは」が怪しい文章しか書けないようなら記者としてはアウトでしょう。
その他のセクションでも命令されたことにことごとく反発するような人物はNGでしょう。
つまり不採用者が相当数出るということで、その時彼らはいったいどうするんでしょう。
不採用が不服として朝日新聞のビル前でデモでもするのでしょうか。
それを闘う若者として朝日新聞は歓迎するんでしょうか。
また社内から協調する者が出てきて不採用者と一緒に「採用を勝ち取るまで闘うぞ!」と闘争でもやるのでしょうか。
左翼の内ゲバは昔からの伝統芸ですから、見物するには見ものです。
どんどんやってもらいたい。
泣き虫ウンモ
ベクトルがおかしいのでは?という意見は正しいのです。
攻撃する対象が違えば、動機が善でも悪になりますかね。