中国の防空識別圏というA2AD戦略

  
昨日の続きを極々簡単に…

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昨日のエントリーでは、中国は日本と挑発することで、日本国内に騒ぎをお越し、それをもって、安倍内閣の支持率を削りに来ているのではないかと述べましたけれども、今日は、これら一連の行動が唯の挑発だけではなく、戦略的な動きだとした場合について考えてみたいと思います。

先日、評論家の西村幸祐氏が、「7月25日に釜山発のラオス国営航空機が東シナ海の防空識別圏でシナ空軍から威嚇され引き返す事件があった」とツイートしています。

これは、7月30日にディプロマット誌が報じたのですけれども、その記事にあるフライト経路をみると、丁度、中国が2013年11月に勝手に設定した防空識別圏の右肩辺りに引っかかって、2,3回ぐるぐるした後、引き返していることが分かります。

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ディプロマット誌は、中国国防省のスポークスマン(a spokesperson for the Ministry of Defense)が、フライト計画を中国政府に通告しなかったから拒絶したとの声明を発表したと報じてますけれども、そのスポークスマンは"the Laos Airlines will be crossing the airspace over the Chinese territory."と述べたと記事にしています。

今の国際法では、領空は、領海と同じく海岸線から12海里離れた地点とされています。防空識別圏よりずっと狭いのですね。それが、"the Chinese territory(中国領空)"ですからね。彼らは防空識別圏を自国の領空だと勝手に見做しているということです。

中国の防空識別圏については、過去にもシリーズでエントリーしたことがあります。
中国の東シナ海防空識別圏設定について

中国の野望が尖閣なんて小さなものであるはずがない

中国のA2ADには世界観で反撃せよ

我レ、中国防空識別圏ヲ認メズ

読み違えた中国と平和を乱す者への勇気ある説得

孫子の兵法に逆らう中国の防空識別圏

中国の防空識別圏でアメリカは梯子を外したか
この中でも述べていますけれども、中国が東シナ海に設定した防空識別圏は、沖縄トラフのギリギリ手前で、中国から延びる大陸棚を、ほぼすっぽり覆う形で設定されているんですね。

この海域は比較的浅瀬なので、ここを移動する潜水艦は直ぐに見つかってしまいます。それを避けるには、この海域上空を日米の哨戒機が飛ばないようにさせればいい。そのために、綺麗に大陸棚を覆う形で防空識別圏を設定した。筆者はそう見ています。

その観点から今回、中国が悪石島の西約156キロの海域で、海洋調査船がワイヤを垂らして調査したことともリンクしていると思います。正確には計算していませんけれども、中国がワイヤを垂らした海域は防空識別圏の東端から少し日本寄りの大陸棚が切れた辺りだと思われます。

おそらく、潜水艦が隠れられる場所または航行ルートの確認のための地形図や海流の流れを調査したのではないかと見ています。試しに、グーグルアースで悪石島から西へ150km地点へ線を引いてみたのですが、やはり、大陸棚が切れた端の海域辺りのようです。

ですから、中国は、この辺りの空と海を我が物として、他国の接近を拒否し、シーレーンを握ろうとしている。南シナ海を埋め立てた人工島に飛行場や火砲を設置したのも同じ文脈だとみていいと思いますね。

諄いようですけれども、シーレーンは日本の命脈を握っています。これを落とされないためにも、安保法制を可決させ、中国に備えること。日米同盟を強化して、ASEAN始めインド、オーストラリアとの関係を深めていくこと。それが大事です。やはり、安倍総理のセキュリティダイヤモンド構想は間違ってないと思いますね。
 
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この記事へのコメント

  • ぐりこーげん

    昨日の記事にもツッコミいれましたが

    なぜ中国の行動が安倍政権の支持率を削る効果があるのか?
    全く説明になってないと思う。
    なんつーか文系っぽい閃きに思える。
    しかし、とても理系の人間は納得させられないよ。

    中国の行動+マスコミの報道=支持率低下、ってこと?
    いやどう考えてもこれはおかしいだろう。
    少なくとも安倍政権の支持率を削る効果など全く無いだろう。

    つまり中国は安保法制なんぞ関係なく行動してるだけである。
    そう考えたほうがはるかに合理的だろう。
    AIIBなぞは過小評価するのに、変なとこで過大評価するのはホントよく分からない。
    2015年08月05日 03:02
  • 白なまず

    日比野さんの論では

     マスゴミの(伝えない報道、一部の偏った報道)+支那の行動(海洋活動の不自然な行動)+支那の行動(明らかではない安倍政権を排除する工作?罠)=支持率低下?

     支那の行動(明らかではない安倍政権を排除する工作?罠)が有るのではないか?と言うことですよね。しかし、この支那の行動(明らかではない安倍政権を排除する工作?罠)がはっきりと何かとは分からないので、支那の行動が安倍おろしに無関係か、それとも多いに有るのかは分からないけれど、過去の支那の行動は日本への外交カードとして発動している事から支那の隠された意図があり、それが支持率低下を招く為の行動ではないか?だから支那の行動に対しての政府の反応次第では民主党、その他野党、マスゴミの連携プレイを前提に罠にかからないように用心すべきと言っているように思います。
    2015年08月05日 09:34
  • たしかに

    たしかに仮に左翼マスコミの裏に中国がいるのだとすれば
    わざわざ今回、表に出てくるというのは理屈としては違和感がある。
    安保法制を後押しするかもしれないリスクを負うほどの理由があるとは思えない。
    それとも中国自身が出ることによって安倍政権にトドメをさせるという確信でもあるのだろうか。
    それはどんなウルトラCだろうか。私の脳ミソではちょっと思いつかない。
    中国は中国の戦略に基づいて安倍を排除したいという考えはあるかもしれない。
    かといって中国の海洋覇権を求める行動が安倍政権崩壊に繋がるという理屈は全く筋が通ってない。
    マスコミがどう報道しようがそんなもん不可能。むしろ大人しくしてるのが上策だ。
    逆に「どうせ法案が通るから気兼ねなく行動を起こしてる」ってことなら納得できるが。
    2015年08月05日 09:45
  • めるもちゃん

    ところで中国の対日工作って成功したことあるの?
    誰か首相が辞めさせるほど支持率低下させたとか前例があるのであろうか?
    反日デモで誰か辞めたりしたことないじゃん。
    彼らが成功する可能性があるのは第三国へのネガキャンだけなんだよ。
    少なくとも日本人対象の工作が成功したことなんて一度も無いんだな。
    それほど昔から日本人は中国って国を信用してない。

    幽霊の正体見たり枯れ尾花、のパターンではないだろうか。
    2015年08月05日 10:42
  • 白なまず

    ぐりこーげん・たしかに・めるもちゃんさんドンドンニックネームが長くなるので一つにして欲しいです。(めるもちゃんって、、、50才以上の御仁でしょうか、薬飲んでさらに成長したいのでしょうね。)

    後の祭りでは勝負に勝てません。判ってから行動しても対処しかできない。本来陰謀に対して弱いのは敵の情報がなく不意打ちを食らう為で、事前に予測し、シミュレーションしておけば返り討ちに出来るのでしょうが、、、それって政治家一個人では相当無理な話で、政府機関が必要ですよね。ですが、仮に政府機関があっても、一般人の我々にはその情報は得られませんので、我々は日比野さんのブログで意見交換して理解を深め不測の事態が起きても慌てないで冷静に事を眺められるといいですよね。
    2015年08月05日 11:17
  • 朱鷺池

    中国。中共だ。理系も理屈も、そもそも意味が無い。日本が対処能力を高めると、
    単純に地域支配が遅れるのだ。安保法制は日本人の閾値が、危機意識に収斂する。
    行動は、あらゆる場所、人、時間を懸けて仕掛けて来る。
    2015年08月05日 11:35
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    支那人の行動を戦略的と考えるのは誤りである.

    これは米国の行動が戦略的でないのと同じである.
    ゲーツ元国防長官の回顧録を読んで印象深かい点は
    米国には戦略がなかったと述べている点である. では,
    では, どうして我々は米国の行動を戦略的と思うのか.
    それは米国の指導的政治家や経済人が金太郎飴の様に
    皆が同じ考え方をしているからである. 宿痾である.
    民主主義国家であり, 大統領の政党が交替し得る
    米国の対日経済戦略がいつも同じように見えるのは,
    米国の欲張りは誰も同じことを考えているからに過ぎない.

    支那も同じだと考えるべきだ.
    支那大陸の三千年の移り変わりを見れば,
    そこに住む支那人集団は強い外への膨張圧力を
    持つ液体のようなものだといえる.

    支那人がその様なものだと分かれば,
    日本は常に一歩も譲ってはならないということだ.
    膨張圧力しかない液体であるから戻ることは決してない.
    2015年08月05日 13:35
  • opera

    中国の挑発行為が安倍政権への支持率低下を招くというロジックが成り立つには一つ前提があって、中国が挑発(自衛?)行為を繰り返すのは、安倍政権が中国を必要以上に敵視する強硬な態度を取っているからであって、日本側が何もしなければ、中国側も敢えて問題となる行動はしないはずだという、伝統的な平和ボケに基づく事勿れ主義を、未だ多くの国民が抱いている場合であることです。

     確かに、保守系のネット界隈では、こうした発想はほとんど無くなったでしょうが、日々TVや新聞の影響を受けている一般国民を考えた場合、良くて五分五分位に見ておいた方がいいかもしれません。ただ、中国の動きに不安を覚えている国民も多いでしょうから、民主党を筆頭にした野党は信頼できないが、自民党で安倍首相以外の「リベラルな」指導者に期待する国民が一定数いると仮定した場合、政権と野党支持率は低下しているのに、自民党の支持率は高まっていることをうまく説明できますし、現実には無風状態である総裁選で一波乱起こす可能性も無くはないでしょう。

     この意味で、日比野さんの前回の主張は可能性としてはありますが、個人的にはそれを中国が意図的にやっているとはちょっと思えません。今回のエントリーにあるように、現場の軍事的必要から(戦略的な観点も無く)場当たり的にやっている行動のように見えます。
    2015年08月05日 15:54
  • opera

    今回の安保法制の議論では、気になっている(が誰も纏めてくれていない)点が二つあって、一つは、今回の安保法制は国際法上の集団的自衛権は認めておらず、『(国家)存立危機事態』という概念を用いてその一部を取り込んだに過ぎないものですが、より具体的に、①東シナ海(尖閣諸島周辺)での警察行動から防衛行動に移行する際の法制度上の隙間をキチンと埋めることができたのかどうか、また、②南シナ海で中国の行動を掣肘する行動に対してどのような形で関与できるのか、という点です。

     二つ目は、日本は集団的自衛権を正面から認めたわけではないのに、日本が出てきてくれるかもしれないということだけで、諦めかけていたフィリピンやベトナム、ミャンマーやマレーシアまでが軍備増強に転じたという国際的な影響の大きさです。この点に関するアメリカの論文(ソースは失念)もありました。
     また、最近になってアメリカ自身の対中政策の転換があったことが話題になっていますが、その詳細についてはまだよく分かっていません。

     マスコミも、こうした点をキチンと取材して報道すればよいのですが、まぁ、能力的にも思想的にも、無理かもしれませんねw
    2015年08月05日 15:56
  • 白なまず

    ちび・むぎ・みみ・はな様、ご参考です。

    >それは米国の指導的政治家や経済人が金太郎飴の様に
    >皆が同じ考え方をしているからである. 宿痾である.

    アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(個別の11人)」というシリーズがあるんですが、元ネタの一つが226事件や515事件などの赤化思想で革命を起こす軍属の話をモチーフにしてテロを行うバラバラな個人が11人登場して(お互いは知り合いでも何でも無く)、夫々の思想で行動しその結果、同じテロを行うと言う奇妙な事件の話で、話のオチですが、情報操作や洗脳などによりテロリストが誘導された結果と言う流れなんですが、まさに、この洗脳、情報操作が同じ価値観に基づく教育で行われれ、優秀であれば有るほど洗脳が強く、志向、思想は全て同じの共通価値観で、フリーメイソンの価値観に基づき建国された米国の思想を自分の意思とする金太郎飴の話だと思います。それで、この金太郎飴は誰が仕込んだかと言うと、、、勿論資金をだしたフリーメイソンでしょうね。だから、金太郎飴論で結論とすれば陰謀論は存在しない事になると思いますが、資金源までも含めて俯瞰するとフリーメイソンの陰謀論とも思えます。

    DVDレンタル屋さんにあると思いますので、ご興味が有ればご覧ください。
    ネットを探せば動画もあると思います。

    【攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX】
    https://ja.wikipedia.org/wiki/攻殻機動隊_STAND_ALONE_COMPLEX
    2015年08月05日 16:12
  • 泣き虫ウンモ

    自分の話はしたくないのですが、垂直思考ではなく水平思考の強い人間なので。

    悪く言えば、いい加減とか器用貧乏とか言いたくなる人もいるでしょうが、単眼ではなく複眼なのでね。

    今の政治家に求められている事は、経済とか外交とか安全保障やら多岐に渡りますよね。
    そういう目で見た時に始めて、中国の動きが分かるのですよ。

    例えば、中国の経済指標ですが、どこまで信頼できるのか?という問題も御座いますね。
    李克強指標なるものも存在します。
    そういうものを包めて考えると、中国共産党は相当に厳しい環境に追い込まれており、なりふり構わずに次なる行動に出る可能性が高いのではないのかなぁということですね。
    2015年08月05日 19:31

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