中国に襲い掛かる「自由市場」
今日は極々極々簡単に…
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上海株が下げています。
8月6日の上海株式相場は続落して始まり、引けは3661.54。前日比でマイナス0.89%でしたが、僅かに陽線ですね。
筆者は8月1日のエントリー「自分の首を絞め続ける上海株式市場」で、短期的に反発するかもしれませんが、5日線が25日線を超えるかどうかがポイントだと述べましたけれども、チャートをみると、確かに8月4日に少し陽線が立って上げましたけれども、翌5日にはまた下げ。そして今日の上髭陽線です。
あれだけ、中国当局が常識では有り得ない市場介入をしているのに、チャートはセオリー通りに見えるのが何とも不思議な感じです。
チャート的には、出来高も細って、三角ペナント持合いが頂点に近づいてきていますから、ぼちぼちどちらかに動くタイミングなのですけれども、大幅な上げはあまり期待できなさそうな雰囲気です。何せ上がる材料がありませんからね。ファンダメンタルは弱い。あるのは巷で「キンペー砲」と揶揄される当局の介入くらいです。
ところが今日の下げは、「当局は上海総合指数で3600程度を下値のメドに相場を支える方針とみられるが、一段と上値を追うまでの支援は考えていないようだ」との見方が広がり、資金の流出懸念から売られたと言われています。
セントラル・チャイナ・セキュリティーズのアナリストは「株式市場が大幅に値を戻すには経済のファンダメンタルズや資金流入といった支援材料に欠けている」と指摘していますけれども、逃げ腰ですね。
まぁ、あんな無茶苦茶をやらかして、投資家の資金流入があると思うほうがどうかしています。
底上げの材料として期待していたであろう"AIIBバス"は、整理券を配って座席こそ決めたものの、未だ発進の気配はなく、話も聞かなくなりました。
7月31日に、人民日報が「これはアジアの願いに合致するものであり、日米両国に対する挑戦ではない」と叫んだそうですけれども、反応は薄い。一生懸命吹いている笛の音も擦れ気味です。
そんな折、更にIMFが追い打ちを掛けました。
8月4日、IMFが公表した報告書で、SDRの構成通貨の変更時期について、当初予定の2016年1月から9ヶ月先送りして、10月にすべしとしたのですね。
その理由は、SDR入りを悲願としている中国の人民元をどうするかでIMF内で調整がついていないためです。報告書では、中国が為替市場を中国本土内と中国本土外に分け、為替レートも2つあることを挙げ、そのうち中国本土内の取引を制限していることを指摘。「SDRが適切に機能することを妨げる」としています。
まぁ、IMFはSDRの見直し時期の先送りとしかしていませんから、その伸びた先の来年10月には、人民元がSDR入りしている可能性は勿論あります。ただそれは、IMFが懸念している「自由に使える通貨という要件」をクリアしているという前提があります。
自由に取引できない通貨を「国際通貨」にしたところで、取引に使えなければ通貨の意味を成しません。ましてや国際通貨となれば、いつでもどこでも使えなくてはいけません。少なくとも、今の人民元は「自由通貨」だとは認められなかったということです。まぁ、上海株式での政府の介入をみたら、普通は様子を見ようとなるのが普通だと思います。
中国は"自由"を政治の力で抑え込もうと頑張っていますけれども、国内で頑張る分には勝手ですけれども、それがそのまま世界で通用するとは限らない。
中国と"自由"の戦いはこれから更に激しくなっていくような気がします。
この記事へのコメント
泣き虫ウンモ
AIIB絡みかどうか知りませんが、意図的に株式市場を賑わせようという意図があった可能性もありますわね。
そこで、考えるのは中国人の市場参加者の数ですが、共産党員でだいたい1億人ですかね。
その党員が無理にでも誘い込んだ人員は、どれ位か?ということですかね。
参加している人数に関しては、格メディアで数字が約5千万~2億人の開きがありますが、2億人ぐらいが正しいのではないかと。
そうなると、不満が爆発するのを必死に抑えようとする姿に映りますかね。
今の中国の対応はね。