今週、来週とウルトラ激務が続いて、更新が大分厳しいです…。なので、しばらく極々簡単な感想エントリーとさせていただきます。

9月9日、自民党の小野寺五典元防衛相は、ワシントンのシンクタンクで講演し、中国の外交当局が米国内の博物館などに働き掛け「歴史の事実を変えようとする動き」が見られると指摘しました。
小野寺氏は中国で公開された映画「カイロ宣言」に関し、「カイロ会談に、あたかも毛沢東が出ていたような形で捏造されている。…日本と戦って中国を独立させたのは私たちだと、正統性を国民に植え付けるためにプロパガンダ映画を作った」と中国の「歴史修正」に懸念を表明しています。
なぜ、小野寺氏がこの指摘をしたのか、確たる理由は分かりませんけれども、同じ指摘をウォール・ストリート・ジャーナルが8月27日付の記事「片面的な中国政府の歴史認識、草の根レベルで是正の動きも」でしているんですね。
この記事では、中国の歴史解釈には「日本の戦争責任を強調することと、日本の軍国主義を打ち負かす上で共産党が果たした役割を底上げすること」の2つの目的があり、それが先日の抗日式典で送ろうとしているメッセージだと指摘しています。
小野寺氏の発言がこの記事を受けてのものかどうかは分かりませんけれども、今の時機にこの指摘が日米からなされるということは、中国の今の動きをそれなりに警戒していることは間違いないと思われます。
ただ、この記事では、そうした中国政府の歴史修正について、草の根レベルで抵抗する動きがあると述べているのですけれども、ちょっと面白いのは、正しい情報源として「オンラインゲームが数百万人の若者たちに、国民党軍の戦時中の最高司令官らと、その戦闘ぶりや勝利について詳細に知ることのできる機会を提供しているのだ。マンガ本なども同じような役割を果たしている」と指摘しているんですね。
これについて、筆者は「日本というファウンデーション」や「漫画やアニメはキーワード検閲不可能」で同じ指摘をしたことがありますけれども、まぁそういうことですね。
それでも、中国では相変わらず日本のアニメは人気です。
例えば、今年、『STAND BY MEドラえもん』が中国でも上映されたのですけれども、5月30日の上映収入は8500万元と、中国映画史上、一日の収入の最高記録となったそうです。
その一方、中国政府文化部は、「未成年者を犯罪に誘い、暴力・欲情、テロ活動を助長する内容が含まれる」として、日本のアニメ38作品について輸入禁止リストを出しインターネット配信を禁止しています。
その影響で、6月の上海国際映画祭では「進撃の巨人」が上映中止となっています。
まぁ、ドラえもんが中国の歴史修正を指摘することはないでしょうけれども、意図なきソフトパワーが水面下で力を付けていく可能性はあるとみていいと思いますね。
勿論、これが直ぐに、中国共産党政権打倒になるとはいいませんけれども、中共のいうことは嘘だらけだと宣伝する効果は少なからずある筈です。こうしたソフトパワーによる情報戦は深く静かに「意図せず」続けていくべきだと思いますね。
この記事へのコメント
さきと