習近平皇帝の戦利品と野望

 
今日は感想エントリーを極々簡単に…

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9月3日、北京の天安門広場で「抗日戦争勝利70年記念パレード」が行われました。

習近平主席の演説の後に行われた軍事パレードでは、12000人の兵士と戦車やミサイルなど40種余りの装備、そして200機近い航空機が披露されたようです。

習近平主席は、演説で「中国は一貫して平和的な発展の道を歩み続ける。中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張路線を取らず、みずからの悲惨な経験をほかの民族に押しつけることも永遠にしない。…中国は将来、兵力を30万人削減する」と述べましたけれども、まぁ、233万人いると言われる人民解放軍のうち1割ちょっとを削減したところで何がどう変わるのか分かりません。そもそも、中国の軍拡には透明性がありませんからね。

先日もイギリスの調査会社から、中国のGDPの伸び率は公表値の半分またはそれ以下であるかもしれないと発表されましたけれども、同じように、兵力も公表値と実態が大きくかけ離れていることだって考えられるわけです。それこそ、隠された"裏の兵力"が公表の倍いたとしたら、30万やそこら減らしたところで、痛くも痒くもない筈ですね。

まぁ、正規兵が公表値の倍いるというのは多少大袈裟だとしても、予備役まで考慮すると話は変わります。一般に予備役は現役の半数から同数を揃えるのが普通とされていますし、徴兵制度を敷いている国では予備役の方が現役より多いとも言われています。

中国は憲法で「祖国を防衛し、侵略に抵抗することは一人ひとりの国民的神聖な職務である(中華人民共和国憲法・第55条)」と、兵役の義務を課していて、満18~22歳の者が徴兵(中華人民共和国兵役法・第12条)されるとしています。ただ実際は、人口の多さとも相まって、今のところ志願兵だけで事足りているようです。

報道では、兵力削減の発表は、中国脅威論を払拭したい狙いがあるからだといっているようですけれども、勿論それがあるとは思いますけれども、或は、もう一つ、習近平主席が自身の権力基盤を固めるために、政敵の息のかかった各軍区の兵力を減らして、政敵の力を弱めるための口実として、兵力削減を口にしたという気もします。

ともあれ、透明性がなく、公式発表そのものが疑わしい中国では、兵力を何十万人減らす減らさないなどと言ったところで、鵜呑みにしないほうがいいと思いますね。

軍事パレードには、およそ30ヶ国の首脳級が出席し、ロシアのプーチン大統領が習主席の右隣に、そして更にその右隣に韓国の朴槿恵大統領が立ちました。

筆者は、中国が、韓国の朴槿恵大統領をどう扱うのかに注目していましたけれども、プーチン大統領に次ぐ2番目の席を与えました。

しかも、前日の首脳会談の後には、特別昼食会が行われています。これについて、韓国大統領府は「特別昼食会が開かれるのは異例のこと。朴大統領の記念行事出席に対する中国政府の格別の配慮・歓待と、日々発展する中韓の戦略的協力パートナー関係を再確認する意味がある」と述べたそうですから、相当、厚遇していると言えますね。

これは、中国による「西側の国を引き抜いて、自分の陣営に鞍替えさせたのだ」というアピールだと思いますね。だから、殊更に歓待してみせて「西側陣営などは衰退する運命なのだ。これからは中国の時代なのだ」とパフォーマンスするのに韓国を使った。まぁ、そんなところだと思いますね。

要するに、言葉は悪いですけれども、韓国は"戦利品"だということです。

今回の中国の異例ともいえる韓国への厚遇に、韓国のネットユーザーは、「朴大統領かっこいい!」、「安倍首相と金正恩が歯を食いしばっている姿が目に浮かぶ(笑)」、「朴大統領と習近平主席、なぜか分からないけど、とってもお似合い。夫婦のようだ」などと喜んでいるようですけれども、ちょっとオメデタイ考えだと思いますね。

式典で、習近平主席は、スーツではなく、"人民服"を着ていました。筆者は、これまでのエントリーで、今回の抗日式典を習近平の"皇帝即位式"になると述べましたけれども、こうした場で、わざわざ人民服を着るということは、西欧の世界観を拒絶して、中華帝国の皇帝であると宣言したように、筆者には見えてしまいますね。

更に、式典では、各国首脳を出迎える習近平主席が、赤絨毯の端に立って来賓をエスコートするのではなく、正面にデンを構えて迎えたことをもって、"朝貢"のようだ、と指摘するツイートをちらと見たのですけれども、やはり、習近平主席は、そうした意識でもって、式典をやっていると思いますね。

では、今後、"習近平皇帝"は何をやってくるのか。

習近平主席は、これまで何度か「中国の夢」を口にし、「中華民族の偉大な復興の実現が、近代以降の中華民族の最も偉大な夢だ。この夢には数世代の中国人の念願が凝集されている」と述べています。

"中華の偉大な復興"ですからね。つまり、過去にあったそのような時代、例えば、かつての隋・唐、或は清帝国の実現を夢見ていると考えても、あながち外れているとは思えないですね。

今回の式典で、習近平主席は、人民服を着て、韓国という戦利品を見せびらかして、自身の皇帝即位を世界に宣言しました。次には、他の周辺諸国に「自分のところに来るがいい、中華帝国に入れ」と周辺国にプレッシャーをかけてくると思います。

要するに、西側陣営との間で周辺国の奪い合い、或は囲い込みが始まる、ということです。

まぁ、このせめぎ合いの帰趨がどうなるかは、まだ何ともいえませんけれども、世界情勢が大きく動き出していることは間違いありません。

日本はまだ安保法制でガタガタしてますけれども、世界はそんな悠長なことを許す余裕が無くなっていることを自覚すべきではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • almanos

    とうとう「中華対世界」の戦いを始めると叫んでしまったとも言えますな。「ワールドウォーC」だ。しかもロシアも。
    「チャイナ」と「ツァーリズム」の連合国。クリミアの事があるからこちらにはこれんとはいえ、悪手ですな。
     アメリカは高笑いしていそうだ。「やっと! 普通の戦争で叩き潰して勝てる相手が出来た! 」と。アメリカは基本不正汽船が駄目ですからねぇ。正規戦でぼっこぼこにして勝てる相手が欲しくて堪らなかったでしょうし。
    2015年09月04日 05:44
  • opera

    >…プーチン大統領に次ぐ2番目の席を与えました。
     そう考えて、韓国国内でもホルホルしているようなんですが、これはどうなんでしょうね。
     あの並びを見ていて思い出したのは、昔読んだ、唐代に外国からの使節を迎える際の席次に関する一節です。
     記憶も曖昧ですし、歴史的にも正しいかどうかはっきりしないのですが、皇帝を中央に、向かって左側(右隣)の筆頭は日本かインド、右側(左隣)の筆頭には新羅が並んでいたとと書かれていましたが、その意味は、左側には外国からの使節が、右側には朝貢体制に含まれる属国が並ぶという当時の儀礼上の理由による、と説明があったと記憶しています。
     つまり、韓国は「戦利品」というだけでなく、「属国」筆頭に認定されたということでしょう。
     また、朴槿恵大統領は随分と厚遇されたと言いますが、「無能ならば大いに与え、歓待せよ」という『六韜』の伝統がある中国から厚遇されたことが、喜ぶべきことなのかどうか。
     日中国交回復時にもあったそうですが、中国はこうした「歴史的な罠」を仕掛けてくることがしばしばあります。とくに、中華文明圏の影響を受けた国々に対しては。
     まぁ、韓国がよく言う「歴史を知らない者には未来がない」という状況が、まさにブーメランになっているのかもしれませんね。
    2015年09月04日 15:30

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