日本がユネスコ分担金を凍結したらどうなるか

 
今日も極々簡単に…

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10月12日、菅官房長官は、BSフジの番組で、ユネスコが世界記憶遺産に中国が申請した「南京大虐殺」に関する資料を登録したことについて、ユネスコに拠出している分担金を「政府として停止・削減を含めて検討している。…「制度そのものも変える必要がある。密室でやっている。透明性や公平性をもっと出すべきだ」と述べました。

続いて翌13日も、菅官房長官は記者会見で、ユネスコが世界記憶遺産に中国が申請した「南京大虐殺」に関する資料を登録したことについて「意見が全く違う中で登録され、公正であるべき国際機関として問題だ。政治的に利用されることがないよう、制度の透明性を強く求めたい。…非戦闘員の殺害、略奪行為があったことは否定できないが数の断定は困難との立場だ」とユネスコを強く批判しています。

この段階で、分担金見直しを口にできている時点で、政府は大分その準備が進んでいるとみていいように思います。少なくとも政府内の意思統一はほぼ終わっているでしょうね。あとはやるかやらないかのボタンを押すだけ。

ユネスコの予算は2年(2014-2015)で約6億5300万ドル(約640億円)。1年で約320億円程ですね。無論その金は主に各国への分担金で賄われているのですけれども、日本の分担金は10.834%で世界2位。1位はアメリカの22%なのですけれども、アメリカはパレスチナのユネスコ加盟に反発し、分担金支払いを2011年に停止しています。そのため、事実上、日本が一番支払っているのですね。額にして年間約37億円に上ります。それを今回減額または止めようとしている。



では、日本が分担金金を止めるとユネスコはどうなるのかというと、やはり少なからず影響はあると思いますね。

2011年にアメリカが分担金を停止したとき、ユネスコはどうしたかというと、事業の再検討行い、新たな活動は保留することを余儀なくされました。

同じく、日本が分担金を停止すれば、ユネスコのいくつかの新規事業は停止すると思われます。"ナントカ遺産"を一度認め、登録したら、あとは維持管理をしていく必要が生じますから経費が発生します。しかもその"ナントカ遺産"を「10年経ったから止めた」なんてことはできませんから、金は掛かる一方です。ですから、経費を節減しようと思ったら、まずは新規事業を停止して、それでも駄目ならリストラくらいしか手がありません。そうして、分担金との収支を合わせるしかない。

逆に収入を増やそうとしたら、金のありそうな国の分担金を増やしてしまうくらいしかないのですね。ところが、ユネスコの分担金は、国連が各国に定める分担率に準じて決めるのが慣例としてきました。つまり、各国へのユネスコ分担金比率は、国連分担金の比率と同じだということです。

次の図は、国連分担金の各国比率とユネスコ分担金の各国比率を示したものですけれども、見事に一緒になっていますね。

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ここから、既に凍結しているアメリカに加え、日本も分担金を停止するとなると、更に10%減ることになります。それを他国の分担金を増やすことでカバーしようとするのなら、国連の分担金比率を見直して貰うか、ユネスコがこれまでの慣例を破って、ユネスコ総会で新たな分担金比率を決めるしかありません。

けれども、そこはそれ、各国の利害が対立する場。どの国だって自分の負担が増えるのは嫌がります。なにせ、どんなに分担金を支払ったところで投票権は一国一票で変わらないのです。であるならば、金は他国に出させて、自分は一票をしっかり持っていたほうがいいとなるのは当たり前ですね。

ゆえに、ユネスコが、そんな強欲張りだらけの国々から分担金を集めようとしたら、やはり、国連分担金と同じ比率で、とするのが一番無難だと思われます。おそらくそんなところからユネスコ分担金比率も国連分担金と同じで落ち着いたのではないかと思いますね。

一方、ユネスコ分担金の支払いを2年連続で停止すると、投票権を失うという規定もあります。実際、アメリカは2013年に投票権を失っています。

ですから、一昨日のエントリーでも言いましたけれども、日本もユネスコ分担金を止めるのであれば、その後の事まで、きちんと考えた上で、段取りを組んで欲しいと思いますね。

この記事へのコメント

  • almanos

    止め方が問題ですね。手を引くと「歴史戦」の道具にされかねないという点も含めて。期限を切って具体的改革要求を突きつけてとかやってくのが一番ではと思います。出来ないと資金凍結と。で、条件は特亜以外が納得できるものにすべきでしょう。政治利用が疑われるものは取り消すとか。やり方を工夫しないといけないでしょうね。
    2015年10月14日 06:11
  • 白なまず

    お題と関係ないですが、、、懲りずに紹介します。

    竹内宿禰さん古事記の暗号の話の前に日米の経済会議での出来事で麻生さんと米国の経団連会長とのやりとりをバラす。この会議を主催したのがロックフェラー財団。迎え撃つ麻生太郎。
    https://www.youtube.com/watch?v=87oJcKkCLY0

    何故、日本は戦ったか、、、
    【戦後70周年特別映像第一弾 今、私たちがすべき事】
    https://www.youtube.com/watch?t=891&v=89bBIpsbuag

    明らかになった米国の正体。
    【戦後70周年特別映像第二弾 今、私たちがすべき事】
    https://www.youtube.com/watch?v=pHHScmDzxyE
    2015年10月14日 10:30
  • タミダ

    ユネスコへの分担金も含めて中国が三戦工作を駆使して展開する点に後手で回る日本外交の過失が明確になってくる。
    日本の悪いクセなのかもしれないが相手の要求や推移を「待ちすぎて」はいないだろうか。
    中韓ともにジャパンバッシングをするのは歴史認識を利用して日本の経済力や信頼性を鈍化、喪失させる点にある。その空いた点を中韓は自分達のシェアとして奪い国益として見出だそうとしてるのは明白ではないか。
    重要な点は国連から日本を追い出す理由にさせて発言力を無くす事だ。常任理事国入りを強く発言した安倍政権にとって強気に出過ぎてもいけないのかもしれない。それだけ中国は情報戦に金をかけている。ロビー活動も日本的な話し合いでは通用しないだろう。

    国際社会で日本の「待ちすぎて」いる対応は国際協調路線だからというのは間違いだろう。成果主義を中心に中韓との情報戦の競争力の差なのだと日本国民は知るべき時ではないか。
    2015年10月14日 17:20

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