イギリスの原発プロジェクトに食い込んだ中華原発

 
今日も時間がないので、極極々簡単に…

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10月20日、中国の習近平主席は、訪問先のロンドンで記者会見を行い、イギリスへの原発の輸出で最終合意に達したことを発表しました。

中国製原発の建設が決まったのは、イギリスのサマセット州ヒンクレイ・ポイント原発、サフォーク州サイズウェル原発、エセックス州ブランドウェル原発の合計3基なのですけれども、建設は中国国営の原子力企業CGNとフランス電力公社(EDF)とのコンソーシアムで進められるようです

建設総工費は300億ポンド(約5兆5000億円)で、最初の1機となるヒンクレイ・ポイント原発C号機の運用開始は2025年頃となる見通しとなっています。

現在のイギリスの原子力発電能力は9.23GWなのですけれども、2020年半ばにはその多くが寿命末期を迎えることから発電能力の減少が予想されています。

そうした事情から、イギリスでは、原発新規建設は支持されており、現在8つの建設プロジェクトが進んでいて、2030年までに16GWの展開を予定しているそうです。今回建設が決まった3基の原発もそのプロジェクトに入ります。

今回の決定は、中国との関係改善の一環として実施され、中国政府の後押しによる中国人観光客の到来など、様々な経済効果を期待してのことだとも言われていますけれども、実際の原発の運営はフランス電力公社(EDF)で、そのプロジェクトの中に中国企業が参加する形のようです。

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上の図は現在のイギリスの稼働原発と建設計画なのですけれども、フランス電力公社(EDF)が請け負っているのは、ヒンクレイ・ポイント原発を始めとした5プロジェクトですけれども、近年、イギリス政府はその原子力政策を自前の原子力開発から、純粋に電力需要を賄うためものへと転換し、原発の開発は元より、発電所の運営も外国企業に丸投げするようになってきています。無論、原発の建設費用も出す積りはなく、今回のプロジェクトもフランスを中心とした海外企業に建設費のすべてを負担させる代わりに、発電した電気を1000キロワット時当たり92.5ポンドでの買取を保証しているそうです。

まぁ、中華原発と聞くと、安全性は大丈夫なのかという不安もよぎらなくもないですけれども、実際の運営はフランス電力公社(EDF)が面倒をみるということにして、リスク回避を図っているのかもしれません。

先の図で、フランス電力公社(EDF)と並んで「NNB GenCo」という企業があるますけれども、「NNB GenCo(NNB Generation Company)」はイギリスに原発を建設および運営するために設立されたEDFの子会社です。従って、実際の運営はNNB GenCoが担当することになると思われます。

こんな話を聞くと、建設費を全て中国持ちでやらせる、インドネシアの高速鉄道ぷプロジェクトを彷彿させられるものがありますけれども、寧ろ、こういう方式の方がこれからは普通になるのだと捉えるべきなのかもしれません。

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    策士 策に走って国を滅ぼす.

    英国は大戦中も策に走って大英帝国を無くした.
    国の基礎力がなくなっていることを理解せずに
    大昔の繁栄を追うから国を亡くす.
    2015年10月22日 13:21

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