昨日のエントリーに関連して、極々簡単に…

梶田教授のノーベル賞受賞を受けて、また民主党の負の遺産がクローズアップされているようです。
というのも、今となって悪評高き事業仕分けで「スーパーカミオカンデによるニュートリノ研究」を含む経費を予算縮減と評定していたとネットの一部で話題になっているんですね。
ついこの間は、鬼怒川決壊も堤防の予算を仕分けで削ったからだ、と騒ぎになりましたけれども、またこれです。よくぞ、そんな状況でノーベル賞が取れたものだと思いますけれども、今回の受賞の元となった業績の殆どは、仕分け予算が執行される前のものですから、スレスレでセーフだったからだと思われます。おそらく、仕分けの影響が出てくるとすれば、これからだと思いますね。
次の図は、過去日本人が受賞したノーベル賞の一覧ですけれども、一見して分かるのは、物理・化学・医学に集中しているということです。これは、それだけ、この分野に関する日本の貢献が大きいということですね。
また、今回の梶田教授の受賞のように、小柴さんに続いて、師弟でノーベル賞を受賞するということは、それだけ研究者の層が厚いということでもあるし、同時にこの分野が将来有望であるという証拠でもあると思うんですね。
実際、小柴さんは、「夢は教え子たちがノーベル賞をもらうこと。…神岡でやっている実験で、必ずもう1つ、うまくいけば3つノーベル賞をとる」と語っていたそうです。つまり、あと2つはノーベル賞級の研究が神岡の研究施設で行われているということですね。
そんな将来性のある分野を民主党は政権時代に事業仕分けと称して予算削減をした。まぁ、仕分人達は、今年来年の予算を圧縮すれば、それでマルだったのかもしれませんけれども、それによる国益の損失、或は世界、人類への損失は如何ばかりのものなのか。ちょっと想像つかないですね。
勿論、予算とて無尽蔵にあるわけではありませんから、どんな有望な研究とて、限度はあります。ですから、結局、一言でいってしまえば"仕訳人"に見る目がなかったということなのだと思います。
例えば、仕訳人がスウェーデン王立科学アカデミーやカロリンスカ研究所のメンバーだったとしたらどうだったか。
言わずと知れたことですけれども、彼らはノーベル賞を選考する人達です。従って、世界最先端の研究内容や、どの研究が凄いのかどうかは知悉しているものと思われます。ですから、彼らの手で仕分けが行われたとするならば、その結果は違ったものになると思いますね。なんとなれば、仕訳で予算削減なんてとんでもない、増額すべきである、なんて結論を出すかもしれません。
そういえば、iPS細胞の山中教授も、研究予算がなくて、自身がマラソンすることで研究予算を募ったくらいですからね。
日本の科学技術に対する助成が、仕分け云々以前に、元からこの程度なのであれば、やはり今後が心配になります。日本人のノーベル賞受賞は喜ばしいことでありますけれども、それは相当に劣悪な環境から奇跡的に生まれたものかもしれないことを、よく知る必要があるように思いますね。
この記事へのコメント
almanos
後、雑務も全部自分らでやらないといけないところが多いそうなのでそこら辺の対策も要るでしょうね。
最も、現在の国の予算制度は「単年度会計」で「単式簿記」という制度なのでこれが根っこにある問題でもある。憲法改正で私は九条はまあ、自衛権行使に制限無しという付帯条項つければ良いかと思いますが予算制度については「通年会計」で「複式簿記」にすべきだと思いますね。後、国民に簿記の基本的な知識を義務教育で叩き込むべきでしょう。エセ経済学者が蔓延る理由は簿記の知識が無くて騙しやすいという面もあるから。ゲーテがワイマール共和国の官僚時代に「簿記を必ず教えるべきだ」と言ったのはそこら辺を踏まえているからと思いますしね。ゲーテ推奨の政策として安倍内閣でやってくれんだろうか? まあ、科学振興から大分外れた話ですが。
八目山人
それで薬はメルク社から出ています。産学共同です。私も覚えがありますが 昭和40年代の大学なんて 産学協同なんて絶対ダメ 大学は象牙の塔ではないと と言っている人がいました。
大村さんは 日本の製薬会社に声をかけていたんだろうか?かけても彼の経歴を見て絶対にお金を出さなかった思うなあ。
ちび・むぎ・みみ・はな
その後の内閣が予算をどのくらい増やしたのかを
見てから言うべきではなかろうか.
土木関係では増えていないという声がある.
もしそうなら, いつまでも嘘付党を殊更に論うネットの声が
あるのは何らかの理由があるからだとはならないだろうか.
現内閣は世論操作が大変に旨い.
sdi
泣き虫ウンモ
効果が小さいと言えないのは耐用年数でして、オリンピックを良い契機にして土木工事をやりましょう。
矛盾してるようで、矛盾していないのです。
そろそろヤバイよね、みたいな橋もあることは事実でなんとか修復しないといけないのは、その通りかなぁと。